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2020年1月23日更新

発祥は恩納村の「浜の家」|沖縄ぐるめ ルーツはどこ!?

Vol.10 魚のバター焼き
魚のバター焼きそのものは国内でも海外でも食され珍しい料理ではないが、尾頭付きのイマイユを丸ごとステーキ皿にのせて提供する豪快なスタイルは沖縄ならでは。バターの香ばしい匂いに誘われながら発祥店に迫ります。
案内人・伊東一洋(トラベローグ)

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ステーキ皿スタイル 始めたのはどこ?

海産物料理店が点在する恩納村仲泊。各店に「魚のバター焼き」があるが、ステーキ皿で提供するのは、今では「海鮮料理浜の家」のみだ。

10年ほど前に閉店した海産物料理店でもステーキ皿で提供していたため、この店が発祥とのウワサも根強い。私が初めて魚のバター焼きを食べたのもこちらで、1995年頃。ジュージューと音を立てながら運ばれてきたステーキ皿の上の魚に驚いたものである。風味は格別で、特に焦げ目の付いた魚の皮に溶けたバターを浸して食べると食欲が刺激され、あっという間に完食。連れて行ってくれた先輩の「ここが魚のバター焼きの発祥店なんだよ」との話も鮮明に記憶に残っている。この店が本当に発祥店なのか。残念ながら直接話を聞くことができないため、もう1軒の老舗店「浜の家」で話を聞いた。


ついに判明!? ルーツはステーキ店

おんなの駅近くに店を構える「浜の家」。にぎわう観光客やインバウンド客のお目当ては名物の魚のバター焼き。ステーキ皿で出てくるのは言うまでもなく、やかんに入った溶かしバターを客の目の前で魚に注ぎかけるというパフォーマンスが人気を呼んでいる。

「海人である父がおいしい魚料理を食べてもらいたいと1983年に開業。魚のバター焼きは当初からありましたが、お皿で提供していました」と長浜厚史店長(48)。もう一軒の海産物料理店については「うちより数年後ですね。ただ、うちでステーキ皿を使用したのはいつからだったかな~」とのこと。とはいえ他店をまねたわけではなく、家族で訪れたステーキハウスにインスピレーションを受けた父・善光さんが開始。やかんで注ぐスタイルも、このステーキハウスで、焼けた野菜に溶かしバターを振りかけているのをヒントに考案したという。「海産物料理店の名物のルーツがステーキハウスにあった」と驚きの結果となったが、発祥店は未解決のままだった。

取材から数日後、長浜さんから兄で前店長の善巳さん(55)の話として「ステーキ皿で提供したのは開店翌年の1984年」との情報が飛び込んできた。ここで魚のバター焼きの発祥店は「浜の家」であることがほぼ決定した。
 
ごはん、サラダ、モズクなどが付く魚のバター焼きは1650~2750円。魚は日によって替わり取材時はビタロー(ハナフエダイ)で2420円
 
「魚をダシ汁にくぐらせるなど工夫を凝らしたバター焼きを提供しています」と店長の長浜厚史さん
 
溶かしバターが注がれると香ばしい匂いと湯気が立ち込めて食欲がアップ!
 


[店舗情報]
海鮮料理浜の家
沖縄県恩納村仲泊2097(地図
098‐965‐0870
11時~21時30分LO
無休
P20台



海人の町で味わう鮮魚料理の新境地

一方、新感覚の魚のバター焼きも登場。糸満市にある「糸満漁民食堂」のそれだ。琉球石灰岩を使うなどスタイリッシュな店構えが女性客にも好評。「淡泊な沖縄の魚を、いかにおいしく食べていただくかを常に考えています」とオーナーの玉城弘康さん(42)。

一番人気はイマイユのバター焼き定食。フレンチの調理法アロゼを用い表面をパリッと身はフワッと仕上げている。バターソースは、アーサ、豆腐よう、うっちんの3種類。前菜は2種、デザートは3種から選べるなどコース料理のようだ。ほかにも土鍋で食べる新魚汁定食など、伝統をベースに斬新な鮮魚料理の数々を用意。開店8年と歴史は浅いが、鮮魚料理の名店として県の内外に知れわたっている。
 
イマイユのバター焼き定食は季節や魚の種類によって料金が変動する。1540円~。魚は5~6種類から選べ、取材時の魚はカタカシ2079円をオーダー。バターソースは写真左下の3種類から。この日はグリーンが美しいアーサバター
 
「身がパサつかないよう火の入れ具合に気を使います」とオーナーの玉城弘康さん


[店舗情報]
糸満漁民食堂
沖縄県糸満市西崎町4-17(地図
 098‐992‐7277
11時30分~14時30分LO、18時~21時30分LO
火曜日、毎月最終月曜日のディナーは定休
P18台



こぼれ話
「魚を丸ごと使ったバター焼き」の元祖店も仲泊にあるとか。引き続き調査中



いとう・かずひろ/北九州市出身。雑誌編集に携わり県内各地に出没。食べ歩きがライフワーク。大の猫好きでwebサイト「おきなわにゃんこビレッジ」も運営

毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざ
「第1695号 2020年1月23日紙面から掲載」

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