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2019年6月27日更新

発祥は金武町のパーラー|沖縄ぐるめ ルーツはどこ!?

Vol.3 タコライス
沖縄発のB級グルメとして全国的な知名度を誇るタコライス。その発祥は“キンタコ”の愛称で知られるキングタコス。今回はタコライス誕生のきっかけから、ギネス記録へのチャレンジ、そして進化系のタコライスを紹介する。
案内人・伊東一洋(トラベローグ)

戦後、コザなどでアメリカ人を相手にバー&レストランを経営していた故・儀保松三さん。沖縄が本土復帰を果たし、為替が変動相場制へ移行するなど日本人の経済状態が徐々に上向いていくのを目の当たりにし「今後は酒ではなく気軽に食べられる軽食を提供する店を」と1984年に開業したのが金武町キャンプハンセンゲート前にあった「パーラー千里」だ。極力開業資金を抑えるため、中華料理店だった空き店舗をそのまま使用したという。「“千里”は中華料理店の名。看板を再利用できるので、そのままいただきました」と儀保さんの孫で、キングタコス3代目オーナーの島袋小百合さんは笑う。

開業にあたり儀保さんは、他店になく、しかも、アメリカ人の胃袋を満たすようなメニュー作りに励み、1984年、ライスの上にタコスミートをのせたタコライスを考案。これをベースに、チーズや野菜をトッピング。全部乗せの状態がタコライスチーズ野菜となる。

苦労して考案したタコライスだが、当初は見向きもされなかったとか。そこで、飲酒後の客をターゲットにするため営業時間を深夜まで延長した。ある日、ふらりと立ち寄ったアメリカ人がタコライスをオーダー。いぶかしげにタコライスを見ていたがペロリと完食。後日この客が友人たちを連れてくるなど、徐々に人気が高まり、1986年に系列のキングタコスをオープン。県内全域にその評判は広がっていったという。

 
そのボリュームに驚くタコライスチーズ野菜700円(手前)とシンプルなタコライス500円

島袋さん(右)とスタッフのみなさん

タコライスの考案者、故・儀保松三さんと島袋さんの貴重なツーショット。約10年前の写真


タコライス誕生の店となったパーラー千里。人手不足のため残念ながら2015年に閉店したがメニューはキングタコスに受け継がれている


[店舗情報]
キングタコス金武本店(地図
金武町金武4244-4
090‐1947‐1684
10時30分~24時
無休
Pあり
※県内に7店舗あり



ジャンボタコライスギネスに認定

タコライス発祥の町、金武町をPRしようと金武町商工会が音頭を取り、2010年11月14日、幅1.8メートル、長さ12メートルのジャンボタコライス作りに挑戦。米310キロ、タコスミート208キロ、チーズ100.5キロなど総重量746キロに及び、ギネス記録に認定された。このタコライスは約2000食分に相当、ジャンボタコライス作りの参加者に振る舞われ、約1時間で完食したという。
 
ギネス記録に認定されたジャンボタコライス。2000食分に相当(金武町商工会提供)


本土や世界も視野に! 次世代のタコライス

東京の沖縄料理店で働いた経験を生かし、2014年宜野湾市に「RuLer's TACORiCE」を開店させた渡久地敦さん。アボカドやテリヤキ、BBQなどバリエーションが豊富で、10種類のタコライスメニューを用意。“カフェごはん”のようなスタイルも特徴で女性客の利用も多いという。「『タコライスを食べにお店に出かける』という文化を沖縄から発信し、本土に根付かせたいですね」と意気込みを語る渡久地さん。地元を拠点に東京そして世界へと進出の機会をうかがっている。


トッピングから名づけられたルーラーズタコライスの「ABCタコライス」。Aはアボカド、Bはベーコン、Cはチーズ。写真はMサイズ550円


[店舗情報]
RuLer's TACORiCE(ルーラーズタコライス)宜野湾本店(地図
宜野湾市真栄原3‐8‐2
098‐988‐9225
11時~21時30分LO
無休
Pあり
※真嘉比店もあり


こぼれ話
キンタコのタコライスは家族総出で仕込み、ミートやソースなどすべて手作り。見た目はジャンクでも手間暇かけて作られています(^^


いとう・かずひろ/北九州市出身。雑誌編集に携わり県内各地に出没。食べ歩きがライフワーク。大の猫好きでwebサイト「おきなわにゃんこビレッジ」も運営
 

毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざ
「第1665号 2019年6月27日紙面から掲載」

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