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2023年12月28日更新

[企業家インタビュー]初心忘れず 新時代の基盤作り|株式会社リポースカンパニー

フランス発祥の海洋療法「タラソテラピー」を軸に、多方面から「癒やし」を提供し続けるリポースカンパニー。県内外のリゾートホテルで八つのスパサロンを展開。県内のショッピングセンターにも直営店を出店し、化粧品の輸入販売も手掛けている。代表の粟國淳子さんは「コロナ禍の行動制限がなくなったとはいえ、その余波はまだ続いている。苦しい時こそ初心を忘れず、新時代に向けた基盤作りに力を注ぎたい」と話す。

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株式会社 リポースカンパニー
代表 粟國淳子さん


あぐに・じゅんこ 1963年生まれ。外資系化粧品メーカー勤務をへて91年に那覇市で開業。県内外でタラソテラピーや温泉、沖縄素材にこだわったスパサロンを展開する。2013年、輸入部門「ベルダ事業部」を新設。15年からイオングループの店舗(ライカム、北谷、那覇、具志川)にカウンターをオープンした。21年11月に創業30年を迎えた。昨年は金武町に研修施設もオープンしている。
 

初心忘れず 新時代の基盤作り

「トリートメントはお客さまの肌に直接触れるため、密な状態が避けられないのが私たちの仕事。5月に行動制限が解除されたとはいえ、まだ不安がっていらっしゃるお客さまは多いと感じている」と粟國さん。ウクライナ問題の影響で輸入商材が届くのが遅れたり、観光のトップシーズンである8月には大型台風6号が2度本島に襲来。影響の長期化から事前予約が伸び悩むなど「今年は思うように行かないことが多かった」と振り返る。

それでも「停滞していては前に進めない。苦しい時こそ初心に戻り、一つ一つ、積み重ねていくことが必要。そうすることで今後の道筋ややるべきことは見えてくる」と前向きだ。

まずはブランドコンセプトに立ち返り、「自分たちの強みを生かした癒やしの在り方」を模索。海の恵みを体内に取り込むことで体本来の自然のバランスを取り戻す「タラソテラピー」、クチャや沖縄のハーブなど地元の天然素材を使った「デトックス」、オーガニックコスメを活用した「ヘッドスパ」に「全身ケア」。これら一つ一つの特徴を生かし、リゾートエステの世界観を取り入れたプッシュ商品の開発に力を入れている。
 
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働き続けられる 環境整備に注力

コロナ禍が明け新卒者が増えていることもあり、人材育成と待遇改善にも継続的に力を注いでいる。外資系の化粧品メーカーに勤めた自身の経験と30年余のノウハウを詰め込んだ自社マニュアルに基づき、金武町にある自社施設を活用しながら研修を実施。昨年に続けてベースアップも実施したことで「スタッフの定着率も上がってきた」と手応えを感じている。

子育てや介護との両立が図れるよう仕事を見える化。スタッフ全員でサポートし合う体制を強化し続けるなど、働きやすい環境づくりには人一倍気を配ってきたが、「今後は働く人に仕事を合わせていくことが必要」とも。「スパの営業時間を早めたり、3交代制なども検討。働き盛りの女性たちが、ワークライフバランスを図りつつ最大限のパフォーマンスを発揮できる環境も整えていきたい」と話す。

コロナで停滞していた経済活動は回り始めたばかり。物価やエネルギーの高騰に不安定な社会情勢など、これまでにない状況が続いているが、「いつの時代もお客さまに寄り添い、地元の素材や人のぬくもりなど沖縄らしさを大切に、人々の心と体を癒やせるのが私たちセラピスト。5年先、10年先も社会に必要とされる企業であり続けるためにも、2024年は新時代を担う若い世代が活躍できる基盤作りに努めたい」と力を込めた。

 

 本場のタラソ導入 


体全体からミネラルを補給することで毒素の排せつを促す効果が期待できる「海藻パック」。ミネラルが不足すると、むくみや肌荒れ、冷え、不眠などの体調不良が生じやすくなる


ミネラル豊富な海塩&海藻のマリンボールで深いリラクゼーションへ


全身のツボを刺激し筋肉のこわばりをほぐすアフュージョンシャワー
 

『週刊ほ〜むぷらざ』年末年始特別号・企業家インタビュー
第1899号 2023年12月28日掲載

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