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2019年7月25日更新

一卵性の三つ子 普通の毎日が幸せ|マイライフ(子育て編)

2歳の三つ子の母、比嘉奈美子さん(33)。3人は500グラム台~600グラム台、妊娠25週での出産だった。「元気に育っていることに感謝しかない。普通の毎日がありがたい。人生で今が一番幸せ」と話す。

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周囲に甘えるようになった
比嘉さんと息子たち(比嘉さん提供)

9カ月のころの3人(比嘉さん提供)

結婚の翌年、待望の妊娠。1カ月後の検診で三つ子と分かりました。親戚に三つ子はいないし、まったく想像していなかった。一卵性の三つ子はとても珍しいそうです。

これまでで一番つらかったのはつわりです。吐き気がすごくて休職して自宅で寝たきり。何も食べられず、水も飲めない。電話の音、窓の外の光、家のにおい、すべてがだめで吐く。薬の副作用でようやく眠る。胃が荒れて血も吐き、10キロ痩せました。

20週で入院してMFICU(母体胎児集中治療室)に入り絶対安静に。天井ばかりを見て過ごしていました。25週で破水して出産することになり、医師に「障がいや病気があるかもしれない。産むまで分からない」と言われたのですが、「とにかく生きてほしい」と思った。不安な気持ちを打ち消そうと、千回くらい「大丈夫」と言い続けました。


ゆっくり成長

出産の翌日、初めて子どもに会いました。立てないくらい弱っていて、保育器をつかんで顔を見たんです。おなかにいた時は3人分愛情を注げるか不安だったけれど、赤くて小さな子どもたちを見て、「かわいい」と思えた。

産後、子どもたちは入院。脳出血、心臓、肺、腸、目…。未熟児で心配は尽きなかった。一番怖かったのが、次男が生後3~4日後に受けた心臓手術。「山場を超えた」と言われたのは、1カ月たってから。今、元気に育っていることに感謝しかありません。

職場はとても理解があって2年間育児休暇を取得し、子育てに専念。その後、「成長のために保育園に入れたほうがいいよ」という医師のアドバイスもあり、保育園に預けて仕事に復帰しました。

大変なのは子どもが体調を崩した時。ぜんそくがあって命に関わるので気が抜けないし、病気になると3人でうつし合う。だれかが入院、他の子は自宅療養というときは、送迎や荷物のピックアップなど3人は人手が必要で、夫や近くの実家の父母や妹、めいに協力してもらいます。

子育ての最優先は命を守ること。安全に気を配りながらも、お風呂はシャワーを頭からかけるし、ご飯は3人いっぺんにあげるなど、ラフに育てている部分もありますよ。

息抜きも大切! 育休中、「ショッピングモールに行きたい」と子どもたちと家族には車で待ってもらい、私だけ1時間買い物したことも。リフレッシュでき、楽しむ工夫はしようと思いました。

子どもたちは2歳8カ月に。長男は慎重で好奇心旺盛、次男は優しくてウーマクー、3男はお茶目で笑わせるのが上手。性格はまったく違います。

成長はゆっくりだけど、3人が元気に笑ったり遊んだり、走ってきて抱きつかれたり。何気ない毎日が幸せ。きついけれど、それ以上に喜びがある。三つ子で良かった。小学生になったら、家族でディズニーランドに行くのが夢です。


きついと伝える

産後、変わったのは意識して人に甘えるようになったこと。限界が来る前に、「きつい」「眠い」と伝えます。以前は一人でやろうといっぱいいっぱいになっていたけれど、「自分にはここまでしかできない」とあきらめがついたことが大きい。あと、自分の感情に向き合うようにしています。なぜイライラするか、考えると無理し過ぎとか。原因は意外と自分にある。

三つ子虐待事件のお母さんは、すごくきつかったんじゃないかな。もう無理と言える人がいなければ、誰でもそうなると思う。


 多胎の多くは双子 
多胎の多くは双子で、三つ子以上は少ない。2009年には、一人の出生数が105万人、双子の出生数は2万人で約2%。双子以上の場合は、出産が早期(満37週未満)の割合が高く(57.2%)、平均体重は2.2キログラムと小さい。(厚生労働省「出生に関する統計」より)
 

編集/栄野川里奈子
『週刊ほ〜むぷらざ』マイライフ(子育て編)
第1669号 2019年7月25日掲載

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おいしいものに目がないガチマヤー(くいしんぼう)。2016年に国際中医薬膳師の資格をとりました。おいしく健康に!が日々のテーマ。

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