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彩職賢美

2022年2月24日更新

[沖縄・輝く女性を紹介]彩職賢美|「沖縄さらしおんぶ」 知名 直子さん|母親を継続ケア 出産育児を支援

3人の子を昔ながらの「さらしおんぶ」で育てました。そして今、育児や防災にも活用できる、さらしの良さを広めたいと活動しています。そんな中、妊娠、出産、育児まで、一人の女性を継続してケアしていくことの大切さを感じ、昨年から助産師や、産前産後の母親に寄り添い、暮らしを支える「ドゥーラ」という有資格者と連携した活動も始めました。

助産師らともに妊産婦をケア

「沖縄さらしおんぶ」 知名 直子さん

さらしおんぶの活用
育児や防災にも


知名直子さん(37)は、6歳、4歳、1歳7カ月と3人の子を持つお母さん。台所仕事や洗濯物などの家事をしたり、買い物や散歩をしたりするときも、「さらしおんぶが欠かせない」と笑顔で話す。

埼玉で最初の子を出産した時、昔ながらのさらしを使ったおんぶの良さを改めて知った。さらしおんぶは両手が空くので家事がはかどる。縛ることで重心が上にくるので動きも楽で疲れにくい。おんぶする子どもの体重制限もなく、帝王切開だった知名さんのおなかにも負担が掛からなかった。親の声は密着した子の体に子守唄のように響き伝わり、安心感から、ぐずらず、よく眠ってくれるという。さらしおんぶをしていると、おばあちゃん世代から「なつかしい」と声を掛けられ、子育て話に花が咲く。災害時には子どもと避難しやすく、包帯代わりにもなる。「さらしおんぶは世代を超え、地域と人をつなぐツールになる」。知名さんは、さらしおんぶの普及活動を始めた。

さらしおんぶの「練習会」を開けば、そこはママ同士が友達をつくったり、情報交換や育児相談をしたり、息抜きの場にもなった。埼玉から夫の地元である宜野湾市へ移住してからも活動は続く。「沖縄も核家族化が進んでいる。関心はあるものの身近にさらしおんぶのやり方を教えてくれる人がいないという声は多い」と話し、練習会は若いお母さんたちに人気だ。

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「以前は仕事人間で、出産して専業主婦となることに抵抗があった。社会に取り残されていくような気がしたんです」と話す知名さん。しかし、子育てなどでコミュニティーをつくり、場を提供する中、地域や人のつながりに喜びを感じ、「会社に行くことが社会に出ることなんじゃないと分かった」と語る。「女性はキャリアと出産で悩むことが多い。女性らしく出産育児に関わることにもっと誇りを持ってやっていける環境が必要ではないかと思うんです」

出産育児への不安を和らげるためにも、知名さんが今後、力を注いでいきたいとするのが、助産師などと連携した妊娠・出産・育児にわたる「女性の継続ケア」だ。

海外では、産前産後の母親に寄り添い、暮らしを支える「ドゥーラ」と呼ばれる存在が知られている。ドゥーラは医療行為はできないが、より身近で心強い存在。知名さんは先輩お母さんとして、助産師やドゥーラとチームとなり妊産婦を支えていく関係を構築していきたいと話す。「地域や身近に頼れる人がいない状況での出産育児で精神的に追い詰められてしまう事例がある」と指摘。「産前産後に自分の体や心のことをよく知っている助産師やドゥーラがいて、『あなたをケアする人がいるから安心して出産していいよ』と寄り添い、一人の女性をみんなでサポートしてくことが、今すごく重要になっている」と熱く語る。

現在、自宅近くに活動拠点となる場所を改装工事中。完成後は妊産婦や育児の支援、子どもの居場所づくりなど、これまでの活動に加え今後は、県外から来た親子に沖縄での自然体験や人々との交流を提供したり、帝王切開についてのお話会を開いたりしたいと言う。「さまざまな情報があふれる現代社会で、特に出産は迷いや不安を感じやすい。そんな中、地域に頼れるお母さんたちや助産師、ドゥーラがいて、妊婦の思いに寄り添い、安心して出産できるような心地よい関係性をつくっていきたい」と話す。

「出産を経験した女性として、母として、その両方の視点を大切に取り組み、寄り添っていきたい」。命を育む女性を守ろうとするその瞳は、強く優しく輝いている。



さらしおんぶ練習会 

自宅で「さらしおんぶ練習会」や人や地球環境に優しい染料による「さらし染めワークショプ」を毎月1回のペースで開催している知名さん。「さらしおんぶは慣れればすごく簡単ですが、安全に使うための大事なこつがあるので、分からない場合はぜひ習いにきてほしい」と話す。

練習会には自分で染めたオリジナルのさらしを使って「夫妻で参加する人もいる」とほほ笑む。
練習会では、さらしおんぶを安全に使うためのこつをレクチャー

暮らしのお産を支援 

知名さんは月に1回、助産師、ドゥーラ、お母さんが集まって、人生におけるさまざまなトピックを話し合う「虹の和会」を開催している。参加者は、10代の学生から、シングルパパまで幅広く、「妊婦のおなかに触れ、お産に向けてみんなでエールを送る場面もある。暮らしの中の身近なところにお産があることを感じてほしい」と話す。次回は、コロナの感染状況も見ながら3月上旬に宜野湾市の自宅で開催予定。

助産師、ドゥーラ、お母さんが交流する「虹の和会」。妊婦のおなかに触れ、みんなでエールを送ることも


さらしを防災に生かす
「さらしは5メートルの長さがあるので、ロープや包帯の代わりにしたり、適当な大きさに切れば、おむつやナプキン、マスクなどにもなる」として、さらしを使った防災活用術を紹介している知名さん。

友人にイラストを描いてもらったチラシ=上=を作成したり、ワークショップなども開催。「さらしは高齢者をおんぶするときにも使える。みんなのカバンの中に、車の中に、さらしが1枚常備されるようになるといいなと思っているんです」と普及に力を注ぐ。

■沖縄さらしおんぶ https://www.instagram.com/okinawa_sarashionbu/    


 


プロフィル
ちな・なおこ
1984年、岐阜県出身。大学卒業後、得意のスノーボードで関連企業に入社。その後、ヨガウエア販売店の店長。夫の転勤で埼玉県へ移住。2016年、家族間の交流を目的にアウトドアママパパ部を設立。自然遊びを企画開催したり、さらしおんぶ普及に取り組む。20年、夫の地元、宜野湾市へ移住後も、「沖縄さらしおんぶ」を設立し、練習会などを開催するほか、助産師らと一緒にチームを組み、産前産後と育児の継続ケアに取り組む。1男2女の母。

今までの彩職賢美 一覧


撮影/比嘉秀明 文/赤嶺 初美(ライター)
『週刊ほ〜むぷらざ』彩職賢美<1398>
第1803号 2022年2月24日掲載

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