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2017年1月5日更新

[彩職賢美]薬剤師の前濱朋子さん|地域医療の第一線

学校薬剤師として小学校で環境衛生に関する取り組みを行うほか、県薬剤師会の広報委員として県内の薬局を取材し、薬剤師の活動を会報で紹介する同会副会長の前濱朋子さん(53)。薬剤師として活動30年目を迎えたことし、以前から夢見ていた薬局経営を開始。「地域に根差した薬局を目指したい」と奮闘している。

彩職賢美|薬剤師の前濱朋子さん
 

気軽に立ち寄れる薬局へ

一般社団法人 沖縄県薬剤師会 副会長
合同会社朋友陽 つる薬局代表
薬剤師

前濱朋子さん


「お体の調子はいかがですか?不安なことがあれば、気軽にお声掛けくださいね」。前濱さんが、調剤薬局で患者に薬をわたす際の光景で、そのおっとりとした優しい口調に安心感を覚える。

常に心掛けていることは、忙しくとも患者の声を丁寧に聞くこと。「患者は医師に診てもらい薬をもらって帰る。薬剤師は、その最後の薬を手渡すところで、患者に不安が残らないようアドバイスします。薬を受け取った患者が、笑顔で帰るのを見ると不安が和らいだと感じ、うれしい」と笑顔。患者の状態に合わせて薬を使い分けるため、患者から聞いた情報を医師に伝えたり、薬の組み合わせや効果的な使い方について医師と相談することも。多数の薬を扱うとあって安全性には細心の注意を払う。

1988年から5年ほど、薬剤師として県立病院で院内薬局に勤めた後、院外処方の調剤薬局で業務に従事。ことしで30年目を迎える。薬剤師を目指したのは高校生のころ、薬学部を受験する友人から話を聞いたのがきっかけ。「食の安全に薬学の知識が役立てられるなど、日常生活にも関連する仕事内容に興味を抱きました」。

薬局での業務以外に、2004年から学校薬剤師も務める。プールの水質調査や教室の照度検査といった学校の環境衛生を中心に取り組む。危険ドラッグが取りざたされるようになった2012年からは、学校で薬物乱用防止教育を開始した。

「保健体育の授業の一環として『くすり教育』が組み込まれ、教諭とチームで授業をしています。薬物の危険性や、ドラッグを始めるきっかけにもなるお酒やタバコの害についても話をします」と説明。生徒からは「害を知って怖くなった」「勧められたら断るようにしたい」などの感想が上がり、講義の成果を実感。やりがいにつながっている。



玉城中学校の生徒の前で、薬物の害について講義する前濱さん=本人提供


一方で、県薬剤師会の広報委員としても活動。会の活動報告や医療品の情報、薬剤師の思いなどを紹介する会報づくりも担う。取材する中で特に印象的だったのが「薬局は何でも相談できる、よろず相談の場所」「薬剤師は街にいる唯一の化学者」との先輩薬剤師らの言葉。薬のことだけでなく、健康のことも気軽に相談できる地域医療の第一線の場であると実感した。

そんな活動を積み重ね、2012年には学校薬剤師部会の部会長に就任。さらにキャリアを積み、昨年、県薬剤師会の副会長に就任した。いろいろな会議に参加する機会が増え、栄養士や看護師など他分野の人とのつながりが広がった。「栄養士や看護師らと『連携して、地域医療の発展になるような取り組みをしていきたい』と、今後の展望についても具体的な話ができるようになった」と喜ぶ。

昨年2月から、宜野湾市真栄原に自らが経営する調剤薬局「つる薬局」をスタートさせた前濱さん。「特に経理面が大変」と、経営者として慣れない業務と悪戦苦闘しながらも、充実した笑顔を見せる。目指すのは地域に根ざした薬局。「最終的には地域の人が処方箋を持たなくても気軽に健康相談に来店できるような場所にしたい」と目を輝かせた。



「女性の翼」のメンバーと

薬局経営への思い後押し
女性リーダーの育成や女性と女児のための支援活動を目的とする「女性の翼」「ソロプチミスト沖縄」の会員でもある前濱さん。「同会の集いなどに参加することで得た人とのつながりも、漠然としていた『いつか薬局を経営してみたい』という思いを現実のものにしてくれた」と話す。



2カ月ごとに発行している県薬剤師会の会報

取材が自分の勉強に
「薬剤師の先輩方を取材する機会があるのですが、以前の薬局や薬剤師の状況、先輩方の仕事に取り組む姿勢など勉強になっています」。改めて、自分の業務に対する思いを見直すいい機会にもなっている。




旅行を兼ねて行ったドイツでの記念写真。医師の夫・俊之さん(右)の留学先・ハイデルベルクにあるドイツ癌研究所での1枚で2008年のノーベル医学賞ハラルド・ツア・ハウゼン名誉教授(左)とのスリーショット




前濱さんの経営する薬局内に飾られているドイツの薬剤師人形
 

前濱さんのハッピーの種

Q.趣味は?

なかなか休みを取ることができませんが、旅行が趣味で、いい気晴らしになっています。旅先でお土産を買うのが楽しみなんですが、ドイツに行った際に購入した薬剤師人形や、ドイツ薬事博物館の本はお気に入り(写真)。薬剤師が人形になるほど、身近な存在だと感じ、眺めていると「地域の人たちの身近な存在になりたい」との思いが強くなります。


つる薬局
098-897-5779
沖縄県宜野湾市真栄原3-7-8(地図




PROFILE
前濱朋子(まえはま・ともこ)1963年那覇市出身。87年名城大学薬学部卒業。88年、同大学専攻科修了。同年、県立八重山病院勤務。その後、調剤薬局で業務に従事。2010年、県薬剤師会理事。12年には県薬剤師会学校薬剤師部会部会長に。15年、県薬剤師会副会長に就任。薬物乱用防止協会理事、県薬剤師会広報委員としても活動。16年、自身で経営する「つる薬局」をオープンし、日々奮闘中。



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撮影/比嘉秀明・編集/安里則哉
『週刊ほーむぷらざ』彩職賢美<1239>
第1537号 2017年1月5日掲載

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安里則哉

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日々、課題ばかりですが、取材ではできる限り、対象者の人間性が引き出せたらと思い、仕事に努めています。食べることが大好き。そのためダイエットにも力を入れたところですが、いまだ実現せず(笑)。

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