ビューティー
2018年6月28日更新
剥離作用起こさずピーリング|教えて!ドクター当山<205>
ケミカルピーリングは古い角質を取り除いて肌が明るくなる半面、炎症を起こしたり皮膚がポロポロむけるなどのデメリットもあった。そんな悩みの種となる剥離作用を起こすことなく肌にハリとツヤを出せるのが「白玉ピーリング」。当山美容形成外科の当山拓也院長、高間久美子医師に話を聞いた。
年齢肌の小ジワに つるりとツヤっぽく
イタリア製のピーリング剤「白玉ピーリング」
安全に真皮層に働きかけ コラーゲン生成を強力に
白玉ピーリングとは?
当山
イタリア製のピーリング剤「PRX-T33」のこと=下写真。剥離作用を起こすことなく真皮層に働きかけ、コラーゲンの生成を強力に促進する新しいコンセプトのピーリング剤です。使用後はむき卵のようにつるりとツヤっぽさが出ることから、当院が独自に「白玉ピーリング」と名付けました。
従来のピーリングとの違いは?
高間
ひとくちにピーリング剤と言っても、角質を軟化させて自然な代謝を促す、作用のやさしいグリコール酸やサリチル酸のようなものから、ドクターオバジの「ブルーピール」のように作用の強い高濃度トリクロロ酢酸(TCA)までさまざまです。特にTCAは肌の深層まで届き、まさに「ひと皮むける」ほど効果が高い半面、剥離作用や、日本人などの有色人種には炎症による色素沈着といったデメリットもありました。
白玉ピーリングはこのTCAに、低濃度過酸化水素水(H2O2)が配合されている点がポイント。これにより、皮膚の剥離作用を起こさず安全に真皮層に働きかけ、肌にハリとツヤをもたらします(図)。
白玉ピーリング(PRX-T33)の作用イメージ
白玉ピーリング(PRX-T33)。施術は顔、首、デコルテまででき、所要時間は30分~60分。肌の気になる部位に薬剤を浸透させて中和した後、肌を冷却。専用の保湿クリーム、日焼け止めを塗り、化粧をして帰宅できる。施術は2週間間隔で5回が1クール
顔・首・デコルテまで施術直後からハリ実感
どんな方にオススメですか?
高間
年齢肌に伴う小ジワや、肌のハリ・キメ・くすみの改善を希望する方にオススメです。私も体験しましたが、施術直後から肌のハリを実感できました。顔や首、デコルテまで施術可能で、近々、ボディー用薬剤も出る予定です。
注意点があれば教えてください。
当山
基本的に痛みはなく、紫外線の強い夏の時期でも受けられるほどダウンタイムがほとんどない治療ですが、まれに熱感や治療直後の赤みが出る方がいます。皮むけは、1回目の治療後に部分的にごく薄くむける方もいますが、その際は専用の保湿クリームで対応。翌日あたりに赤みが出る場合も外用薬で対応します。白玉ピーリングはコウジ酸を含むため、コウジ酸にアレルギーがある方は治療が難しくなります。
日本では2年ほど前から導入され定評がある治療。興味のある方はお気軽にご相談ください。
当山拓也 氏
当山美容形成外科 院長
東京医科大学卒業後、東京大学医学部形成外科学教室入局。東京警察病院、杏林大学形成外科等で研さんを積む。リッツ美容外科・東京院、東京西徳洲会病院形成外科・美容外科医長、アヴェニュー表参道クリニック副院長をへて、一昨年4月に医療法人形成会当山美容形成外科副院長に。昨年6月、同院院長に就任。
高間久美子 氏
当山美容形成外科 医師
1996年金沢医科大学医学部卒業。慶応義塾大学病院精神神経科。横浜市立市民病院、神奈川美容クリニック、聖マリアンナ医科大学病院形成外科、聖マリアンナ医科横浜市西部病院などで勤務。日本形成外科学会会員。日本美容外科学会会員。
<この記事に関する問い合わせ先>
医療法人形成会 当山美容形成外科
098-867-2093
http://www.touyama.com
Eメール info@touyama.com
※次回は「関節痛、変形性関節症に対する再生医療」です。
<過去記事一覧>
『週刊ほーむぷらざ』 教えて!ドクター当山<205>
第1614号 2018年6月28日掲載