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新城和博

2020年1月8日更新

新春、首里トレイルうーとーとーランニング|新城和博のコラム

ごく私的な歳時記Vol.67|首里に引っ越して20年。「ボーダーインク」編集者でライターの新城和博さんが、この20年も振り返りながら、季節の出来事や県産本の話題をつづります。


新春、首里トレイルうーとーとーランニング

 2020年の正月休み、なんだかんだで30キロちかく歩いていた。なんということだ。
 まず元旦の日に我が家の恒例となった「首里十二カ所巡り」である。首里にある有名どころの神社仏閣には、それぞれ十二の干支の守り本尊がありまして、それを一挙に回るのが「首里十二か所巡り」である。一つの寺社で複数の干支を担当?しているので、本当に十二カ所を回るわけではない。そして正月のタイミングで歩く、という風習もないのであるが、いつの頃から我が家は、干支十二カ所以外に首里の名だたる御嶽、そして首里城も加えて歩くようになっている。それぞれで手を合わせ、なんとなく、かつ満遍なく祈願する。首里城の新春の宴も堪能して、今年はそのまま那覇・真和志までおりて、安里八幡まで足を伸ばした。これでだいたい10キロ程度である。二日、三日となんやかんやと出かけたりして、3キロくらいは歩いた。


▲弁が嶽頂上

▲崎山御茶御殿あと

▲源流のせせらぎ

 正月クヮッチーで体も重くなった四日目。これじゃまずい、運動せねばと、がばっと家を出て歩き出した。最初は早足の散歩のつもりであったが、もしかして小走りだったらより体に良いんじゃないのと安易に思い、首里の森や谷、川や池を通り抜けるコースをすたこらさっさのひゃさっさと走ってみた。首里は坂のまちであり、実は自然の森もちらほらある。那覇に流れる川の源流となる深い谷もあるのだ。そこを目指して斜面を降りたり登ったりしてみた。名付けて「首里トレイルラン」。那覇で一番標高の高い弁が嶽の頂上では、ひとりで新聞読んでいるおじさんとばったり出会い語り合い、崎山町の谷間では、こんなひとけのない森になぜだ?金髪の若い白人カップルとすれちがったり。そのまま崎山町の御願所から首里城への坂を駆け上り、だれもいない城壁へ。いまはない正殿を忍びんだあと、小走りで城の外回りの御願所まで、いちはーはーしつつうーとーとーした。ジョギング姿ではないので、すれ違う観光客からは、バスに乗り遅れそうであわてているおじさんと思われただろう。しかしだ、意外に、楽しかったのである。拝みと自然散策と地形を楽しむ楽しい坂登りの首里トレイルラン、いけると思います!! この日は7キロ小走りしました。

▲首里の川はこんな感じ

▲儀保宝口ヒージャー、川辺の旅

▲儀保宝口ヒージャーそばの滝

 五日目。とにかくいい天気が続いたので、この日もあてもなく自宅から散歩を開始して、ふと川沿いを歩くというコースを選択した。できうるかぎり川の側の道を歩く、ということで、首里の上流から下っていった。決してきれいな川ではないのだけど、はなをつまみつつ川と寄り添い暗渠を愛でつつ歩くのも、なかなか楽しい。途中、儀保町の宝口樋川に立ち寄ったら、わき水が再び復活していた。うれしい発見。
 真嘉比川の遊水地から、金城ダムからの流れと合流し安里川となり、栄町市場のそばを蛇行しつつ、やがて汽水域となり、久茂地川と名をかえて美栄橋あたりでガープ川と合流していく。こんな小さな町並みのなかにこんなにもダイナミックな地形と流れがあるんだなぁとあらためて実感しちゃった。川の流れに足をまかせ、それぞれ町行く人々の姿を眺めて、気がついたら10キロ歩いてました。結局、当然のごとく、久茂地でビール飲んで、ゆいノレールで首里に上って帰りました。文明の利器は便利なもんである。
 こんな感じで、正月そうそう散策三昧となったが、なんとなく今年はよく歩く一年になりそうな気がしてきました。
 ちなみに首里十二カ所まわりで引いた二度のおみくじは「末吉」でありました。なんでよ!

 
 

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ライター/編集者
1963年生まれ、那覇市出身。沖縄の出版社「ボーダーインク」で編集者として数多くの出版物に携わるほか、作詞なども手掛ける。自称「シマーコラムニスト」として、沖縄にまつわるあれこれを書きつづり、著書に「うちあたいの日々」「<太陽雨>の降る街で」「ンバンパッ!おきなわ白書」「道ゆらり」「うっちん党宣言」「僕の沖縄<復帰後>史」などがある。

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