本村ひろみ
2017年8月2日更新
透明な夏には目を閉じる|本村ひろみのコラム
フリーパーソナリティーの本村ひろみさんが、暮らしを楽しむアンテナを巡らせて日々の沖縄・風景をレポートします。
fun okinawaコラム「おきなわ 暮らし散歩 Vol.33」
寝起きに氷たっぷりのカルピス。
子供のころの夏の朝を思い出して
この頃マイブームのカルピス。
こんなおいしい飲み物をしばらく忘れていた。
ゴクゴクゴク。生き返る。
「猛暑」ですね。
皆さんいかが過ごしですか?
私はどうにか暑さの波に乗っています。
カバンには帽子に折り畳みの日傘、ウチワ、サングラスに
飲み物、タオル地のハンカチ2枚。
外に出ると、
汗で顔に塗りたくっていたものもすべてスッキリなくなるので
化粧ポーチも膨らんで
ただでさえ暑くて荷物を持ちたくないのに
取材用の録音機に加えて
もう一つ大きなトートバッグ。
夏場の私は外出にカバン2つ持ち。
国際通りを歩く時は涼しい風にあたりたくて
本屋さんに入ったり
クーラーの効いた店頭で立ち止まったり、
友人のお店をヤァヤァとのぞいたりして
生き返ってます。
汗で視界もボヤけてきたので、
携帯のミュージックをコングスの「This girl」に。
うん、街がクリアになった。
開南から市場に入って
サンライズ通りと浮島通りが交差する辺りを歩くと、
涼しげな木陰がある。
紫色のオシャレな一角、
異国情緒な雰囲気。
イヤホンから流れる曲がスタイリスティックスの「愛がすべて」に変わった。
この界隈(かいわい)好き。
無意識の感覚で音楽がチョイスされている。
そんなファンキーな気分になるのも暑さのせい。
中華料理のスパイスに使う八角の匂いが漂う。
近くにチマキのおいしい台湾料理の食堂もある。
さっきまで聴覚が優位だったのに
一気に嗅覚に取って代わった。
市場の本領発揮。
そこから国際通りに向けて浮島通りを歩き出すと
6年くらい前からそこにあったという
雑貨屋さんに初めて気付いた。
何度もココを通っているはずなのに
「初めまして」とあいさつして取材させて頂いた。
この辺りの風景の記憶がない。
今までかげろうの中を歩いていたのかな。
暑さとともに光が強くなって
外界はどんどん色を失って真っ白な透明な世界になる。
ベランダに干した藍色の帯から透けて見える空
まぶしいので目を閉じて眺めている。
溶けてしまいそうな透明な夏は、
闇夜がくっきりと花火を輝かせている。
目を閉じると
耳の奥にドーンと花火の音が響く。
暑中お見舞い申し上げます。
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ロマンチストなラジオDJ
那覇市出身。清泉女子大学卒業、沖縄県立芸術大学 造形芸術研究科修了。現在、ラジオ沖縄「GO! GO! ダウンタウン国際通り発」「We love yuming2(毎週 日曜日 19時~20時)」でパーソナリティーを務める。