超音波で汗腺を破壊し吸引

今のうちにワキガとおさらば

春からの新生活に向け、服装や髪形のように、身だしなみの一つとして気になるのがニオイ。「毎年、この時期になると、男女問わず、腋の臭いを気にして治療を希望するフレッシャーズが多く来院されます」と当山美容形成外科の当山拓也院長。ワキガの原因や治療法について話を聞きました。

 「超音波吸引法」と「当山オリジナル枕木固定法」 



腋の臭い原因は二つ
遺伝性のワキガは手術

—腋が臭う原因とは？

 当山 
腋の臭いの原因は二つあります。一つ目がアポクリン腺。このアポクリン腺が生まれつき異常に発達している場合、ワキガの主な原因になります。特殊な臭いは、思春期以降に現れますが、遺伝性で本人は全く気が付いておらず、ご家族など周囲に促されて来院される人が多いのが特徴です。

もう一つが、汗をかいた皮膚に雑菌が繁殖して起こる臭いで、これは誰にでもあるものです。

どの原因においても性別は関係ありません。当院では女性も男性もほぼ同じ割合で患者さんの相談に応じています。

ーどんな治療方法がありますか？

 当山 
手術と非手術があります。生まれつきアポクリン腺が発達している人のワキガを改善するには、手術でアポクリン腺を可能な限り除去する必要があります。

一方、汗と繁殖した雑菌が臭いの原因なら、手術では改善できません。その場合、ボツリヌストキシン注射で腋の汗を抑えて雑菌の繁殖を防いだり、クリニックでしか扱えない特殊な制汗剤などを使います。

ワキガの治療で保険適応になる事例は１０％以下で本当に限られた人のみです。また、手術で汗を抑えることはできないということも知っておいてほしいと思います。

術後が楽で回復も早い
超音波と枕木固定法で

—手術による治療法について詳しく教えてください。
 当山 
当院での手術は主に、超音波で皮膚の下のアポクリン腺の組織を破壊し、吸引して可能な限り除去する「超音波吸引法」を行っています。腋に１・５㌢程度の傷跡が１カ所だけで、術後の圧迫法は当院が開発した「枕木固定法」を併用するため、従来の方法と違って術後に腕を上げて動かすことができたり、固定期間が約２～３日と３分の１程度で済むため、回復が早く、患者さんの体への負担が少ないのが特徴です。


—保険は効きますか？

 当山 
​超音波吸引法は自費診療です。合併症として血腫、皮膚壊死、感染などが挙げられますが、これまで数多く手術を行ってきた当院の経験から発生率は非常に低いと言えます。

また、超音波吸引法に年齢制限はありません。臭いの悩みは人には言いづらいものですが、抱え込まずにご相談していただき、晴れ晴れとした気持ちで新生活をスタートしてほしいと思います。

※次は「肩こりや湿疹の原因 巨大乳房に対する外科的治療法」です。



当山 拓也 氏
当山美容形成外科 院長
東京医科大学卒業後、東京大学医学部形成外科学教室入局。東京警察病院、杏林大学形成外科等で研さんを積む。リッツ美容外科・東京院、東京西徳洲会病院形成外科・美容外科医長、アヴェニュー表参道クリニック副院長をへて、２０１７年４月に医療法人形成会当山美容形成外科副院長に。２０１８年、同院院長に就任。



＜この記事に関する問い合わせ先＞
医療法人形成会 当山美容形成外科
098-867-2093
http://www.touyama.com
Ｅメール info@touyama.com



＜過去記事一覧＞

『週刊ほ〜むぷらざ』　教えて！ドクター当山＜245＞
第1803号　2022年2月24日掲載