介護
2022年11月24日更新
地域に介護者の居場所を|介護の楽ワザ⑩
介護のこつや便利な道具、シェアしたい情報を紹介。今回は、介護生活を考える「あだんの会糸満」の会員の皆さんに、経験談や会の活動について話を聞きました。
話して、笑って、前向きに
毎週第4水曜日、糸満市社会福祉センターに集い活動している「あだんの会糸満」の皆さんと社会福祉協議会のスタッフ=写真後列右。前列中央が、国吉弘子会長。活動は参加者の気分転換や介護の情報交換の場となっている。随時、会員募集。問い合わせは、糸満市社会福祉協議会地域福祉係 098(994)0563
笑い話に置き換える
大城ひろみさん(73)
94歳で亡くなった母を介護していました。1日中一緒の生活だったので、疲れから最初はけんかも。でも、母への感謝を忘れず、自分も楽しみながら過ごすのが大切だと考え、イラッとすることも笑い話に置き換えるように心掛けました。心身がきついときは、「娘も70代になったのよ。お母さんは高齢者会長、私は副会長」と言って二人で笑い合ったこともあります。デイサービスに行くときは、マニキュアを塗ったり、帽子をかぶったり、親子でおしゃれを楽しみました。
「ご飯食べてない」への対応
金城ハツエさん(71)
認知症の義理の祖母を介護していたとき、食事後も「ご飯を食べていない」と言われるので、朝ご飯の後は食器を片付けずに置いておき、昼ご飯のときに交換するようにしました。食事が済んでいることを本人が見て確認できるので、訴えることが減りました。
男性は介護を知る努力必要
徳元勲さん(73)
介護は女性の役目となりがちですが、それではいけない。でも、急に介護をやれと言われてできるものでもない。介護経験はなく、会長に誘われて参加するようになりましたが、話を聞くだけでもすごく勉強になっています。男性は介護を知る努力が必要だと思います。
互いの経験談が力に
上原喜美子さん(74)
義母、夫、親の介護経験があります。会では、国吉会長の「情け」を感じる言葉にすごく励まされました。共感したり、笑い合うことで、ストレス解消になり、介護生活に前向きになれる力をもらえました。介護について気軽に話したり、聞いたりできる居場所を見つけることは大切だと思います。
会長からひとこと! 安心して介護生活を送れるように
国吉弘子さん
くによし・ひろこ/介護生活を考える「あだんの会糸満(いちまん)」会長
介護は家族だけで抱えずに!周囲とつながり、安心して介護生活が送れる地域づくりを一緒に目指しましょう!
あだんの会は1997年に設立。介護について多くの人に興味関心を持ってもらい、地域の中で安心して介護生活が送れることを目指し活動しています。
毎月1回のお茶会をはじめ、介護の勉強会や交流会などを開催し、介護者の居場所づくりやリフレッシュにつなげています。また、以前は2人1組となって地域の高齢者を訪ね、話し相手になる「傾聴ボランティア」の活動もしていました。困りごとを把握し、民生員さんとつないでゴミ出しをサポートしたり、食事づくりに課題がある人を配食サービスにつなげたりしてきました。ウチナーグチで昔のことを振り返りながら話し掛けると、気持ちが元気になり、外出へとつながった方もいます。コロナ禍が明けたら、そうした活動も復活させたいと思っています。
介護は家族だけの問題ではありません。地域と関わり、介護制度、行政サービスを知り、賢く取り組んでいくことがとても大切です。介護者のコミュニティーが県内には少ないので、他地域にも広がってほしいと願っています。
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「介護の楽ワザ」記事一覧
取材/赤嶺初美(ライター)
毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざ
「第1842号 2022年11月24日紙面から掲載」