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2024年1月4日更新

持ち家の整理|生前に決め もめごと避ける|やってみよう、終活⑩

財産の中でも特に大きな割合を占める持ち家。終活として自宅を今後どうするかを整理することは大切。しかし、多くの人が必要性を感じつつも、なかなか対策を打てていないのが現状なのでは。どのような整理の方法があるのか、またその特徴などを染矢合同事務所の染矢弘芳さん(67)に聞いた。

相続後の財産は、配偶者や子どもたちなど残された家族に任せるというのが一般的だったが、超高齢社会を迎え、相続後の親族同士のトラブルを防ぐため、生前に終活の一環で相続後の準備をすることの重要性が増している。

終活と不動産を考える際に最も身近で問題になりやすいのが、持ち家の処分。染矢弘芳さんは「不動産は、現金などの金融資産とは違い、きれいに分割することができないため、生前に持ち家をどうするか決めておかないと相続後にもめる可能性が高くなる」と語る。

さらに近年は、自宅の整理がうまくいかず、空き家となり問題になるケースも増えているという。「建物が劣化し資産価値が下がるのはもちろん、不法投棄や不法侵入、近所とのもめごとが発生する可能性もある。資産整理を元気なうちに取り組んでおきたい」と強調する。


三つの方法の特徴知る

終活時における持ち家を整理する方法について「主に家を売却して現金化する『売却』、財産の所持者が生きているうちに不動産を渡す『生前贈与』、財産を持つ人が死後に財産をどのように扱ってほしいかなどを明記する『遺言書の作成』の三つの選択肢がある」と説明する。

「売却」は、不動産を巡るトラブルを未然に防げるが、被相続人は住む家が無くなるので、相続人の子どもと一緒に住むか賃貸で暮らすなどの別の問題が発生することも。「生前贈与」は財産を減らして節税対策になるというメリットがある一方、財産がなくなり贈与者の生活が困窮してしまうことも考えられる。「遺言書の作成」は、被相続人が遺産分割で自分の意思を残せるため、相続後の遺産分割がスムーズ。しかし、自筆の場合、書き方に不備があると効力がなくなる可能性があるという。

それぞれのメリットやデメリット=下参照=などの特徴を知り、現在の生活も踏まえ最適な選択肢を選びたい。


 家の整理の方法三つの主なメリットとデメリット 

売却
〈メリット〉
①不動産の維持費や固定資産税がかからなくなる。
②老後資金として使うことができる。
③複数の相続人による分配がスムーズに。
〈デメリット〉
①現在住んでいる自宅を売却する場合、子どもの家で同居するなど、住む場所を事前に確保する必要がある。
②希望売却価格より高く売れなかった場合は、必要な資金を確保できない場合も。
 


生前贈与
〈メリット〉
①不動産を受け継ぐ人を直接指定するので、確実に渡すことができる。
②売却同様に不動産の維持費や固定資産税がかからなくなる。
③相続財産が減り、不動産を相続した場合にかかる相続税の課税額を減らすことができる。
〈デメリット〉
①財産がなくなってしまい贈与者の生活が困窮してしまう恐れがある。
②節税対策として生前贈与を活用していても、税務署が贈与を否認した場合には相続時に課税となることがある。
 

遺言書の作成
〈メリット〉 ①相続人同士がもめることなく相続手続きができる。
〈デメリット〉 ①自筆の場合、書き方に不備があると効力がなくなる可能性がある。



 
教えてくれた人

そめや・ひろよし さん/染矢合同事務所。司法書士、行政書士。 電話=098(836)3799

取材/安里則哉
『週刊ほ〜むぷらざ』やってみよう、終活
第1900号・2024年1月4日掲載

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安里則哉

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編集者
日々、課題ばかりですが、取材ではできる限り、対象者の人間性が引き出せたらと思い、仕事に努めています。食べることが大好き。そのためダイエットにも力を入れたところですが、いまだ実現せず(笑)。

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