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彩職賢美|沖縄の輝く女性にインタビュー

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彩職賢美

2017年8月3日更新

[彩職賢美]ヒロオートデンソー 板金塗装工の小禄さつきさん|板金塗装の請負人

親しみやすい笑顔が、仕事になると集中するほどに厳しい表情に一変する小禄さつきさん(37)。県内では数少ない、女性の板金塗装工だ。県外で技術を学び、ことし2月から友人が経営する「ヒロオートデンソー」の工場をシェアして、起業。「女性でもこの仕事ができることを知ってほしい」と、日々の業務に励む。


 

逆境乗り越え夢を実現

ヒロオートデンソー
板金塗装工
小禄さつき 
さん


自分の車が戻ってきた瞬間に見せるお客さまの笑顔がうれしく、励みにもなります」と小禄さん。車のへこんだり傷付いた箇所を削り、へこんだ鉄板を引っ張り出し、平らにし、色を塗りなじませる一連の作業を一人でこなす。「板金を平らにする作業はきちんと平らになっていないと、塗装面が波打ち仕上がりが納得いかないこともあり、特に気を使います」。傷の大小に関係なく最短でも3日をかけ丁寧に仕上げる。

「屋外での作業が多いので、特に夏場の暑さは大変。しかし、塗装までの過程で自分のイメージ通りに仕上がっていくワクワク感が好きです」と笑顔。「来たとき以上にきれいに」をモットーに依頼された部分はもちろん、他の少しの傷も一緒に直すなど顧客に喜んでもらえるよう気を配る。
技術面はもちろん、精神面でも大きく成長できたのは20代のころ、埼玉県の大型車の板金塗装会社で働いた経験。大型車を扱うため、部品の一つ一つが大きく力作業で小禄さんにとってはハード。何度も挫折しかけたが、負けず嫌いの性格から「これだけのことで好きな仕事を諦めたくない」と自分を奮い立たせた。

仕事後も先輩の作業を見て技術を学び、家では力を付けるため筋トレも欠かさなかった。「何より悔しかったのは仕事中、私は手が空いているのにほかの男性同僚に仕事が振られること」。「諦めたらそこで終わり。私が変わらなければ」と自ら率先して声を掛け、動くように。すると、次第に「手伝って」と声が掛かるようになった。6年間の在職中に国家資格の「金属塗装1級技能士」も取得。全ては「周りに認められたい」との思いからだ。

先輩からの「自分の強みを見つけることが大事」との一言も仕事に弾みを付けるヒントに。もともと得意だった、ドア内側のコーキングの腕は社内でも一目置かれるように。1人で任されるようになったことが大きな自信に。


この道に入ったきっかけは車の免許を取った18歳のころ、ドライブ中に車をブロック塀にこすり傷つけてしまったこと。その際、友人がサンドペーパーをかけ、塗装してくれた。「傷が分からないほど元の状態に戻ったことに感動し、自分の手で車を直したいと思いました」。それからは、車に興味を持ち板金塗装工を目指すように。

就職活動では、自動車工場で働きたいと何度も足を運んだが「女性には厳しい」「長続きしないよ」と断られ続けた。生活のため20歳の時、季節労働で長野県のホテルスタッフに。派遣で埼玉県へ異動した際、偶然、大型車の板金塗装会社を見付け、すがる思いで門をたたいたことが転機になった。

6年間働いた後、「将来は沖縄で起業したい」との夢を胸に、26歳で帰沖。結婚・出産を機に一時期この仕事を離れたが、「夢を諦めたくない」と、パートをしながら板金塗装工場で働き続けた。そんな中、オートバイツーリング仲間から「うちの工場の隣が空いているから、使ったら」と声が掛かり、工場をシェアする形で2月に起業した。

塗料が指に染み込んで落ちず、買い物の際、レジでお金を受け取るのが恥ずかしかったり、手荒れで困る場合もあるが、「自分の好きな仕事ができるのが幸せ」と明るい。「子どもたちがこの仕事をしたいと言い、私の仕事を理解してくれているのがうれしい」と小禄さん。将来は、技術指導もしたいと腕を磨き続ける。




 

状態に合わせアドバイスも

職場の隣で働く「ヒロオートデンソー」の名嘉山聡さん(49)は「小禄さんを女性と思ったことはない。塗装時の集中力や丁寧さは男性顔負け」と話す。
そんな丁寧な仕事ぶりが、オートバイツーリング仲間や自動車工場仲間からも注目され、口コミを中心に仕事が増えている。女性の場合、車を傷をつけてしまった際、どこに相談したらと悩む人も意外に多いそう。「傷の程度や状態、予算に応じた補修法やアドバイスを丁寧にするよう心掛けています」と小禄さん。女性でも気軽に問い合わせできるのも好評のようだ。



 

子どもと遊び体力作り

休日は長女の星夢ちゃん(9)、長男の唯星(6)君と遊ぶことが多く、いい息抜きになっているという。「キャッチボールや自転車に乗ったり、体を動かすことが多い。それがいい体力作りになっているかも」と笑う。起業してからは、体調管理にも気を使うようになったそう。「よく食べ、よく寝ることも意識しています。夏休み中は子どもたちとラジオ体操をし、自然と規則正しい生活になっています」と話した。


小禄さんのハッピーの種
Q.趣味は?
友人に誘われて3年前から趣味でツーリングを始めました。月に1度ほどですが、友人と休みを合わせて、愛車でツーリングするのが楽しみ。心地よい風を受け、気持ちもリフレッシュできるのが最高! 普段の悩みも吹き飛びますね。また、ツーリング仲間とは仕事の話やプライベートの話など、気軽に話せるので、私にとってなくてはならない交友関係になっています。


お気に入りの愛車・ゼファー400の前で笑顔の小禄さん(写真は本人提供)
 


ヒロオートデンソー 沖縄市大里 
<問い合わせ先>090-5768-9396(小禄)





PROFILE
小禄さつき(おろく・さつき)
1980年、中城村出身。高校を中途退学し、接客を中心にアルバイトを経験。98年、自動車運転免許を取得後、自ら傷つけた車を友人が塗装するのを見て板金塗装工を目指す。2000年、季節労働のため県外へ。埼玉県で大型車の板金塗装会社へ就職。06年に帰沖し、県内でも板金塗装の仕事をし技術を磨く。ことし2月から友人の「ヒロオートデンソー」の工場をシェアする形で起業。



週刊ほーむぷらざ「彩職賢美」|輝く女性を応援!
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撮影/比嘉秀明・編集/安里則哉
『週刊ほーむぷらざ』彩職賢美<1263>
第1568号 2017年8月3日掲載

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安里則哉

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日々、課題ばかりですが、取材ではできる限り、対象者の人間性が引き出せたらと思い、仕事に努めています。食べることが大好き。そのためダイエットにも力を入れたところですが、いまだ実現せず(笑)。

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