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2020年7月23日更新

[彩職賢美]沖縄第一ホテル 二代目女将 渡辺克江さん|医食同源のおもてなし

生まれたときから母が営むホテルのロビーで育ったので、ホテルのない生活が想像できない。二代目女将になったのもごく自然な感覚でした。お客さまは家族のような存在。沖縄の医食同源の知恵が詰まった島野菜づくしの薬膳朝食と、アットホームな関わりで、喜びと感動、元気を得られる“第二のわが家"でありたい。

縁深める第二のわが家

沖縄第一ホテル・二代目女将
渡辺 克江
 さん

沖縄の伝統と人を大切に 野菜と薬膳の知識生かす

「ただいま」「いってらっしゃい」。ロビーでは、まるでわが家のような挨拶(あいさつ)が交わされる。

1955年の創業以来、多くの文化人や著名人に愛されてきた沖縄第一ホテル。2011年に那覇市安里から一銀通りへ移転したが、変わらぬアットホームなもてなしと島野菜をふんだんに使ったヘルシーな朝食をお目当てに、3世代にわたって交流が続く常連客から、ビジネス客や20代の男子グループまでが訪れる。

客室5部屋の小さな老舗ホテルを語る上で欠かせないのが、創業者の母・島袋芳子さん=上写真=が考案し、45年にわたり提供する「薬膳朝食」。島野菜を中心に50品目、20種類以上の料理が、やちむんや琉球ガラス、琉球漆器に美しく盛り付けられ、見た目もヌチグスイ(命の薬)。

よく使う食材の一つが、昔からチーグスイ(血の薬)と言われ食されてきたハンダマ。「鉄分ならハンダマ以上に豊富な野菜はあるのに、なぜチーグスイなのかと不思議に思っていました。薬膳を学んで、血の巡りを良くしてくれる食材なのだと分かり納得。沖縄の伝統食には、中国の食医学が根付いているんです」

母の作り上げた料理を理論的に補完し、分かりやすく伝えるために、野菜ソムリエや国際中医薬膳師の資格を取得。その知識を生かし、調理法も含めて日々研究を重ねる。

ホテル業の傍ら、フリーアナウンサーとしても活躍し、爽やかな声と笑顔が魅力。話を聞くのが好きで、恋愛相談や家庭の話などで、宿泊客と朝まで語り明かすことも。
「家族とは違った目線、距離感で話せるのがいいのでしょうね。彼女との結婚を後押しした男の子が婚約の報告に来てくれて、披露宴の司会までさせてもらったのは、すごくうれしかったです」と声を弾ませる。
 
「昼夜を問わず働く母のそばにいたくて、幼い頃からずっとホテルのロビーで過ごしていましたので、ホテルのない生活は考えられない。後を継ぐとか、私がやらなきゃという気負いは全くなくて」と笑う。

3歳から手伝いをしていた渡辺さんにとって、お客さまは「家族」のような存在。「社会のことも沖縄のこともいろいろ教えてもらいました。高校生の頃、常連のお客さまがおっしゃっていた『あなたは沖縄のことを何も知らない。地元を愛しなさい。工芸品や食のことも、もっと勉強しなさい』という言葉は、今でも胸に残っています」。

都会に憧れ進学した県外の短大を卒業して沖縄に戻ったとき、姉が内緒で応募したミス沖縄に選ばれた。それがきっかけで放送局から声がかかり、アナウンサーとして十数年、たくさんの番組を担当した。「仕事のノウハウからアナウンスやインタビューの技術まで、たくさんのことを学ばせてもらいました」

母が体調を崩したことを機に、二代目女将になって20年。沖縄の伝統と人とのつながりを大切に、喜びと感動を与えられる「第二のわが家」を目指し、ホテルを切り盛りする。「自分から積極的に行動を起こすタイプではないので、いつも周りの方に支えられています」

