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2023年3月16日更新
余計に食べてしまうおやつ|健康チャレンジ!(36)
医師の安谷屋徳章さんが、ダイエット中の基本について話します。
執筆:安谷屋徳章さん
余計に食べてしまうおやつ
糖質や炭水化物が体脂肪になって肥満の原因になることはみなさんご存じだと思います。それでは脂質はどうでしょうか? 体脂肪にならないのでしょうか? 当然、体脂肪になりますよね。つまり、ダイエットをしたいなら、体脂肪になる糖質や脂質を減らさないといけないということになります。当然と言えば当然ですが、裏を返せば、糖質や炭水化物を多く取っている人は糖質や炭水化物を減らした方が痩せるし、脂質を多く取っている人は脂質を減らした方が痩せるということです。自分がどの栄養素を取り過ぎているかを考えずに、やみくもに糖質を制限したり脂質を制限したりしても、あまり効果が出なかったり栄養失調になったりするわけです。ただし、現代は糖質を多く取っている人が多いので、糖質を制限するダイエットを選ぶと効果が表れやすい人が多いです。
もう一つ、糖質を制限することにはこんな効果もあります。みなさんはこんな経験を聞いたことはないでしょうか? 「風邪をひいたときに食欲がないのでおかゆを食べた」、「気分が悪くて吐き気がしたのでバナナとゼリーだけをなんとか食べた」というような経験です。おかゆの材料はお米なので炭水化物ですし、バナナやゼリーは糖質を多く含んでいます。糖質や炭水化物は食欲ゼロやマイナスの状態でも食べることができてしまう。つまり食欲を強くする作用を持つ栄養素なのです。「おなかいっぱい食べた後でも別腹だからケーキは食べられる」というのもそうです。
このように食欲を強くする栄養素から制限していく糖質制限ダイエットは、おなかがすいてつらいダイエットを少し楽にしてくれるダイエット法なのです。おやつを抜くのはツライと思うかもしれませんが、ダイエットの基本中の基本なので、押さえておきましょう。
あだにや・のりあき。糖尿病や生活習慣病の改善を専門とするゆいゆい内科クリニック院長。自身も糖質コントロールで20キロ痩せた。著書に「沖縄の医師が教える糖質コントロール健康法」など
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「第1854号 2023年3月16日紙面から掲載」