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2015年4月23日更新

[彩職賢美]プロキックボクサー 田嶋はるさん|再帰を果たしタイトル奪取へ

全国でも数少ない女子のプロキックボクサー、田嶋はるさん。スポンサーである沖縄女子短期大学で働く傍ら、所属ジムに通い、技に磨きをかける。一度は引退したものの、沖縄での出会いを機に昨年、復帰を果たした。プロ当初から念願だった「世界タイトルマッチ」を来月にひかえ、練習に励む毎日だ。

プロキックボクサー 田嶋はるさん
 

周りの支えが原動力に

プロキックボクサー
reversal Gym OKINAWA CROSS X LINE 所属
沖縄女子短期大学 事務職員

田嶋 はるさん


ビシッ、パンパーンッとリズミカルな音がジム内に響きわたる。サンドバックやミット目がけて打撃を繰り返す、田嶋はるさんの練習光景だ。
キックボクシングとの出合いは、少林寺拳法をしていた大学在学中の20歳のころ。友人に誘われ、トレーニングの一環でジムを訪れた。「練習では、相手に遠慮せず思いっきりパンチや蹴りができる。その楽しさと爽快感に魅了されました」と笑顔。すっかりその魅力にはまっていった。
大学卒業後、本格的に競技を始め、めきめきと力を付けた。自身の階級では身長が高い方で、相手との距離をうまく測り、リーチを生かした攻めができるのが、強さの秘けつだ。
2007年に東京でプロデビューを果たし、同年、J-Girlsミニフライ級の新人王に輝いた。翌08年にJ-Girlsミニフライ級王者となり、J-Girls MVP受賞、09年にはJ-Girlsベストバウト賞受賞。実績を積み重ね、順風満帆に思えた。
そんな矢先、度重なる試合の影響もあり、ケガに泣くことに。「思い通りに動けないことから、応援してくれる方々に失礼だと思い、引退を決意しました」と振り返る。
引退後、実家のある埼玉県を出て、以前から好きだったという沖縄に移住したのは4年前のことだ。移住後も、健康維持のためジムで汗を流していた田嶋さん。そのジムの代表であり、総合格闘家・パンクラス現王者の砂辺光久さんとの出会いが転機となった。



ジムでは、生徒への指導も行う田嶋さん(左)。アマチュア選手のスパーリング相手として練習法を教え、女子の競技人口増加の普及にも努めている


ジムで、田嶋さんは砂辺さんから「現役中にやり残したことはなかったの?」と聞かれ、「タイの選手と試合がしたかった」と打ち明けた。すると「今からでも遅くない。もう一度、挑戦してみたら」と声をかけられた。
背中を押された田嶋さんは心機一転。「やり残したことを実現する」ため再び立ち上がり、練習に打ち込んだ。この時30歳。「現役からブランクがあったため、最初は不安でしたが、多くの選手を見てきた砂辺さんから勧められたことが自信になりました」と話す。
試合前は対戦相手の研究をし、みんなで作戦を練り、練習メニューを組む。そんな周りのサポートのありがたさや大切さを改めて実感し、活動の原動力になっている。
復帰後は、国内で3戦2勝。昨年末には、WPMF日本女子アトム級王座決定戦に勝利し、新チャンピオンに輝いた。
「常に危険が伴う恐怖心もありますが、瞬時の攻防の判断が試合を左右する。その緊張感も楽しめるようになりました」。個人競技だが、今では団体競技だと思えるとも。周りの支えを力に変え、みんなで闘っていると感じるからだ。
田嶋さんに朗報が入ったのが、ことしの3月。「WPMF世界タイトルマッチ」への挑戦が決まり、タイの選手と闘えることに。「勝って、ベルトを取った姿を周りの人たちに見せることで、恩返しがしたい」との思いを胸に、リングに立つ。


 

田嶋さんのハッピーの種

Q.田嶋さんのリフレッシュ法は?
休日に愛犬・シラタマと散歩をするのが、私の息抜き。普段の練習の張り詰めた気持ちを癒やしてくれます。
練習にも連れていくのですが、ジムのアイドル的存在です。一緒にロードワークもしたいんですけど、走るのが苦手のようで実現していません(笑)。


Q.ジムでは、周りのメンバーに指導などもするのですか?
ジムには、女子アマチュア選手をはじめ、フィットネス効果を期待して通う女性もいます。そのメンバー向けに週に1度、自分のクラスを持って指導をしています。
キックボクシングは、全身運動で、フィットネス効果が高いスポーツ。その魅力を伝え、女性の競技人口増加に貢献できたらうれしいです。
※田嶋さんが挑む「WPMF世界タイトルマッチ」が、2015年5月31日(日)に沖縄コンベンションセンターで開かれる。詳細は下記のHPで。
【TENKAICHI】http://tenkaichi-pro.co.jp/
【CROSSXLINE】http://crossline-gym.com/​



PROFILE
田嶋はる(たじま・はる)1983年生まれ、埼玉県出身。日本体育大学在学中にキックボクシングに出合う。2007年9月にJ-Girlsミニフライ級新人王、08年11月にJ-Girlsミニフライ級王者に。10年に引退。沖縄県に移住後、プロ復帰を果たす。14年12月にWPMF日本女子アトム級王座決定戦で勝利し日本タイトル獲得。現在、WPMF世界タイトルマッチへ向け奮闘中。



今までの彩職賢美 一覧

マイライフ|ファンオキナワ


撮影/比嘉秀明・編集/安里則哉
『週刊ほーむぷらざ』彩職賢美<1166>
第1449号 2015年4月23日掲載

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安里則哉

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日々、課題ばかりですが、取材ではできる限り、対象者の人間性が引き出せたらと思い、仕事に努めています。食べることが大好き。そのためダイエットにも力を入れたところですが、いまだ実現せず(笑)。

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