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彩職賢美|沖縄の輝く女性にインタビュー

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2016年1月14日更新

[彩職賢美]オカリナ講師の久貝友子さん|オカリナ演奏500回 コロニー大賞受賞

3歳でポリオ(小児まひ)にかかり、両足と左上腕が不自由な久貝友子さん(61)はオカリナ講師。「音楽を仕事に」と挑戦を続けてきた。姉と活動する「久音の会」は15周年を迎え、県内外での無料の演奏活動は500回を超える。昨年、功績のある障がい者を表彰する沖縄コロニー大賞を受賞。「社会の役に立てて、自分を認めることができた」。笑顔は、明るさに満ちている。


 

社会に役立つ喜び自信に

オカリナ講師
久貝友子さん


16年前、琴を演奏する姉の殉子さんと「久音の会」を設立。「施設などで外出しづらい人たちへ、音楽を届けたい」と無料の演奏会を開いてきた。病院や高齢者施設、養護学校など演奏活動は500回を超える。レパートリーは100曲以上だ。

施設の演奏会で重度の障がいで言葉を話せない子が、演奏に涙を流したことがあった。「音楽ってやっぱりいいんだと思った。私の演奏する姿が、障がいがあっても、自分にもできると思えるきっかけになれば」と話す。

明るい笑顔のチャーミングな久貝さんだが、以前は人目が恐くて引きこもりがち。依頼されて受けた演奏会が、転機になった。「人前で演奏するには、体も心もさらけ出さないといけない。最初の一歩は、本当に勇気がいった。それでも思い切って外に出ると、意外と人は好奇な目で見ないんだと知って。障がいがあっても社会に役立てるんだと、自分を認めることができた」。

徐々に「隠せないし、一生付き合うもの」と障がいを受け入れられるように。必要な時に助けを求められるようになり、気持ちも楽になった。「いろんな人と付き合うようになって視野が広がり、世界が楽しくなった」



2015年12月24日、西原町民交流センターでのコンサート。演奏する友子さん=写真左=、姉の殉子さん=中央=、サークルのメンバーら(編集部撮影)


学生時代から「障がいがあっても自立をしたい」と考えていた久貝さん。両手を生かして座ってできる職をと考えたときに、「好きな音楽を教える仕事」に行き着いた。いくつも壁があったが、「少しでも可能性があれば、諦めない」と、乗り越えてきた。

12歳でピアノを始め、音楽の楽しさに目覚める。特別支援学校を卒業後、音楽教師を目指すも、県内に音楽の専門学校がなく東京の学校を希望する。当時、障がい者の入学は認められていなかったが、学校へ交渉。母に付き添ってもらい3カ月間試用通学をした後、入学を認められる。

「校内も外も段差だらけ。松葉づえをついて通学したけれどしょっちゅう転んですり傷が絶えず、泣きっぱなしだった」。友人らが移動や買い物を手伝ってくれ、卒業。中学校の音楽教諭免許を取得した。

しかし、教育実習で板書や楽器を持つ厳しさに直面。教師の道は諦めざるを得なかった。

帰沖後、自宅で20年ほどピアノ教室を開く。生徒数は多いときで数十人。やりがいもあったが、次第に体力が低下した。鍵盤のタッチに強弱をつけたり、ペダルを踏み込むのが難しくなった。

フルートや琴などの楽器を試し、しっくりきたのがオカリナだ。澄んだ音色と体に負担なく表現できることに魅了された。36歳で練習を始め、独学で習得。講師としてオカリナを教える傍ら久音の会の活動を続け、昨年で最後となった第20回沖縄コロニー大賞も受賞。「一気に花開いたよう」と喜ぶ。

さまざまな経験を経た久貝さんの奏でる音色は、明るく澄み、豊かだ。


 

久貝さんのハッピーの種

Q.趣味は何ですか?

旅行です。ハワイや香港、台湾などに行きました。
印象深かったのは、28年ほど前にノルウェーに行ったこと。バリアフリーの設備は整っていなくて、沖縄と変わらなかったのですが、移動をする時に、誰ともなしに手伝ってくれて、とても旅行がしやすかった。障がい者が外に出るには、最終的に人の心のバリアーが取れることが一番重要だと思います。私自身の経験から、障がい者も健常者も、多くの人と触れ合い、お互いを知ることが、心のバリアーを取ることにつながると思います。

Q.オカリナの魅力は?

澄んだ音色と、手のひらサイズでどこへでも持っていけること。自然の中でオカリナを吹くと、とても気持ちが良いんです。鳥がよってくるんですよ。
これまで印象的だったのは、久音の会の10周年と15周年のコンサート。10周年には300人、15周年には170人のお客さまが来てくれました。今でも演奏時には緊張して震えるのですが、お客さまが楽しんでくれると本当にうれしいですね。

 


PROFILE
久貝友子(くがい・ともこ)1954年、宮古島市出身。特別支援学校を卒業後、東京の国際音楽学校へ進学。卒業し帰沖後、自宅で約20年ピアノ教室を開く。2000年、姉と共に「久音の会」を設立する。2015年、自立への努力や社会、文化活動に貢献する障がい者を表彰する「第20回沖縄コロニー大賞」を受賞。同賞最後の受賞者。



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撮影/比嘉秀明・編集/栄野川里奈子
『週刊ほーむぷらざ』彩職賢美<1200>
第1487号 2016年1月14日掲載

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編集者
おいしいものに目がないガチマヤー(くいしんぼう)。2016年に国際中医薬膳師の資格をとりました。おいしく健康に!が日々のテーマ。

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