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2022年12月29日更新
[沖縄・マネー]書き込むと見えてくる|わが家の家計戦略を立てる
わが家の家計と将来の見通しが見えてくる「キャッシュフロー表」に、予定を書き込んでみませんか。お金のプロであるファイナンシャルプランナーの福田昌也さんと米須力さんが、表の書き方や生かし方についてアドバイスします。
見通しが立つと不安は減る
米須力さん。FP39代表。一級FP技能士。CFP®電話=098(866)1190
福田昌也さん。(株)福田FPよろず相談所代表取締役。一級FP技能士。CFP®。電話=098(863)3906
福田
まずは、下のキャッシュフロー表に家族の年齢を書いてみてください。親御さんを入れてもいいと思います。飼っているペットも(笑)。ライフイベントには、旅行や趣味など楽しい予定もぜひ入れて。節約のために全部我慢しよう、じゃなくてね。
米須
ライフイベントが重なる年は費用がかさみそう、とか、支出の山場がざっくり見えると備えやすくなる。逆に、お金がいくらあっても、先がイメージできないと不安になりやすい。
福田
そうそう。キャッシュフロー表を書くと、何事もなければこうなるだろうなというイメージが見える。大学の学費もいきなり何十万円が必要、となったらしんどいけれど、何年か前から分かってたら準備しやすいもんな。
家計の見直しは、何から始めるといい?
米須
節約というと外食や肉を我慢しようと思いがちだけど、まずは毎月支払う固定費の見直しを。例えば、保険、スマホ、サブスク、塾などの料金は、気付かないうちに大きな出費になりやすい。クレジットカードや口座の引き落とし明細をチェックして。不要なものは解約し、必要なものは見直せないか検討してみてください。
福田
毎月赤字でボーナスでやりくりしていて家計が不安、という人は多いけれど、実は土地や住宅、貯蓄性のある保険などは資産。支払っているお金が消費か資産になっているかを意識すると、捉え方も変わる。
最近物価が上がっているけれど、基本的に物価が上がれば給料も上がるので、むやみに怖がる必要はない。ただ、給料が上がるまで期間があるので、その間持ちこたえるお金は必要。
米須 物価が上がるとお金が目減りするので、現金での貯金以外に、インフレ対策として、積立ニーサやイデコといった非課税の積立投資を利用して資産価値を保つのも手。長期的な積立投資は複利(利子に利子がつく)の効果が大きいので、老後資金にも有効です。住宅ローンを繰り上げ返済して金利の支払いを減らすなど、家計の見直しには、いろいろな方法がありますよ。
STEP1 キャッシュフロー表を書く。
家族の年齢と、ライフイベントを書いてみよう。
福田
年齢は年度末(翌年の3月31日時点)で統一すると分かりやすいです。ライフイベントには、入学、車の購入、旅行、住宅ローンの完済、退職、などの予定を書き込んでください。
米須
将来家族が増える予定のある方は、家族の欄に未来の子どもを入れるケースもあります。キャッシュフロー表を書いてもらうと、「もっと早くに知りたかった」という声が多い。やってみると楽しいので、ぜひ定期的に家族で取り組んでみて。
STEP2 支出の山場を知る。
将来の見通しを立てることが大事!支出の山場を知ると、備えることができる。
福田
単年度で見た時に、マイナスになる時期があるのは普通のこと。それがいつかが分かって備えられればOKです。
米須
支出の山場になるのは、教育費、中でも大学資金が多い。最終的に進路を決めるのは子どもだけど、教育費は家庭によって差が大きいので、夫婦それぞれの希望を知っておくことも大事。
STEP3 家計を見直す。
教育資金や老後資金など、将来必要になるお金をどう備えるか、家計を見直す。
米須
毎月支払っている費用を洗い出して、見直してみてください。翌月から効果が出るので、インパクトが大きい。
福田
支払いの中には、住宅や貯蓄性のある保険など、資産になるものも。持ち家がある人は、住宅を大切に扱うと、資産価値を高めることにつながります。
『週刊ほ〜むぷらざ』わが家の家計戦略を立てる
第1847号 2022年12月29日掲載