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2023年3月30日更新
女性の不調にはマグロ イライラには島ラッキョウ 琉球薬膳料理研究家が教える春の養生|うちなーむんでクスイムン
[文・写真/宮國由紀江]
中医学では、春は月経の乱れなど女性特有の不調やイライラが起きやすい季節とされています。オススメの食べ物が島ラッキョウやマグロです。日々の食事で、体調を整えましょう。
春は心も体も伸び伸びと
うつうつとした気分には「マグロ」、イライラには「島ラッキョウ」を。気持ちが不安定になりやすい春は、ゆったり伸び伸び過ごしましょう。 血を補うマグロ
冬は体に栄養を蓄えて、寒さから身を守ります。中医学では栄養は血や気でできる、と考えられていて、春は冬に消耗した血が不足しがちな季節。血を補う「マグロ」で、体調を整えましょう。
血の不足が不調に
春は特に、女性特有の不調を訴える方が多いと言われています。それは、春に関連する五臓の「肝」が、血を蓄える臓器のためです。
女性は月経などで血が不足しやすく、男性より「肝」が衰えやすいとされています。女性特有の症状には、膣や乳房のかゆみ、生理の周期の乱れ、更年期の症状の悪化などがあります。リーダーや管理職など決断する仕事につく方は「肝」が強いとされますが、使い過ぎると「肝」は衰えてイライラしやすくなり、精神的に疲れやすくなるとも言われています。
目に症状出やすい
目にはたくさんの血が集まっているため、「肝」が衰えたり、肝を使い過ぎたりすると、目に症状が出やすくなるとも言われています。そのため、視力の減退や眼精疲労、ドライアイ、目のかゆみといった症状が出やすくなります。その他に、めまいやふらつき、精神的不安、不眠、こむら返りといった症状が出ることもあります。
そんなときに力になる食材が、血を補うマグロです。ほかに、血を補う食材に、キクラゲ、シイタケ、卵、シャケ、サバ、イワシ、サンマ、豚レバー、豚肉、豚足などがあります。
\うつうつ…を元気に/
マグロとキクラゲの卵とじ
●材料
マグロ………………………… 100g
生キクラゲ………………………30g
ニンジン…………………………30g
ハンダマ…………………………20g
塩…………………………小さじ半分
卵…………………………………2個
かつおだし…………………… 200ml
ごま油………………………大さじ1
●作り方
1.ニンジン、キクラゲ、ハンダマを千切りにする。
2.マグロは、2cm角ぐらいにカットする。
3.フライパンにごま油を熱し、マグロを炒める。
4.3に1の食材を入れ炒め、かつおだし、塩で味を調える。
5.4に溶きほぐした卵を入れる。
6.卵を火が通ったら、できあがり。
●レシピのポイント!
血を補うマグロに、同じく血を補う生キクラゲ、ニンジン、卵を組み合わせました。血を巡らせるハンダマを加え、血を補い巡らせるレシピにしました。
血が足りないと元気がなくなり、しょんぼり、うつうつ、憂うつな気分になりがち。そんな時に、食べて欲しい料理です。
「肝」って何?
「肝」は、血を溜(た)めたり、自律神経を管理する臓器です。中医学には、女性の健康の基本は「血」にあるという考え方があります。月経や出産などを経験する女性は血を消耗しやすいためです。女性にとって、血を補い、血に関連する「肝」を養生することが大事です。
イライラに島ラッキョウ
春は、家の中にこもって活動を抑えていた冬のストレスがたまり、気の巡りが悪くなりやすい季節でもあります。気が滞るとイライラしやすく、ため息やオナラなどが出やすくなります。
イライラをスッキリ
そんな時には、「島ラッキョウ」の力を借りましょう。島ラッキョウの独特の香りには、大腸の気(エネルギー)の巡りを良くし、余計な老廃物やストレスをスッキリさせる働きがあります。「ラッキョウを食べるとオナラが出る」という方がいますが、それは気の巡りが良くなったから。気の滞りによるガスだまりや便秘にも、島ラッキョウはオススメです。
春は束縛を嫌う
ほかに、シークヮーサー、玉ねぎ、トマト、ピーマン、セロリ、ヨモギ、ふきといった食材もいいですよ。
春は束縛を嫌う季節。春にストレスをため込んでしまうと、落ち込みやすくなり、五月病やうつにもつながると言われています。
ゆったりした服で、髪の毛は結ばず、足元はぞうりやスリッパで。自分のペースで伸び伸び過ごすといいですよ。
\香りで気を巡らせる/
島ラッキョウと鮭のサラダ
●材料
鮭(サケ)…………………2切れ
島ラッキョウ…………………50g
玉ネギ………………………50g
トマト…………………………1個
ミント…………………………30枚
レタス…………………………30g
シークヮーサー果汁……大さじ1
酢…………………………大さじ1
砂糖………………………大さじ2
塩…………………………小さじ1
●作り方
1.鮭に塩を振り、油を引いたフライパンで、両面をカリカリに焼く。
2.玉ネギ・ミント・トマト・島ラッキョウをカットする。
3.レタスをちぎる。
4.ボウルにシークヮーサー・酢・砂糖・塩を入れ混ぜる。
5.4に1・2・3を入れ、混ぜ合わせて盛り付ける。
●レシピのポイント!
気を巡らせる島ラッキョウ、鮭、玉ネギ、ミント、シークヮーサーを組み合わせました。イライラやストレスがたまりがちな春にぴったりのレシピです。
島ラッキョウや玉ネギ、ミント、シークヮーサーといった香りのある食べ物には、気を巡らせるものが多いです。積極的に取り入れてみてください。
意外と簡単で、思い立ったらすぐに作れるので、小腹が空いたときやおやつにいいですよ。できたてほかほかを召し上がれ。
宮國由紀江。琉球薬膳料理研究家。国際中医薬膳師。栄養士。薬膳琉花代表講師
毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざ
「第1860号 2023年3月30日紙面から掲載」