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2022年10月20日更新

[タイ深発見]ユニークな寺院「地獄寺」〈16〉

文・写真 大森優華

ユニークな寺院「地獄寺」

ワディーカー(こんにちは)。はじめまして。私は鹿児島県出身で大学卒業後タイ南部にあるサムイ島のホテルに2年間勤務しました。現在は、九州・沖縄の皆さんにタイを知ってもらうべく毎日頑張っています。紙面を通してタイの魅力をお伝えできることをうれしく思います。

10月からタイでは入国の際にワクチン接種証明書やPCR検査の陰性証明書の提示が不要となり、コロナ前のように入国することが可能となりました。

 

寺院は3万超
 

さて、タイに渡航するならどこを訪れますか? 誰もが訪れると言っても過言ではない観光スポットが「寺院」。タイの代表的な観光地です。王道のバンコク三大寺院は、王宮の隣にあるワット・プラ・ケオと全長46㍍、高さ15㍍を誇る巨大な涅槃仏が人気のワット・ポー、三島由紀夫の小説「暁の寺」のモデルとなったワット・アルンです。

国民の95%が仏教徒である仏教国のタイには3万を超える寺院があり、多くのタイ人はイベントや行事がなくても寺院に訪れる習慣があります。タイでは輪廻転生と共に、現世で徳を積むとより良い来世を手にできると信じられていて、徳を積む行為を「タンブン」と呼びます。タンブンは主に、お寺に寄進、僧侶へ食べ物を寄付する托鉢行為、小鳥や魚を森や川へ逃がす放生行為などがあります。

1番のタンブンは子どもが出家すること。出家した本人だけでなく両親、家族も徳を積み天国へ行けると信じられています。期間はさまざまですが、社会人でも出家休暇という制度で出家することが認められています。

こうした背景もあり、タイではタンブンをするために日常的に寺院へ足を運ぶ人がたくさんいます。そして現世でタンブンをおろそかにし悪い行いをすると地獄に落ちると信じられています。地獄に落ちないように日ごろの行いに気を付けましょうと、人々に教えるために地獄寺が存在します。

 

以上の地獄寺
 

本殿の壁画や、人型のレプリカ像を使用した立体的な世界など、地獄寺の地獄の表現方法はさまざまです。レプリカといっても形がゆがんでいたり体のパーツが欠損していたり変色していたりするので、おどろおどろしい雰囲気があります。巨大な餓鬼の像(生前ひどくケチで他人に施しをしなかった人が死後になる姿)やいばらの木を登らされる人の像(浮気や不倫をした人が落ちる地獄)などは象徴的な存在です。

現在タイ全土に70カ所以上の地獄寺があります。中でもアーントーン県の「ワット・ムアン」はバンコクから日帰りで訪問できます。水田地帯の中にそびえ立つ黄金に輝く巨大仏像とお釈迦様の一生を描いた壁画がある寺院で学ぶ地獄、なんともカオスな空間です。

他にもタイにはカラフルな寺院やパワースポットになっている寺院、装飾にいろいろなキャラクターをあしらった変わり種の寺院など、個性豊かな寺院が数多くあります。ぜひ少し変わった寺院に行ってみてはいかがでしょうか。



①地獄寺の一つ「ワットムアン」。タイ最大級の高さ93mを誇る仏像がある


②ワット・ムアンでは各地獄を分けて表現。どういう地獄か、どんな罪でこの地獄に落ちたかといった解説がある


 タイにも干支がある 
タイ北部では人生をより良いものに導くために自分の干支(えと)とゆかりのある寺院を訪れる習慣があります。今年の干支、とら年にゆかりのある寺院はタイ北部、プレー県にある「ワット・プラタート・チョーヘー」。スコータイ時代に建立されました。900年以上の歴史があり、「参拝せずして、プレーを訪れたとはいえない」と言われるほど大切にされています。

境内にある33mの高さを誇る黄金の仏塔=写真=は、チェンマイの古寺、ワット・プラタート・ドイ・ステープと同じチェンセーン様式のもので、仏塔の中にはブッダの聖髪がまつられています。同じくチェンセーン様式のご本尊、ルアンポー・チョーヘー仏は、どんな願いもかなえるといわれ各地から参拝者が訪れます。
 

タイ国政府観光庁のHPでは、さまざまなタイの情報や写真を公開しています。下記のURLからアクセスを。
https://r.qrqrq.com/pcwgsd1d


 LET'S TRY! ひとことタイ語 
タイのワットではワイをしよう!
ワット=お寺
ワイ=タイであいさつやお辞儀をするときに合掌するポーズ。


◆タイ国政府観光庁 福岡事務所

092(260)9308 メール info@tatfuk.com
公式サイトは「タイ」で検索!
タイ国政府観光庁のインスタグラムなど 公式SNSでは毎日タイの情報をお届け中!
 


 執筆者 
おおもり・ゆか
タイ国政府観光庁福岡事務所 マーケティングオフィサー

「タイのガイドブックダウンドロードできます!」

https://r.qrqrq.com/vGc3f3vd


「タイ深発見」のバックナンバーはこちらから。
『週刊ほ〜むぷらざ』タイ深発見<16>
第1837号 2022年10月20日掲載

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