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2017年10月26日更新

[彩職賢美]介護老人保健施設アルカディア課長の安保奈緒さん|介護に一直線

介護福祉士の安保奈緒さん(40)は、老人保健施設で課長として40人のスタッフを取りまとめる傍ら、2年前に仲間とうらそえ介護福祉士会を設立。「利用者と心が通い合う介護福祉士は、本当にいい仕事。後輩のために、地位を向上させたい。なりたい職業ランキングに入るのが夢です」と話す。

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介護福祉士 なりたい仕事に

介護老人保健施設アルカディア課長
介護福祉士
安保奈緒 
さん

17年、介護の仕事を続ける安保さん。「現場がすごく楽しい。利用者から教わることが多く、ちょっとしたことで喜んでもらえる。役に立てた実感があるんです」。実習以来、介護にハマっている。
介護福祉士は、介護のスペシャリストで国家資格。やりがいを持って仕事に臨んでいたが、介護福祉士に対するイメージにもんもんとしていた10年があった。「給料が低く、学生が介護福祉士を目指すとやめなさいと言われたり、他の職種とのやりとりで自信をなくしたり。今は変わってきたが、当時は介護職が医療職に意見を言うことは難しかった」。利用者に身近な立場として、「利用者のためにと主張しても認められないことが歯がゆく、周囲のせいにしていた」。
そんな時、職場の上司に「看護師や理学療法士に比べると、介護福祉士は資格ができてまだ短い。これからの資格さ」と言われたことが、転機に。「頭打ちだと決めつけて、文句ばっかり言ってても面白くない。自分が変わろう」と決意。それ以降、積極的に外へ出るようになった。浦添市の総合福祉展「バリアフリーオリンピック」や、認知症のサポーター養成講座へ関わり、外の同業者と交流。「すごいケアをしている人たちが、たくさんいる」と視野が広がった。2年前には、浦添市医師会の支援のもと、同志とうらそえ介護福祉士会を設立。「連携のためにも、意見を伝える力を身につけることは大事」と、定期的に集まり、勉強会やグループワークを行う。認知症への知識を深める劇をしたり、県外へ視察に行ったり、活動は広がっている。「現状を変えようと思っている人がたくさんいることを知った。自分が変われば、施設、会社、沖縄、日本が変わっていくかもしれない。未来は明るい!」。言い切る言葉は、力強い。


仕事で大事にしているのは、「利用者が、その人らしくいられるか」。就職後2年目から、スタッフの介護の方法や言葉掛けなどに利用者の思いとのズレを感じると、率直に意見した。もともとは内弁慶な性格だったが、「私が伝えないと、利用者を守れない」という思いに突き動かされた。「ストレート過ぎて相手が引くこともあった」ほど、思いは熱い。
現場経験を重ね、4年前に課長へ就任。現在では、老健施設で看護師や理学療法士、介護福祉士など、専門の異なる40人のスタッフを取りまとめる。医療職も取りまとめる管理職に、介護福祉士がなることは珍しい。「医療の知識は足りないけれど、利用者のために、それぞれの専門性を100%発揮できるように心を配ります」。人事や運営など、今までとは異なる仕事に、プレッシャーは大きかった。「常に時代の変化に合わせて脳を働かせないと、みんなの動きが停滞する。何て仕事だと思ったけれど、後輩のために道を作りたかった」。
全国的に「施設から在宅へ」という流れが強まる中、所属する法人の方針もあり、施設を在宅への復帰率が高い「強化型」へ転換。スタッフと協働して、安保さんが推進役を担った。介護度が近い人をまとめていたベッドの配置も見直した。「重度の人が集中するフロアは、ケアはしやすいけれど、音がせず、昼か夜かも分かりにくいと感じた。人の声や生活音がする中で、重度の利用者も、生きていると実感できるケアをしたい」。あくまでも、利用者目線を貫く。



毎朝コーヒーで一息
コーヒーをいれるのが、安保さんの朝の日課。豆を挽(ひ)いて、お湯を注ぎ、抽出する。「フィルターからお湯が落ちるのを見ると癒やされます。最後のお湯が落ちる瞬間が好き。自分の手で入れることが、ぜいたくな時間に感じる」と安保さん。職場にも朝いれたコーヒーを持参する。時間がある夜はマキネッタという道具を使い、ゆっくり火にかけてエスプレッソを作るのがお気に入り。



写真はすべて安保さん提供


11月12日にバリアフリーオリンピック
11月12日(日)の13時~17時、浦添市立浦添中学校体育館で「第4回バリアフリーオリンピック」が開催される(主催:同実行委員会)。総合福祉展として、福祉用具の展示や体験、健康づくりコーナーなどが設けられ、介護相談もできる。ミニセミナーや劇なども開催。入場無料。ぜひ、会場へ!



<問い合わせ>
浦添市地域包括支援センターさっとん(担当/肥谷・宗像)
080-9141-3097



安保さんのハッピーの種
Q.趣味は何ですか?

読書です。今年出合った本の中で一番印象的なのが、「介護を変える未来をつくる~カフェを通して見つめるこれからの私たちの姿~」=写真。この本をきっかけに今年は仲間と一緒に2回、東京に行って、介護カフェに参加。介護に関わる人たちが集い、対話をする同カフェで、著者の高瀬比左子さんに会い、介護福祉士としての今後の活動の方向性を考えさせてもらいました。何が出会いにつながるかは分からないなぁ、アンテナを張っておこう! と思いました。



PROFILE
安保奈緒(あんぽ・なお)
1977年香川県出身。2000年沖縄福祉保育専門学校卒業。同年社会医療法人仁愛会に就職、アルカディア通所リハビリテーションへ。06年に主任、13年に課長へ就任。15年介護老人保健施設アルカディアへ異動。同年うらそえ介護福祉士会を共同代表として立ち上げる。介護福祉士、介護支援専門員、沖縄県認知症介護指導者。認知症キャラバン・メイト。



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撮影/比嘉秀明・編集/栄野川里奈子
『週刊ほーむぷらざ』彩職賢美<1275>
第1580号 2017年10月26日掲載

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栄野川里奈子

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編集者
おいしいものに目がないガチマヤー(くいしんぼう)。2016年に国際中医薬膳師の資格をとりました。おいしく健康に!が日々のテーマ。

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