[彩職賢美]紅型作家の新垣優香さん|紅型に光と輝き|fun okinawa~ほーむぷらざ~

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彩職賢美|沖縄の輝く女性にインタビュー

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2018年1月25日更新

[彩職賢美]紅型作家の新垣優香さん|紅型に光と輝き

紅型に携わってことしで17年目になる新垣優香さん(32)。着物や帯からマグネットやキューブなどの小物まで紅型作品の開発に取り組む。伝統的な技法に加え、グリッター(ラメ)を取り入れるなど独自の世界を表現している。「私の作品を見た人が笑顔になってくれるとうれしい」と、作品に向き合う新進気鋭の紅型作家だ。

今週の彩職賢美は、紅型作家の新垣優香 さん
 

大胆に 幸せ運ぶ色使い

紅型作家
新垣優香 
さん

「太陽に負けない色の鮮やかさに引きつけられます。見ていて温かい気持ちになれるんです」と紅型の魅力を語る新垣さん。「沖縄はカラフルな花々が多く、見ていて元気をもらえます。沖縄の自然をモチーフにした作品で、多くの人に幸せな気持ちになってもらいたい」。好きなモチーフは、ユウナやアカバナー、アダンなどの花木。どれも、多色使いで、大輪の花が布地いっぱいに描かれているような鮮やかな色合いと大胆な絵柄が目を引く。明るく、物腰やわらかな新垣さんの人柄が作風にも表れているようだ。

作品を見た人からは笑顔で「見ていてワクワクする」「沖縄らしい優しい空気が流れている」との声が上がる。そんな顧客の反応が作品づくりの原動力に。これまでの紅型にはなかったキラキラしたグリッター(ラメ)を技法として取り入れているのも新垣さんの紅型の特徴だ。夕日やスポットライトが当たると輝き、立体的で奥行きを感じさせたりと、見る角度で違って見えるおもしろさがある。

その技法を使うようになったのは、菓子屋を営む父親に刷新する商品のパッケージデザインを頼まれたことがきっかけ。「商品名に黄金という言葉が使われているため、光り輝くイメージに」との要望だった。調べるとグリッターがあるのを知り、取り入れてみたところ、作品に光を与えていると実感。紅型にも使えるとひらめき、独自の手法を確立していった。

絵画が大好きな父親の影響もあり、小学生のころから絵を描くのが好きだった。迷わずデザイン科のある高校に進み紅型に触れ、伝統工芸の道を志すことを決めた。高校卒業後は工房や県工芸指導所で基礎を学び、2009年に独立し作家デビューを果たした。

「多彩な風景や模様など、独自の世界を紅型で表現したいとの気持ちが強かった。最初は『自分のやり方が通用するのか』と不安があった」と新垣さん。その不安を払拭できたのが、コンテストでの受賞。「『りゅうぎん紅型デザインコンテスト』で大賞を受賞し自信がつき、いろいろなことに挑戦したいと思うようになった」と振り返る。

新垣さんは、伝統的な紅型をベースにしつつ、生地に直接絵柄をプリントするなど独自の手法を大胆に取り入れている。ただ、その手法に「本当に紅型と言えるのか」と悩んだことも。しかし、高額な手染めに比べ、気軽に手に取ってもらえるプリントの良さも創作意欲を後押しした。

さらに「ウエブ上で自分の作品を紹介するのは恥ずかしかったのですが『沖縄や紅型のことを知ってほしい』と、SNSを使い発信するようになりました」と笑顔。その結果、オーダーが増え、多くの人とのつながりも増えた。近年は、ホテルのフロントに飾る大型パネルやスカーフの絵柄のデザインの依頼もあり、仕事の幅を広げている。

仕事が増える一方、「依頼者の要望に基づき何かを生み出す場合、色や形など、お互いのイメージをすり合わせるのが大変」という。何度もデザインや色合いを見直し、寝ずの作業になることも。しかし、完成後は「今までにはない、一人では絶対生み出せないモノが生まれるのがほとんど。いい勉強になります」と達成感で満たされる。

現在は、育児をしながら作品制作に励んでいる。「今後は、子ども用の着物や紅型の絵本なども作ってみたい」と、目を輝かせた。


旅行先の風景作品に|彩職賢美|新垣優香さん
旅行先の風景作品に|彩職賢美|新垣優香さん

旅行先の風景作品に
旅行が趣味という新垣さんは「出産してからはなかなか行けないですが、以前はよく夫と旅行に行きました。県外の美術館を巡ったり、1人でポーランドに行ったことも。そこで作品のイメージを吸収することが多いですね」と笑う。姉がニューヨークに留学していた時は、2カ月ほど宿泊。街を巡り=上の写真2枚=風景をカメラに収め、持ち帰って作品づくりに反映させることも。「ニューヨークの街並みを意識した作品もあるんですよ」(下写真)と新垣さん。

ニューヨークの街並みをモチーフにした作品=写真は新垣さん提供|彩職賢美|新垣優香さん
ニューヨークの街並みをモチーフにした作品=写真は新垣さん提供



コンテスト受賞が自信に
「第20回りゅうぎん紅型デザインコンテスト」で大賞を取った作品=写真左。「20歳からエントリーし、6年目にして大賞を受賞でき、自信になりました」と新垣さん。花々が盛りだくさんで力強い豪華さが目を引くと好評。

第20回りゅうぎん紅型デザインコンテスト 大賞|彩職賢美
(琉球銀行提供)



お菓子のパッケージにも
父親に頼まれてデザインしたちんすこうのパッケージ=写真。「花の縁の部分などにグリッターを使い、作品に輝きを与えられると気づき、デザインの幅を広げてくれた作品です」と話す。同商品は、那覇市壺屋の「くがにやあ」で購入できる。

那覇市壺屋の「くがにやあ」|お菓子のパッケージ
那覇市壺屋の「くがにやあ」|お菓子のパッケージ


新垣さんのハッピーの種
Q.行動力の源は?
独自の気持ちの切り替え法があるとか?
自分は掃除をするのが好きなのですが、作品づくりを始める際、まずは身の回りのモノをパーッと片付けます。そうすることで気持ちが落ち着き、集中できるのです。また、庭に咲いている花を摘んだりし、自分の好きな空間に飾ることもします。花が大好きで見ているだけでも癒やされます。

読谷村アトリエ 読谷村瀬名波
HP/http://arakakiyuuka.com/​



[彩職賢美]紅型作家の新垣優香さん|紅型に光と輝き
PROFILE
あらかき・ゆうか
1985年、那覇市出身。県立首里高校染色デザイン科を卒業後、首里琉染、玉那覇紅型工房、沖縄県工芸指導所を経て2009年、作家デビュー。11年・12年に「りゅうぎん紅型デザインコンテスト」で2年連続大賞を受賞。さらに12年、第44回日本美術展覧会入選、第34回日本新工芸展で入選、上野の森美術館奨励賞受賞。受賞歴多数。現在、沖縄(読谷村)を制作拠点に活動。



週刊ほーむぷらざ「彩職賢美」|輝く女性を応援!
今までの彩職賢美 一覧


撮影/比嘉秀明・編集/安里則哉
『週刊ほーむぷらざ』彩職賢美<1285>
第1592号 2018年1月25日掲載

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安里則哉

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日々、課題ばかりですが、取材ではできる限り、対象者の人間性が引き出せたらと思い、仕事に努めています。食べることが大好き。そのためダイエットにも力を入れたところですが、いまだ実現せず(笑)。

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