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2023年11月2日更新

資産運用、出口はどうする?|賢く生きる!マネー術⑧

文・岡田有里(ファイナンシャルプランナー)


 

Q 資産運用、出口はどうする?

A 売却か運用か戦略を立てよう

資産運用の「入り口」と「出口」をご存じでしょうか。

「入り口」は、資金投入で資産を築く期間。「出口」は貯(た)めた資産を取り崩して使う期間です。「入り口」の戦略はシンプルですが、注目度が高く情報も豊富です。逆に「出口」の戦略は情報や判断力が必要で、「入り口」よりも圧倒的に複雑なのに注目度が低く、書籍や情報が極端に少ない状況です。資産管理はすべてが自己責任なので、「出口」について学び、イメージを持つようにしましょう。



  早く始めて長く続ける  

積み立て投資を開始して資金投入をする「入り口」のポイントは早く始め、長く続けることの二つで非常にシンプルです。開始のベストタイミングは「積み立て投資」を始めたいなと思った時がその時だと言え、情報力や経済市場を見極める判断力を必要としません。積み立て投資の継続中は元本が増え、それに伴う利回り額が増えるのを見ることで、喜びと未来に対する安心感が得られます。


  売却はタイミングが大事  

運用で築いた資産を売却して現金化する「出口」では、情報収集と経済市場の動向に合わせた売却タイミングの判断が重要です。誰もが「高い時」に売りたいと願いますが、市場が大きく下落すると復活までに5年以上かかる可能性があります。そうなれば売りたくない「安い時」に資産を取り崩さざるを得ないことも出てくるでしょう。

「出口」では残高がどんどん減少するため、資産を使うのが怖くなるなど老後生活の資金が枯渇しないかと緊張と不安を感じます。元気な時に趣味や旅行を楽しみたいし、子どもや孫への支援もしたい。住宅修繕や自動車購入といった比較的まとまった金額も何度も必要になるでしょう。お金が必要な時に売り時とは限らないので、何のために、いくら、いつ使うのか、という計画を明確にすること。同時に情報収集をし、経済市場を見極める判断力を養っていくことが重要です。



  使える金額が大きく変わる  

「出口戦略」によって、使える金額や資産寿命に差が出ます。老後資金の計画に大きく影響するにも関わらず、出口戦略が議論されることや情報が少なく、iDeCoやつみたてNISAの利用者の多くは「貯めた資産をどう使うか」に関して深く考えていないのが現状だと思われます。

資産は管理状態で使える金額や年数が大きく変化します。図表は2千万円の資産を65歳から10万円ずつ取り崩した時のグラフです。

2千万円の資産寿命(0円になるまでの年数)は預貯金だと16年8カ月間、平均利回り5%の継続運用だと35年間です。これを金額にすると、預貯金は16年8カ月間×12カ月×10万円=2000万円に対して、平均利回り5%で継続運用した場合は35年間×12カ月×10万円=4200万円。なんと2200万円もの差が出ることが分かります。


  取り崩しが資産運用の肝  

新型コロナの影響から生活防衛の意識が高まり、つみたてNISAやiDeCoの利用者が増えました。投資初期はコツコツとお金を投入する時期なので「資産運用=増やすこと」の意味合いが濃いですが、「資産の取り崩し」が資産運用の肝だと認識して「出口戦略」を意識して投資運用を続けましょう。


おかだ・ゆり
おかだ・ゆり/ファイナンシャルアライアンス(株)沖縄支店所属。外資系企業を経て沖縄へ。女性のマネー知識の底上げをライフワークに活動



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『週刊ほ〜むぷらざ』賢く生きる!マネー術⑧
第1891号 2023年11月2日掲載

この記事のキュレーター

キュレーター
岡田有里

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ファイナンシャルプランナー。ファイナンシャルアライアンス(株)沖縄支店所属。外資系企業に就職し海外勤務を経験し、2000年に沖縄へ。「私の未来に安心を!」をテーマに、女性のマネー知識の底上げをライフワークに活動。

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