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2020年1月30日更新
医療費や薬代、還付金がある?|支払いが多いと対象に 二つの制度から選択
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1年間に支払った医療費が10万円を超えると「医療費控除」、市販薬代が1万2千円を超えると「セルフメディケーション税制」の対象となり、確定申告で還付金を受け取れる。税理士の野原信男さんは「利用できるのはどちらか一つなので、検討して選択しましょう」と話す。それぞれの概要を聞いた。
Q.医療費や薬代、還付金がある?
A.支払いが多いと対象に 二つの制度から選択
Q 医療費控除の対象は?
A 一家(生計が同じ人)の医療費が1年間で10万円以上かかった場合(保険や出産一時金などの補てん額は除外)、対象となります。出産費用のほか、保険診療ではない歯の治療やレーシック手術、不妊治療の体外受精や顕微授精も対象となります。
慢性疾患がある方やご家族が多い方、ご出産、高額な歯の治療をした方が利用されることが多いですね。通院にかかる交通費も、条件を満たせば対象となることがあります。ただし、美容や病気の予防のための費用は対象外です。
Q 医療費控除の注意点は?
A 2017年から確定申告で、「医療費のお知らせ」などの医療費通知が添付できるようになり、明細の記入を省略できるようになりました。ただし、医療費通知に明記されているのは保険適応の診療のみで、期間も限られているので、それ以外は領収書が必要です。
また、医療費控除は所得税に準じていて、収入が多いと控除の割合が高くなるため、ご家族の中でも収入が高い人が申請した方がいいですよ。例えば、年収360万円の会社員で年間の医療費が20万円の場合、還付金額は約5,600円となります。
Q セルフメディケーションとは?
A 特定の成分を含むOTC医薬品(ドラッグストアや薬局で処方箋なしに購入できる医薬品)を1年間に1万2000円以上購入した場合、1万2000円を超えた金額が所得から控除される制度です。申告者がその年の会社の健康診断や自治体の特定健康診査(メタボ検診)などを受けていることが必要です。
対象となるOTC医薬品のパッケージなどにマーク=下=が表示されます。
例えば年収360万円の会社員の場合、3万円分OTC医薬品を買った際の還付金額は、約1,400円となります。
のはら・のぶおさん。税理士法人エヌズ代表社員所長。税務申告や起業アドバイスなどを手掛ける。
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編集/栄野川里奈子
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第1696号 2020年1月30日掲載