19年からは、琉球料理の保存・普及活動を行う琉球料理保存協会の理事も務め、伝統的な琉球料理への学びも深める。

「92歳になる母は、たくましくて明るくて、個性的な昔ながらの沖縄のアンマー。庭木の剪定(せんてい)をするほど元気で、『私があなたの年のころは…』と、今でもお尻をたたかれています。少しでも近づきたい」。尊敬する母を目標に、今日も笑顔でお客さまを迎える。
 

渡辺さん提案! 夏を元気に乗り切る食のヒント

島野菜のパワーを生かす

50品目の食材を使いながら、総カロリー585kcalの「薬膳朝食」から、島野菜の効能とおいしくいただくコツを紹介します。



「ある日のメニュー(一部)から」

パパイア炒め/ビタミン豊富なパパイアは、島こしょうフィファチで調味。
ニガナの白あえ/カロテンやビタミンCが豊富。水抜きした豆腐とあえると、強い苦味も爽やかに。
長命草のサラダ/カロテンやビタミンCが豊富。千切りにして花かつおを添えて。
ヘチマのしょうがのせ/夏野菜の定番ヘチマは、体を温めるしょうがを添えて。

 調理のポイント 
島野菜は体を冷やすものが多いので、島こしょうやしょうがなど、体を温める食材や香辛料と組み合わせるとバランスが良くなります。


夏バテ予防におすすめ「米麹甘酒」

米麹(こうじ)で作った甘酒は、必須アミノ酸やビタミンB1、B6、食物繊維など、「飲む点滴」と言われるほど栄養が豊富。ビフィズス菌のエサになるオリゴ糖も多く含むため、ヨーグルトに加えて食べると、腸の働きを整えてくれます。みりん代わりに煮物の甘みづけに使うのもおすすめです。


「白キクラゲと緑豆の甘酒スイーツ」


【材料】(4人分)
・甘酒 大さじ8
・白キクラゲ 4枚
・緑豆 80g
・ハトムギ 20g
・くこの実 適量
・黒糖 30g(黒糖の量はお好みで。甘酒が入るので控えめが良いかも)
・水 50ml
・酢、しょうが 少々

【作り方】
①緑豆は前日から水に浸けておく。
②緑豆、ハトムギ、白キクラゲを柔らかくなるまでゆでる。
③Aの材料を鍋に入れて火にかけ、黒蜜を作る。
④器に甘酒を入れ、緑豆とハトムギを盛りつけ、刻んだ白キクラゲとくこの実を乗せて黒蜜をかける。

【解説】
緑豆は体を冷やして熱を取るため、夏場にぴったり。白キクラゲは肺を潤すのでお肌の乾燥予防、美肌効果が期待できます。緑豆とハトムギは、体にたまった余分な水分を排せつするため、高温多湿の沖縄では、季節を問わず積極的に取りたい食材です。

■沖縄第一ホテル
☎098(867)3116



プロフィル
わたなべ・かつえ
那覇市出身。東横学園女子短期大学を卒業後、琉球放送アナウンサーを経て、2000年から沖縄第一ホテルの二代目女将を務める。ホテルを切り盛りする傍ら、野菜ソムリエやフリーアナウンサーとしても活躍。2019年から、一般社団法人琉球料理保存協会理事を務める。野菜ソムリエプロ、国際中医薬膳師。


今までの彩職賢美 一覧


撮影/比嘉秀明 文/比嘉千賀子(ライター)
『週刊ほ〜むぷらざ』彩職賢美<1364>
第1720号 2020年7月23日掲載

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比嘉千賀子

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編集者
住まいと暮らしの情報紙「タイムス住宅新聞」元担当記者。猫好き、ロック好きな1児の母。「住まいから笑顔とHAPPYを広げたい!」主婦&母親としての視点を大切にしながら、沖縄での快適な住まいづくり、楽しい暮らしをサポートする情報を取材・発信しています。

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