美しく
2021年10月21日更新
[沖縄]話そう! 女性のカラダのコト⑥ 更年期は心も体もチェンジの時!
女性のヘルスケアについて、婦人科ドクターの高宮城直子さんと、友人の医学博士、エリセーバ・オリガさんが、女子会トークでレクチャー。今月はご自身の経験談や専門家の立場から、「更年期」についてさまざまなアドバイスが飛び出しました。
更年期は心も体もチェンジの時!
直子 時期・症状・対処法はさまざま。自分に合う治療やケアを探して
オリガ できない自分を責めたり、我慢しないで。状況を理解することから
直子 閉経の前後5年を指す「更年期」は、実は日本人が作った言葉。英語の「メノポーズ(閉経)」を訳そうとした戦前のドクターたちが「産める状態から産めない状態に移り変わる時期だから」と考え出した話を聞いて、「更衣室の更、更新の更だ!」と気が付いた。
オリガ チェンジを表す更は、心も体も変わるこの時期の女性にぴったり!
直子 更年期は、女性ホルモンが激減するから体と心のコンディションが大きく変わる。自律神経の乱れ一つとっても、汗がドッと出てのぼせるホットフラッシュや動悸をはじめ、頻尿や尿漏れ、下痢や便秘まで全身に影響が出るのね。ほかにも不眠、肩コリ、関節痛などなど、生活の質にこんなに影響するなんて、経験するまで想像もしなかった。
私は42歳で不調になり始めたけどホルモン値は良かったから膠原病などの病気だと思ってて。体中痛くて仕事を辞めた後、低用量ピルで元気になって初めて更年期だと分かった。ホルモン値は生理がある間は毎日変わるから当てにならない。
オリガ 私も40代前半で受診した時は分からなくて。一番キツい時に休めなかったことで、いろんなことができなくなる自分を責めて、さらに体調が悪化してと悪循環に陥った。でも自分が悪いわけじゃないし人生の終わりでもない。先生も患者さんに言うよね。「サボりを勉強しましょう」って(笑)。
直子 全部100点目指してるとつぶれちゃうからね。
私自身、職場に更年期をオープンに話す先輩もいなかったから自分で道を探すしかなくて、頑張り過ぎてた。
オリガ 男社会で戦ってきたからね。あと、更年期と認めたくない人や閉経=女性として終わりって捉えてる人も多くて、我慢しちゃう。
直子 ジェンダーや文化の問題も絡んでるよね。
更年期というと落ち込む患者さんは多いけど、思春期と同じで誰にでも訪れる。ただ、時期や症状の出方、治療法はさまざまだから、まずは自分の状況を理解すること。理解するだけでも変わる。そして自分に合った治療法やケアが必要だね。
オリガ そうそう! できない自分を責めたり我慢したりするんじゃなくてね。
お母さんやおばあちゃんにも話を聞いてみてほしい。私が自分の話をしたら「そんなふうになるんだ!」って驚かれるから。更年期はよく登山に例えられるけど、「キツイ山を登り切ったら後は人生下り坂」じゃない。富士山の上から朝日が見えるように全然違う世界が見渡せるようなイメージ。
直子 私、今そんな感じ!更年期について、女子会みたいに上司や先輩、友だちとシェアするといいかもね。
たかみやぎなおこ/Naoko女性クリニック院長。1961年、長崎県生まれ。佐賀医大(現佐賀大医学部)卒業後、87年に来県。琉大医学部附属病院や県内の公立、個人病院等で産婦人科医として勤務後、開業。1女2男の母。産婦人科専門医、女性ヘルスケア専門医、更年期に関するメノポーズカウンセラー
えりせーばおりが/沖縄科学技術大学院大学(OIST)アクセラレーター プロジェクトリーダー。1971年、ベラルーシ出身。同国立医科大学卒業後、国立血液研究所医師をへて96年来日。大阪大学医学博士課程を修了後、OIST、理化学研究所にて癌免疫研究。自身の更年期を機に女性の健康に関する研究に着手
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『週刊ほ〜むぷらざ』話そう! 女性のカラダのコト
『週刊ほ〜むぷらざ』話そう! 女性のカラダのコト
第1785号 2021年10月21日掲載