彩職賢美
2018年6月7日更新
[彩職賢美]NPO法人沖縄県出会い結婚支援センター 婚活もーる 理事の知念江里子さん|男女の緑つなぐ
宜野湾市にあるNPO法人婚活もーるの理事を務める知念江里子さん(53)。結婚を望む男女を結び、成婚までをサポートする。婚活イベントの企画や独自のお見合いシステム「各駅停車」でマッチングした会員のサポートなどを手掛け、これまで150組のカップルを成婚につなげている。「出会いはタイミング。粘り強く取り組めば必ずいいご縁につながるはず」と呼びかける。
出会い支援し笑顔増やす
NPO法人沖縄県出会い結婚支援センター
婚活もーる 理事
知念江里子 さん
「何よりうれしいのは結婚が決まった瞬間。運命の相手を見つけた方の笑顔はとても輝いており、私ももっと頑張ろうと勇気付けられます」と知念さん。20代から70代まで、約1200人の登録会員の中から相性が良さそうな人を選び出し、お見合いをセッティングするのはもちろん、その後のフォローや結婚に至るまでの相談にも対応する。
知念さんが普段から意識していることは笑顔でいること。「恥ずかしさや不安など、複雑な気持ちを抱きながらいらっしゃる方が多い。私が笑顔でいることで、少しでも気持ちが楽になってくれたら」と話す。
普段は相談業務がメイン。「どんな会話をしていいか分からない」、「理想の人と出会えない」など多岐にわたり、多い時で1日10件の問い合わせや相談があるそう。その際、相談者の性格や相手に望む条件などをチェック。話べたの人には「まずは、相手の目を見てゆっくり話して」、理想の条件が多い人には「何を大切にしたくて、どんな家庭を築いていきたいのか。自分に照らし合わせて、しっかり考えてほしい」などとアドバイスする。
会員からは感謝の声が挙がるが、一方では、「会員が婚活を続けられず、リタイアするときは辛い」と言う。以前は会員に感情移入するあまり、自分までも気持ちがめいってしまうこともあったそう。しかし、今は「婚活を経験することでその人が成長でき、人生の糧にもなるはず」と気持ちを切り替えられるようになったという。
もともと、販売員として接客中心の仕事をし、人と接することは大好きだったという知念さん。「昔から、話をするのが好きで、友達を広げることも大好き。友人同士をつなぐことも多かった」と話す。悩んでいる人をみると放っておけない性格だと言い「人と人との出会いのお手伝いができるこの仕事は、私にとって天職」とニッコリ。
ことしで創業から5年目を迎える同NPO法人。立ち上げからのメンバーでもある知念さんは「最初のころはご成婚に至る事例を作るのが難しかった。そんな中、2年目に加来裕基理事長が提案した独自のお見合いシステム『各駅停車』を取り入れ成婚率が上がりました」と説明する。
通常のお見合いでは、希望条件を合わせて先にプロフィルを見せるが、各駅停車は最初に5人ほどと直接会い、20分ずつ話をし、気になる人をリクエスト。マッチングした場合にプロフィルを伝えるというもの。話をする相手は基本的に同年代同士で話が弾みやすいのが特徴だ。マッチングの増加に合わせて仲人としてのサポート件数も増加。「今日は空いてる?」「一度会って話をしてみない」などと会員へ積極的に声を掛けるほか、会員からの相談件数も増え、新たな会員数も増加した。
「沖縄県の男性の生涯未婚率はワーストで、男性は4人に1人、女性は7人に1人が生涯独身のままという現状がある。私たちの取り組みが少しでも未婚率を減らすことに貢献できればうれしい」と知念さん。「必ず出会いはあります! 出会いで悩んでいる人たちの笑顔をもっと増やしたい」と声を弾ませた。
自称「おせっかいおばさん」
職員とミーティングをする知念さん(左から2人目)は「ミーティングの際も自然と気になる会員の話を真っ先に持ち出しては、周りの意見を求めることが多いですね」と話す。
自分のことを「現代版おせっかいおばさん」と言い、「昔は近所にいたおばさんが『早くいい人見つけないと』と、お見合いの話を持ってきたもの。しかし、核家族化や女性の社会進出など時代の変化とともに価値観が多様化し、結婚が難しくなっている」と説明。「本当に出会いたいと思ったら婚活のため即行動。年齢を重ねるに従い葛藤も大きくなってくる。まずは一歩踏み出してほしい」と背中を押す。
電話相談も笑顔で
電話相談にも笑顔で対応する知念さん。ときには「もう婚活に疲れました」「私は結婚に向かないかもしれない」といった相談を受けることも。それに対し、知念さんは「必ず出会えるタイミングがくるから、それまで一緒に頑張ろう」と涙を流しながら引き止めることも少なくないという。中には婚活を諦めかけていた人を説得し、成婚へ導いた例も。「結婚した人がその都度連絡をくれ、子どもを連れてくることもあるんです」と満面の笑みを見せた。
婚活もーる
098-870-2621
知念さんのハッピーの種
Q.気持ちを切り替えるために意識していることは?
仕事のオンオフはしっかりするようにしています。ドライブが好きなので、休みの日にはホテルや景色のいいところへ出かけ、おいしいものを食べるのが楽しみ。仕事の疲れや悩みもリセットできるんです。また、犬と一緒に遊んだり、散歩に連れて行くのも大好き。仕事から家に帰ると、真っ先に駆け寄ってくれるので、いつも癒やされています。写真左はビバちゃん(トイプードルとポメラニアンのミックス)とロコちゃん(トイプードル)=知念さん提供
PROFILE
ちねん・えりこ
1964年、那覇市出身。県外の高校へ進学し卒業後、実家の家業で接客を中心に業務をこなす。その後、大手結婚相談所へ入社。結婚アドバイザーとして活動。2013年、結婚相談所を退職後、NPO法人沖縄県出会い結婚支援センター婚活もーるに入社。男女のご縁をつくる仲人として活躍。5年目にして150組の成婚をサポート。娘2人の母。
[今までの彩職賢美 一覧]
撮影/比嘉秀明・編集/安里則哉
『週刊ほーむぷらざ』彩職賢美<1302>
第1611号 2018年6月7日掲載
この記事のキュレーター
- スタッフ
- 安里則哉
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編集者
日々、課題ばかりですが、取材ではできる限り、対象者の人間性が引き出せたらと思い、仕事に努めています。食べることが大好き。そのためダイエットにも力を入れたところですが、いまだ実現せず(笑)。