ニンジンの収穫|金城真知子のコラム|fun okinawa~ほーむぷらざ~

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彩職賢美|沖縄の輝く女性にインタビュー

COLUMN

金城真知子

2017年6月16日更新

ニンジンの収穫|金城真知子のコラム

沖縄で暮らす3児のワーキングママとして、家族の日常を綴っていく。「沖縄で、暮らす・はぐくむ Vol.32」



「ま〜ち〜。畑にニンジン、残してあるからね〜」と、母からの電話。
いつも表現がダイレクトで面白い!
子どもたちにニンジンを収穫させたいとのこと。「掘らずにそのまま残してあるから、週末は実家に遊びに来なさいね〜」と言葉を続けた。

さっそく、子どもたちを連れて実家へ。
毎週のように会っているので、そんなに新鮮味は無いはずなのに、母はいつでもニッコリと高い声で「いらっしゃ〜い! 元気だったね〜?」と、全身で迎えてくれる。
すぐに「だーだー、抱っこしよう」と両手を広げ、1歳の娘を抱っこ。母の目尻が一層下がる瞬間だ。さらに父も隣で「だ〜! じーちゃんにもおいで〜」と両手を広げている。でも下の子は根っからのばーちゃんっ子なので、しばらく母にギューっとしがみついて離れる様子はない。なんだか遠距離の恋人同士のような二人である(笑)





そして母は、空を見上げながら「なんか雨が落ちてきそうだね〜。畑から行ってきたら?」と言うので、到着早々1歳の娘を母に預け、普段着のまま畑に向かった。

畑に着くと、すぐに子どもたちがをニンジンを掘り始めた。
聞くと、私が仕事で子どもたちを預かってもらったとき、既に経験済みだったらしい。
長男はスコップに足をかけ、上手に掘っているように見えるが、途中から「じーちゃん、こんな〜やり方でいいの?」と、ヘルプを求める。
すぐに父が答えて、「こんな〜して、体重かけるんだよ。あり! 深くまでスコップ入れたら、ニンジン出てくるでしょ!」とレクチャー。年期の入ったスコップさばき! 腰つきが全然違う。
私も一緒になってやってみる。久しぶりに感じる農具の重みとひんやり感。スコップを土に立てると、想像よりも軽〜い力で土の中に入っていく。そして土を返すと、ニンジンの姿が見えてきた!
面白い!!
私の方がハマってしまって、何度も掘り返す。その様子を見ながら父は、「ま〜ち〜、この土、ホクホクしてるからスコップやりやすいでしょ〜!」と、何だかうれしそうにしている。

<ホクホク軟らかい土作り>

詳しく聞いてみると、今回は土作りの時に、奥深〜くまで掘って耕したのだとか。その上、植える部分の土をしっかり盛り上げたから、本来、固くなりやすい土質の「ジャーガル」がホクホクになり、キレイで真っすぐなニンジンができたんだと話してくれた。
沖縄の南部に多い灰色の土「ジャーガル」は、粒子が細かいので雨が降るとすぐにくっつき、固くなってしまう。そんな時に畑に入ると、長靴の底に粘土のようにべっちょり張り付くので作業がすごく大変だ。

また水はけも良くないので、雨続きだとジャガイモやニンジンなどは「根腐れ」を起こしてしまう。ジャーガルの土地で、地中で育つ作物を育てるには、「工夫とひと手間」が必要なのである。

<入り口は、楽しいことから>

子どもたちと畑に行く時は、ほぼ「種まき」と「収穫」のみ。
農作物が育つための「土作り」や「雑草取り」「水やり」など、手間暇や忍耐のいる普段の作業は、すべて両親がやってくれている。
大変な部分は、まったく私たちには見せず、「ほら〜、あんたたちが植えてくれた苗が、こんなに大きくなったよ〜! ありがとうね〜」と、収穫という名の「手柄」までも、子どもたちのおかげだと言って一緒に喜んでくれるのだ。

父に聞くと「なんで〜、土に触れる事が大切だのに! 子どもたちには、楽しい所をやってもらった方がいいさ〜。飽きさせたら、もうヤラないよ」と笑う。順を追って教える事にこだわるより、まずは「楽しむこと」。そこから興味が出てきたら、言わなくっても自分から深くやり始める! というのである。

確かに…。
「楽しいから、もっと知りたい!」「面白いから、もっとやってみたい」。そんなシンプルな感情を思い出し、子どもたちを見ると「もう早く帰ろう〜」と飽きた顔つき(笑)

こちら側の「もっと教えたい気持ち」をぐーっと抑えつつ「じゃ〜、帰ろっか」と家路へ急ぐ私たち。
「楽しいからやりたい!」。子育てで大切なことを、また一つ教えてもらった実家でのニンジン収穫だった。


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フリーパーソナリティー
沖縄県南城市出身。琉球大学卒業。
ラジオパーソナリティー・ウェディング司会者・スマイルトレーナー®
FM沖縄『ちゅら玉・浪漫紀行』ではライター兼ナレーターを担当。
沖縄の自然や習慣・格言などを題材にウチナーグチを交えて紹介。
本コラムでは、沖縄で暮らす3児のワーキングママとして、家族の日常を綴っていく。

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