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2022年4月14日更新
[沖縄・マネー術]コロナ禍で投資運用が不安|女性のイマドキ!マネー術[37]
文・岡田有里(ファイナンシャルプランナー)
コロナ禍で投資運用が不安
「ドルコスト平均法」でリスク分散
2020年3月に世界的な株価急落を起こしたコロナショックから2年がたちました。新型コロナ感染症の後も未来は不透明だと痛感した人は多いでしょう。貯金だけではなく、「お金を働かせる」資産運用への興味が高まり、つみたてNISAやiDeCoの利用者が増えています。今回は昨秋から6カ月連続で下落する株式市場に直面し、原油高、円安、ウクライナ情勢など景気回復への期待が乏しく不安に襲われている積み立て運用の初心者へ向けて、市場の不安定時における運用についてご紹介します。運用をやめるか悩む初心者
まずはコロナショック以降の株式市場の動きを簡単に見てみましょう。日経平均株価は2020年3月に1万6552円台まで急落しましたが、その後は上昇して21年9月に3万円台に回復しました。しかし、21年9月から現在までの6カ月は連続下落により2万5千円台まで下がっています。これを具体的なストーリーに当てはめてAさん(コロナショックの6カ月後から積み立て運用を開始)を例に見てみましょう。Aさんは積み立て開始から株価が上昇していたので運用利益が出ていて「お金が少しずつ増えている!」と喜び、投資への不安は薄れていました。しかし、今回の連続下落で資産の目減りに直面して不安に襲われ運用をやめようかと悩んでいます。Aさんのようにコロナ禍で資産運用を開始した初心者の人たちは初めて下落相場に直面して不安を感じているだろうと筆者は感じています。
下落相場は買うチャンス
iDeCoやつみたてNISAで積み立て投資をする場合、基本原則は「ドルコスト平均法」です。ドルコスト平均法とは定額で定期的に同じ投資商品を買い付ける投資方法を指し、分かりやすく言うと定額積み立て投資です。毎月の積み立てを淡々と続けると株式市場が下落すると「多くの口数を買い付け」、上昇すると「少ない口数を買い付け」することによって取得価格を平準化してリスク分散をする仕組みです。下落による目の前の損失に冷静さを失い積み立てをやめると損失だけが残り過去の積み立てが無駄になるので、不安でドキドキしている初心者の皆さんは「下落相場はたくさん買えるチャンスだ」と発想転換して続けましょう。
「時間を味方に」がカギ
株式市場が下落傾向になると不安心理が働くのは自然なことで、先の見えない恐怖感から多くの個人投資家は投資をやめてしまいます。しかし、積み立て投資の大前提は長期積み立てによる資産形成です。図(1)で2000年以降の日経平均株価推移を見ると、平均5~10年周期で歴史的な大事件によって株価は大きく下落しています。しかし、その後はしっかりと上昇に転じて成長を続けていることが分かります。このことからも、目先の株価変動に不安がらず、10~15年以上の時間を味方につけることこそ投資運用成功の秘訣と言えます。
リスク理解しコツコツと
「お金を働かせる」投資は現役世代のマネー計画には欠かせないコンセプトです。しかし、忘れてはならないことがあります。それはどんな投資方法でも完璧なリスク排除はできないということ。元本割れの可能性を理解してコツコツと投資を続けることが、長期運用を成功に導くコツだと言えるでしょう。女性のイマドキ!マネー術のバックナンバーは[こちら]から
おかだ・ゆり/ファイナンシャルアライアンス(株)沖縄支店所属。外資系企業を経て沖縄へ。女性のマネー知識の底上げをライフワークに活動
『週刊ほ〜むぷらざ』女性のイマドキ!マネー術
第1810号 2022年4月14日掲載
この記事のキュレーター
- キュレーター
- 岡田有里
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ファイナンシャルプランナー。ファイナンシャルアライアンス(株)沖縄支店所属。外資系企業に就職し海外勤務を経験し、2000年に沖縄へ。「私の未来に安心を!」をテーマに、女性のマネー知識の底上げをライフワークに活動。