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2021年11月18日更新
[沖縄]話そう! 女性のカラダのコト⑦ ホットフラッシュ 原因は自律神経の乱れ
女性のヘルスケアについて、婦人科ドクターの高宮城直子さんと、友人の医学博士、エリセーバ・オリガさんが、女子会トークでレクチャー。今月は「ホットフラッシュ」に代表される更年期症状について、治療法からセルフケア法まで、さまざまな話題をつづります。
ホットフラッシュ 原因は自律神経の乱れ
直子 治療は塗る・張るタイプのホルモン剤や漢方薬、大豆由来のサプリも
オリガ 運動やヨガは1日30分。早く改善したいならホルモン補充療法を
オリガ 更年期の代表的な症状といえばホットフラッシュ。具体的にはどうなる?
直子 急に頭に血が上ったようになって汗がドバーッと出る。頭から顔、首、胸、脇、背中と上半身が多いね。
私は、不調になって46歳で仕事を辞めるまでホットフラッシュになったことがなかったから、更年期じゃないと思ってた。49歳で初めて症状が出てからは今も時々あって、タオルを持ち歩くくらい。「だから40~50代女性は髪を短くしたり、アップにしてるんだ!」って分かった。
オリガ 私も44歳で出て、ようやく不調の原因が更年期だと分かった。でもホルモン補充療法(HRT)を始めたら1週間で治まった。
直子 ホットフラッシュの原因は自律神経の乱れ。自律神経は血管の開閉、心臓の動き、呼吸などを制御しているから、のぼせや発汗だけじゃなく、口の渇き、食欲不振、下痢・便秘、動悸・息切れ、尿漏れ、過活動膀胱と、全身に影響を及ぼすんだよね。患者さんの中には夜寝てる時にホットフラッシュが出て、眠れなくなる人もいる。
オリガ 私は消化が悪くなって、夜はあんまり食べられないし、ワインも飲めない。ストレスがあると下痢もする。でも不思議なことに、楽しい仲間との食事ならワインもいける。楽しいことをするのも、自律神経を整える働きがあるんだよね。
直子 治療には女性ホルモンを補うHRTが有効。効果が出るのが早くて、翌日から眠れたとかホットフラッシュが治まる人もいる。ホルモン剤=注射と思っている人がいるけど、最近は飲み薬だけでなくジェルを塗ったりシールを貼ったり、手軽で安全な治療薬が保険で利用できる。
ただ乳がんだと使えないし副作用で出血する人もいて、漢方薬や大豆由来のサプリメントを勧めてる。
オリガ どう更年期を過ごしたいかにもよるんだけど、ゆっくり改善していきたいならヨガや呼吸法、鍼灸もいいよね。運動は、あらゆる更年期症状に効果的だから、1日30分を目安に始めてみるのもいいかも!
直子 スクワットとか筋トレもいいんだよね。成長ホルモンが出て元気になる。
オリガ 外国では、トイレに行きたくなったら「バイオロジカルブレイク(生物学的休み)」と言って席を立つのが普通。日本でもホットフラッシュで汗だくになったら、我慢しないで「5分待って!着替えてくるから」と言って良いし、メークも必ずしもしなくていいんじゃない?
直子 自律神経の乱れはあらゆる年代に出るけど、閉経前後の更年期は特に出やすい時。自分が心地いい過ごし方を探して、きつい時は我慢せず受診しましょう!
たかみやぎなおこ/Naoko女性クリニック院長。1961年、長崎県生まれ。佐賀医大(現佐賀大医学部)卒業後、87年に来県。琉大医学部附属病院や県内の公立、個人病院等で産婦人科医として勤務後、開業。1女2男の母。産婦人科専門医、女性ヘルスケア専門医、更年期に関するメノポーズカウンセラー
えりせーばおりが/沖縄科学技術大学院大学(OIST)アクセラレーター プロジェクトリーダー。1971年、ベラルーシ出身。同国立医科大学卒業後、国立血液研究所医師をへて96年来日。大阪大学医学博士課程を修了後、OIST、理化学研究所にて癌免疫研究。自身の更年期を機に女性の健康に関する研究に着手
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『週刊ほ〜むぷらざ』話そう! 女性のカラダのコト
『週刊ほ〜むぷらざ』話そう! 女性のカラダのコト⑦
第1789号 2021年11月18日掲載