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2017年2月16日更新
ニットやセーター、革のブーツ。意外と知らない『冬モノのお手入れ』の方法
[特集]冬モノのお手入れ|デリケートな冬物衣類。洗濯、シミ抜きのコツを、プロに教えてもらった。日琉舎ランドリーの宜保直樹さんは「時間をおかずにひと手間掛けると、汚れ落ちがアップします!」と話す。
衣類
ネットに入れ伸び縮み防ぐ
洗えるものか、まずは服に付いている洗濯表示をチェック(下記参照)。洗濯機で洗えるものは、汚れやすい襟や袖、汚れが付いている部分を薄めた台所用の中性洗剤をつけてつまみ洗いし、洗濯ネットに入れてドライコースで洗う。ポイントは洗濯機に水をためて、洗剤を撹拌してから衣類を入れること。「洗剤が混ざっていない状態で入れると、衣類に洗剤が付くのが濃過ぎたり薄過ぎたりする。また洗濯機の最初の動きは強いため、衣類の傷みにもつながります」。
手洗いも、衣類を洗濯ネットに入れてから洗う。「ネットに入れないと、水をためたタライから出し入れする際に、水の重みで衣類が伸びてしまいやすい」。
干す際は、風通しのよい日陰での平干しがベストだが、平干しが難しい場合は、ハンガーを3本使い、重さを分散させるといいという。
洗う前にシミ抜き
シミに台所用洗剤
衣類にシミがついている場合は、洗濯の前にシミを落とす。事前に、色落ちしないかチェック。色落ちがなければ、表面についた油汚れを水で薄めた中性洗剤で落としてから、性質に合わせてシミ抜きを行う。「シミ抜きの原則は『こすり過ぎない』『早くする』ことです」と宜保さん。シミはこすると広がってしまい、時間がたつほど落ちにくくなるそう。
「汚れや臭い、シミは、ひと手間かけて早めに対策すると、後がグッと楽になります。ご家庭でやりやすい方法で小まめに洗濯をしてください」とアドバイスした。
洗濯できる? 表示をチェック
洗濯をする前に、水洗いできるか、洗濯機はOKか、手洗いか、洗濯NGか、まずは洗濯表示の確認を。昨年12月に洗濯表示が変わり、現在は以前のものと新しいものが混ざっている。表示のほか、「漂白剤を使用しないでください」「単品洗いをおすすめします」など、細かな記載もチェックしよう。
洗濯機洗い
1.襟や袖をつまみ洗い
袖や襟元の汚れやシミには、あらかじめ薄めた中性洗剤をつけてつまみ洗いをする。
2.洗濯機に水をためる
洗濯機のドライや手洗いコースで洗濯をスタート。1分ほどたって、水がたまり洗剤が混ざった状態になってから、ネットに入れた衣類(※手洗い1参照)を入れる。色移りを避けるために、白系(ベージュ、グレー)と色物系は分ける。
3.重さを分散させ陰干し
風通しのよい日陰で干す。1本のハンガーにかけると水の重みで伸びやすいので、重さを分散させて干す。平干し、または複数のハンガーにかけてもいい。
手洗い
1.ネットに入れる
袖や襟元の汚れやシミは、水で薄めた中性洗剤をつけて、あらかじめつまみ洗いをする。衣類の伸び縮みを防ぐため、裏側を表にして洗濯ネットに入れる。粗い目のネットが、洗剤や水の入りがよいのでお勧め。ただし、目の粗いニットやブラウス、おしゃれ着などデリケートな衣類は細かい目のネットが向いている。
2.押し洗いをする
タライに水をため、洗濯用中性洗剤とネットに入れたセーターを入れ、押し洗いをする。
3.すすぐ
軽く脱水(1分程度)し、新しい水にとりかえて押し洗いをするようにすすぐ。軽く脱水をし、新しい水に柔軟剤を入れ5分間ほどつけ、軽く脱水し干す。※干し方は洗濯機洗いの3参照。
シミ抜き
1.薄めた洗剤をつける
付着物(食べ物など)をつまみとる。シミの部分に、水で半分くらいに薄めた台所用洗剤を付ける。
2.つまみ洗い
指先でつまみ洗いをする。広げないように注意。
3.シミ抜き剤をつける
汚れの種類にあわせたシミ抜き剤=右参照=をつけて、つまみ洗いをする。
※しょうゆなど広がるものは、シミの下にティッシュなどを置き、ぬらしたティッシュやおしぼりで上から軽くたたいて移動させる。
シミや汚れの表面には、油性の成分が表面に乗っている。まずは油分を落とすことで、色素などのシミが落としやすくなる。
シミ抜きできる? をチェック
素材と洗濯表示をチェックした後、目立たない部分に洗剤と水を含ませる。色が落ちたら、その衣類は家庭では洗濯できない。濃い色のものや浴衣、シルク、海外のブランド物などは特に注意。
このシミには、コレ!
◆色素のシミには酸素系漂白剤
飲み物や食事、調味料、色素の強いシミ。例えば、黄ばんだ白シャツ、オレンジジュース、赤ワイン、コーヒー、紅茶、緑茶、ミートソース、カレー、焼き肉、ソース、ケチャップなどのシミ。
◆油性のシミには台所用洗剤やクレンジングオイル
油分の多いシミに向く。例えば、マヨネーズ、バター、ドレッシング、オリーブオイル、ごま油、チョコレート、ファンデーション、口紅、アイシャドー、朱肉、クレヨンなど。
◆ボールペンのシミにはエタノール
◆蛍光ペンのシミには除光剤
ダウンジャケットは洗える? 毛布や布団は?
「ダウンジャケットは、薄手のもので家庭洗濯OKの表示があれば、洗えます。ただし、内部の羽根がかたよりがちなので、干す時には羽根をほぐして陰干ししましょう。
毛布や布団は、ご家庭で洗濯OKなどの記載があれば、注意事項を確認の上、洗うことができます。コインランドリーの大型機械を使うのも手。ただし、厚みのある物や大きな物はクリーニング店に出すのがベスト。無理に家庭用洗濯機で洗うと、汚れ落ちやすすぎが不十分で臭くなったり、洗濯機を壊す原因にもなります」
日琉舎ランドリー
宜保直樹さん
クリーニング歴30年。日琉舎ランドリー
沖縄県豊見城市高嶺377-7(地図)
098-850-1729
※衣類から毛布まで扱う
営業時間 8時30分~21時
定休日 水曜
<特集 冬モノお手入れ:革製品や帽子、ジュエリーをキレイにする方法>
編集/栄野川里奈子
『週刊ほーむぷらざ』特集 冬モノお手入れ
第1544号 2017年2月16日掲載