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2023年3月23日更新

ギャラリーサロンMARUYOU(まるよう)代表の水落洋子さん|アートと食で 夢実現を応援[彩職賢美]

「人と食とアートをつなぐ」をコンセプトに、名前は知られていないけど、すてきな作品を手掛ける作家さんたちの発表の場を企画・提案。健康を促す食の知恵を伝える食学アドバイザーとして、いくつになってもやりたいことを楽しめる、健康な心と体づくりのサポートをしています。アートと食の両輪で、たくさんの人の夢をかなえる応援をしたい。


撮影/比嘉秀明

無限の可能性を楽しむ

ギャラリーサロン「MARUYOU(まるよう)」代表
水落(みずおち)洋子さん



無名の作家を世に出す
講座で食の大切さ発信

「有名でなくても、心打つ表現がある。無名な人間は、無限の未来の可能性を持っている」。水落(みずおち)洋子さん(51)は、沖縄で活動する新鋭作家と、2009年にアートグループを立ち上げ、まだ名の知られていない作家と作品を世に送り出す仕掛けづくりに力を注ぐ。

「すごくすてきな作品をつくっているのに十分な評価を得られずに埋もれている作家さんがいる。力のある作家さんと作品の魅力をたくさんの人に知ってもらい、必要とする方のもとへ旅立たせるのが私の役目」

そんな思いをデジタル技術でカタチにしたのが、沖縄VRギャラリー「無名無限」だ。コロナ禍でリアルな作品展が開けない中、なんとか発表の場を作りたいと構築。県などの支援を受け、21年にはヤンバルの自然をキャンバスに、紅型作家7人の作品を3Dで紹介する企画展をオンラインで開催。アート展の新たな可能性を広げた。オンラインとリアルのクロス展示を実現しようと昨年、浦添市に予約制のギャラリーサロンもオープン。紅型や立体絵画、極彩色アートなど、沖縄をテーマに創作活動を行う作家の作品を購入できる、オンラインショップも展開する。

また、ホテルと連携し、10年近く続けているのがロビーでの常設展示。「ホテルでの展示が目に留まり、イギリスのアート展へ出展した作家も出てすごくうれしい。作家さんたちと一緒に、私も成長していきたい」

母親との同居をきっかけに、関心を深めたのが食。「体は食べた物でできている。私自身、20代は貧血で、極度の便秘で体調を崩した経験も。健康になるための食事を、母に納得して、おいしく食べてもらうために『食学』を学び始めました」。

体を正常に保つために必要なミネラルと脂質、質と量が重要な糖質に着目。3年前からミネラル発酵ドリンクなどを手作りする講座を通して、日々の食の大切さを伝える。「健康な体は最高の武器。健康なら年を重ねても元気にやりたいことを楽しめる。アートも食も、関わる方たちの夢をかなえるお手伝いなんです」
 

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東京での暮らしに憧れ、短大卒業後に上京。仕事だけでなく、バックパッカーで国内外をめぐって楽しんだ。30代で帰郷。05年に那覇市内でゲストハウスを開業した。「旅好き、おしゃべり好きの私にピッタリの仕事だと思ったんです」。

ゲストハウスを訪ねてきた女性アクセサリー作家との出会いが、アートに携わるきっかけ。「ガラスでも宝石に負けない価値がある、と熱っぽく語る彼女の姿に、若い作家さんたちを応援したいという気持ちが刺激された」。アートグループを立ち上げ、ゲストハウスのロビーを改装し、ギャラリーをオープンした。

東日本大震災でアートの力を改めて体感。東京を拠点にしていたパートナーとの気持ちのすれ違いから、「不安と心配、寂しさともどかしさで、落ち込んだ心を救ってくれたのは、作家さんから預かった一枚の絵でした。前に進む元気をもらった」。

預かった作品はすべて、必要とするオーナーを見つけて旅立たせる。その信念で活動を続けてきた。新たなパートナーとともに運営するギャラリーサロンは、食講座の会場にもなる。「訪れたすべての人の心と体、暮らしが、アートと食を通してより豊かになれば。Webサイトもサロンも沖縄のすてきなもの、面白いものに出合える場に育てていきたい」

母親のケアもあり、活動の時間は限られているが、「根っからのおせっかい好き。無理をせず、優先順位をつけて取り組むことで、ゆっくりですが確実に一歩ずつ進んでいる。続けることを諦めない」。真っすぐなまなざしはキラキラ輝いていた。


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 知識が意識を変える 家庭で無理なく手作り 

「沖縄は小学生から60代まで、肥満率が全国でも高い傾向が10年以上続いている。この状況をどうにか改善したい」と力を込める水落さん。資格にも講師業にも全く興味がなかったというが、チームとして活動するヘルスライフコンサルタントの新垣貴子さんと出会い、「その精神力と、志の素晴らしさに心動かされ、講師として実践的な料理教室を担おうと決めました」。

講座では、家庭で無理なく手作りできるミネラル酵素ドリンクやグルテンフリーの生米パン、良質なオイル・ギー(バターオイル)=写真=の作り方をレクチャー。栄養素の働きや体の仕組み、砂糖や食品添加物の影響なども、わかりやすく伝える。「私は中学生のとき初めて、虫歯になる仕組みを知って、歯磨きの習慣が変わった。それ以来、一度も虫歯になっていません。情報や知識を得ることで意識や行動は変わる」と実感しているからだ。

「今の健康に自信があるし、今が一番若い」と笑う水落さん。食事への気遣いに加え、ジョギングで地元を散歩するなど、お金と時間を掛けない「宅トレ」が、スリムな体と健康を維持するこつだ。「年を重ねても、食と運動で衰えるスピードを緩めることができる。エイジングを楽しみ、若い世代があこがれる健康オタクにみなさんを変身させます」。




 無名から羽ばたくオリジナル 

Webサイトの沖縄VRギャラリー「無名無限」では、3Dで作品を見ることができる

2021年にオンラインで開催した特別企画展「琉球の紅型展」は、同年度の沖縄文化芸術を支える環境形成推進事業に採択され、沖縄県と公益財団法人沖縄県文化振興会の支援を受けた。同企画展は、紅型を未来へ残すためにさまざまな工夫をこらす作家の技や、思いを伝えるために企画した。沖縄を代表する紅型の魅力を新たな形で伝えるため、紅型染めのシルクストール=写真=を、無名無限のオリジナル商品として販売する。手掛けた作家名はあえて公表しない。「日本は、有名でないと作品が売れないという風潮がある。それを変える一つのきっかけになれば」と水落さん。新たな試みは続く。


ギャラリーサロンMARUYOU 電話=090(3240)4145



プロフィル/みずおち・ようこ
1971年浦添市生まれ。沖縄キリスト教短期大学卒業。2005年に那覇市でゲストハウス「チャンプルー荘」を開業。09年、「沖縄アートグループ」を主宰し、新鋭作家の展示会などを企画・提案・運営。16年からフリーのキュレーターとして活動する。21年に沖縄VRギャラリー、22年にギャラリーサロンMARUYOUをオープン。一般社団法人国際食学協会食学アドバイザー


今までの彩職賢美 一覧


文・比嘉千賀子(ライター)
『週刊ほ〜むぷらざ』彩職賢美<1423>
第1859号 2023年3月23日掲載

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