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2024年9月5日更新

不足しがちな水 食事で補おう|60代からのラク健レシピ②

年を重ねると体内の水分量が減り、水分が不足しがちに。暑い日が続く中、熱中症を防ぐためにも水分補給が大切です。水分を補うレシピを紹介します。

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汁物、あんかけ 水分多いウリ類

飲み物だけでなく、食事も水分補給に役立ちます。汁物やあんかけ、水分の多いウリ類などがお勧めです。


筋肉減ると体内の水分減りやすく

体内の水分の多くは、筋肉に蓄えられています。一般的に年を重ねると筋肉量が減るため、水分量は若い人に比べて減少し、体重の約50%になる、と言われています=下図参照。心身の機能や活力が低下した「フレイル」という状態になると、筋肉量はさらに減るため、脱水に陥りやすくなります。また、加齢に伴い感覚機能が衰え、のどの渇きを感じにくくなる傾向もある、とされています。

脱水症状や熱中症になることを防ぐためにも、こまめに水分を補給することが大切です。





食事は水分補給につながる

1日3回、ご飯と汁物、おかずがそろった食事をすることで得られる水分量は約1.1~1.2ℓ。水や嗜好(しこう)飲料を合わせた飲み水が約1ℓ、食事をした際、食べ物が栄養分に変わるときに体内で生まれる代謝水が約300㎖。食事と水分補給ができていれば、体には1日約2.5ℓの水分が入ってきます。食事は栄養を取るだけでなく、水分補給にもつながります! しっかり食べて夏の不調を長引かせないことは、秋、冬の体調管理にもつながりますよ。

逆に、食事の量や回数が少ない方、胃腸の調子が悪く下痢をしやすい方、利尿作用のある薬を飲んでいる方は、体内の水分量が不足しがちになるため、意識して水分を補給する必要があります。





食事やおやつに一工夫

普段は、水か利尿作用の少ないお茶で水分補給をしましょう。汗をかいたり、下痢や嘔吐(おうと)など体調不良がある場合は体内のミネラルバランスが崩れるので、塩分と糖分が入った経口補水液やスポーツドリンクをお勧めします。ただし、普段からスポーツドリンクなどで水分補給をすると、塩分や糖分を取り過ぎてしまう可能性があります。時と場面にあわせて賢く水分補給をしましょう。

食事は汁物やあんかけ、おやつには果物やゼリーなど、水分の多い食材やメニューを取り入れるといいですよ。食材としては、野菜はウリ類に多く水分が含まれていて、キュウリやモヤシ、トウガン、ヘチマには100g中約95gの水分が含まれています。果物は、スイカ(同89g)やメロン(同87g)に水分が多く含まれています。



 
◆ ◆ ◆ ◆ ◆

具だくさん!
うちなーみそ汁


1人前255kcal、水分320g、たんぱく質20g、野菜110g

【材料】3人分
豚肉100g、塩こうじ10g、ニンジン約1/4本(30g)、キャベツ50g、もやし100g、ヘチマ1/2本(約150g)、豆腐小1パック(170g)、卵3個、ショウガ少々、だし汁1ℓ、みそ大さじ2弱(35g)

【作り方】
1.肉は塩こうじに漬けておく。
2.野菜は好みの大きさに切る。ショウガは千切りにする。
3.鍋にだし汁を入れて、ショウガと豚肉、野菜類、豆腐を入れて中火で煮る。
4.野菜や肉に火が通ったら卵を割り入れる。
5.火を止め、みそで味付けする。

冷蔵庫にある残り野菜や季節の野菜、豚肉、豆腐などなんでもOK。たんぱく質と野菜をしっかり取れるのが、うちなーみそ汁のいいところです!


とろみが水分補給に
魚の野菜あんかけ


1人前111kcal、水分140g、たんぱく質12.8g、塩分1.1g

【材料】2人分
白身魚2切れ、塩こしょう少々、冷凍ミックスベジタブル100g、ニンニク1かけ、油少々、鶏がらスープ100ml、A【カレー粉小さじ1/4、しょうゆ小さじ1/2、みりん小さじ1/2、塩1g(約小さじ1/5)】、【かたくり粉小さじ1、水小さじ2】

【作り方】
1.魚に塩こしょうを振って、焼く。
2.Aを合わせておく。
3.フライパンに油をしいて、みじん切りしたニンニクを炒め、香りが出てきたらミックスベジタブルを加えてさらに炒める。
4.3に鶏がらスープを加えて2で味付けし、水溶きかたくり粉でとろみをつける。
5.皿に1の魚とあんかけを盛る。

水分補給にもなる、あんかけ料理。食欲が落ちやすい夏もカレー味で食欲アップ! むせ込みのある高齢者には軟らかい野菜を小さく切ってあんかけにすると、飲み込みやすくなります。


のどごしが良くツルッと入る
水ゼリー


43kcal、水分602g

【材料】
水600ml、アガー1パック(10g)、砂糖小さじ1/2、レモン汁小さじ1/2

【作り方】
1.鍋に、水、アガー、砂糖を入れ、よくかき混ぜてから火にかける。
2.沸騰したら火を止め、レモン汁を入れてかき混ぜ、冷ます。
3.あら熱が取れたら冷蔵庫で冷やす。

寒天やゼラチンより、飲み込みやすい食感になるアガーがお勧めです。のどごしが良いので、体調を崩したときにもいいですよ。飲み込みが心配な場合はフォークで細かくつぶすと、より食べやすくなります。飲みにくい薬の服薬ゼリーとしても。服薬に使う場合は、医師や薬剤師に確認してください。



文・写真/長嶺由香
ながみね ゆか。介護食に25年携わる。管理栄養士。国際中医薬膳師。県栄養士会会員。安立医院勤務
『週刊ほ~むぷらざ』60代からのラク健レシピ②
第1935号 2024年9月5日掲載

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