切ない感情|本村ひろみのコラム|fun okinawa~ほーむぷらざ~

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COLUMN

本村ひろみ

2017年10月2日更新

切ない感情|本村ひろみのコラム

フリーパーソナリティーの本村ひろみさんが、暮らしを楽しむアンテナを巡らせて日々の沖縄・風景をレポートします。
fun okinawaコラム「おきなわ 暮らし散歩 Vol.35」

流れる汗が目にしみていた日々が去り
夏の終わりから秋の始まりのこの季節は
まぶしかった夏を回想してしみじみな気分の日々です。



季節の終わりは“切なさ”の王国。
空気の匂いに
風に揺れる花や草や木々の葉に
夏の残り香と秋の気配が入り混じって
時のあい間に埋もれていた感情が
目の前の色彩にも深みを与えています。

皆さんはいかがお過ごしですか?
私は、鳥のさえずりやかすかに聞こえる虫の音に
センチメンタルな気分でこの季節を味わっています。
味覚よりも先に聴覚から変化していく世界。
今回のコラムは
お好きな夏の終わりの曲をBGMに読んでください。



昭和50年代初めのころ。
実家のある那覇の小禄辺りは小さな川が流れ、畑も広がり
小学校や中学校への道の途中にはお墓や井戸もあって
雑草に覆われた石ころだらけの坂の多い場所でした。
今でもアップダウンの多い場所ですが
当時は荒削りな道なき道を歩いている感じでした。
小学校で放送委員をしていた私は
オレンジ色に町が染まる下校前の時間、
校舎の屋上から見える基地の中の風景を
外国の写真を見るように眺めていました。

ある日の夕暮れ
同じ年くらいの外国の少年少女たちと話がしたくて
フェンス越しに見えるバスケット場の近くまで
友人と自転車に乗って坂道を登って行きました。

広々とした芝生の中に人影のないバスケットコート。
その日はいつも学校の屋上から見ていた姿はなく
長く伸びきった芝生の上を風が吹き抜けていました。
行きの道のり英語のあいさつを考えていた私たちは
拍子抜けしながらもホッとして
しばらくは芝生の上で歌を口ずさんで遊んでいました。
私が高音のパート担当で友人が低音パート。
歌詞にある「永遠」という言葉を初めて意識した日。
ハモりながら帰る途中に見たフェンス越しの夕暮れは
切なさを色にしたような柿色の空でした。



荒井由実の「空と海の輝きに向けて」

風に運ばれ季節は変わり
歩くのが楽しい秋がやってきます。
中秋の名月10月4日の夜は、どこで夜空を見上げましょうか。



10月2日からラジオ沖縄もパソコンやスマホで聞けるようになりました。
radikoで散歩しながら好きな場所でラジオを聞いてみてください。
きっと、もっと季節を楽しむことができます。

ラジオ沖縄
http://www.rokinawa.co.jp/

 

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ロマンチストなラジオDJ
那覇市出身。清泉女子大学卒業、沖縄県立芸術大学 造形芸術研究科修了。現在、ラジオ沖縄「GO! GO! ダウンタウン国際通り発」「We love yuming2(毎週 日曜日 19時~20時)」でパーソナリティーを務める。

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