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2022年5月19日更新

[沖縄]話そう!女性のカラダのコト⑬|心や体の不調

女性のヘルスケアについて、婦人科ドクターの高宮城直子さんと、友人の医学博士、エリセーバ・オリガさんが、女子会トークでレクチャー。今月は女性に多く、心や体のさまざまな不調の原因となる「鉄欠乏性貧血」について。お二人の経験談と共に紹介します。

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心や体の不調 原因は鉄不足?


 直子 女性に多い鉄欠乏性貧血。鉄剤の服用&月経量のコントロールを!

 オリガ  鉄はあらゆる体の働きに関係。血液検査の値チェックし治療を!



 直子  ひと口に貧血といっても、さまざま。例えば急に気分が悪くなってフラつくのは「脳貧血」で、脳の血流が急に悪くなるのが原因。ほかにも骨髄で血が造られなくなる再生不良性貧血や病気による貧血もある。中でも女性に最も多いのは、血液中に酸素を運ぶヘモグロビンの材料=鉄が不足することで起こる「鉄欠乏性貧血」。疲れやすい、不安、むくむ、頭痛、肩こり、髪が抜けるといった、さまざまな不調の原因になるけど、だんだんそうなっていくから自覚症状がない人が多い。

 オリガ  だるいけど、みんな慣れちゃって、それが普通だと思ってるんだよね。

 直子  だからといって放っておいていいわけじゃない。オリガ そうだよね。鉄は細胞に酸素を運ぶだけでなく、酵素の働きにも影響。赤血球をつくるほか、皮膚や骨に含まれるコラーゲンの合成や、やる気につながる脳内ホルモンの合成、栄養吸収、免疫、筋肉の動きなど、あらゆる体の働きに関係しているからね。
直子直患者さんの5~6人に1人は鉄欠乏性貧血で、ほとんどは月経量が多いのが原因。生理がある女性の貯蔵鉄量は男性の4分の1と言われているからね。


 オリガ  そもそも生理が多いと気付いてないから、鉄不足にも気付かないんだよね。私も鉄欠乏性貧血には何度もなった。子宮筋腫で生理も多くて、ちゃんと食べてるから大丈夫だろうと思ってたけど、だる過ぎて検査したら「貧血です」って。



 直子  赤身の肉やマグロ、煮干しなど鉄を多く含む食材を積極的に取るのは、予防にはいいけど、症状が進むと食事やサプリだけじゃ追いつかない。月経量が乳酸菌飲料2本分以上出ていたり、親指大の塊が出る人は要注意。階段を上ると動悸がする、息切れ、うつっぽくなる、氷が食べたくなる人も、鉄不足が疑われるから血液検査を。

 オリガ  ヘモグロビンは正常値でも、細胞内の鉄分が不足しているケースもあるから、検査ではそれが分かるフェリチンの値も見た方がいいね。あとMCV(赤血球の大きさ)の値も、鉄欠乏性だと小さくなる。

 直子  あっかんべーした時に見える下まぶたの内側は普通は赤いけど、白っぽいなら貧血の可能性もあり。

治療は、まず鉄剤を飲むこと。ムカムカするから嫌という人にも、最近は副作用が少ないタイプがある。

 オリガ  根本的に治すには、月経量をコントロールすることも大事。

 直子  ピルやIUS(※)、軽めなら漢方もいい。

鉄欠乏性貧血は内科でも治療してくれるけど、月経量が減るわけじゃない。できれば婦人科で、月経量も減らしつつ貧血も治療するのをお勧めします。

※)子宮内黄体ホルモン放出システム(IUS)。子宮内に装着する。


たかみやぎなおこ/Naoko女性クリニック院長。Naoko美と健康のサロン代表。1961年、長崎県生まれ。佐賀医大(現佐賀大医学部)卒業後、87年に来県。琉大医学部附属病院や県内の公立、個人病院等で産婦人科医として勤務後、開業。1女2男の母。産婦人科専門医、女性ヘルスケア専門医、更年期に関するメノポーズカウンセラー



えりせーばおりが/沖縄科学技術大学院大学(OIST)アクセラレーター プロジェクトリーダー。1971年ベラルーシ出身。同国立医科大学卒業後、国立血液研究所医師をへて96年来日。大阪大学医学博士課程修了後、OIST、理化学研究所で癌免疫研究。自身の更年期を機に女性のための癒やしと気づきのリトリートプログラム開始


[沖縄]話そう!女性のカラダのコト⑬|心や体の不調


過去の記事▼
『週刊ほ〜むぷらざ』話そう! 女性のカラダのコト

『週刊ほ〜むぷらざ』話そう! 女性のカラダのコト⑬
第1815号 2022年5月19日掲載

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徳正美

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美味しいもの大好き!楽しい時間も大好き!“大人の女性が「自分」を存分に謳歌できる”そのために役立つ紙面を皆さんと作っていきたいと思っています。

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