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2024年12月19日更新

飲み込みにくいと感じたら…のどの筋肉を鍛えよう!!|続けてハッピー‼︎健康習慣⑨

ご飯を食べる時に飲み込みにくいと感じたり、むせたりすることはありませんか? 飲み込む力が弱くなる嚥下(えんげ)障害の兆候かもしれません。年末年始は飲み込む力が弱った高齢者が餅を詰まらせる事故も多いそう。専門家に嚥下障害の原因やリスク、予防について聞きました。

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飲み込みにくいと感じたら…

のどの筋肉を鍛えよう!!

加齢などにより飲み込む力が弱くなると、食べ物や唾液が誤って気管に入る誤嚥(ごえん)の危険性が高くなる。きゆな耳鼻科・沖縄ボイスクリニックの院長、喜友名朝則医師は「誤嚥によって肺炎や窒息のリスクが高まる。予防には、のどの筋肉を鍛えることが大事」とアドバイス。


教えてくれたのは
きゆな耳鼻科
沖縄ボイスクリニック
院長 喜友名朝則さん

 

急がずよくかむ のどの筋力維持

誤嚥性肺炎のリスクに
飲み込む力は50歳前後から少しずつ衰えていくという。飲食物や唾液がのどを通過する時、のどの筋肉(喉頭挙上筋)が喉頭(気管の入り口)を引き上げることによって、気管と食道の分岐点にある喉頭蓋が気管にふたをする=図2参照。これらの動きによって食べ物などが気管に入り込むことを防いでいる。喜友名朝則医師は「加齢と共に喉頭は下がり、のどの筋力は衰えていく。さらにのどの感覚も低下して反応が鈍くなる。そうなると、喉頭が上りにくくなって喉頭蓋がタイミング良く閉まらず、食べ物などが誤って気管に入る誤嚥のリスクが高まる」と説明する。また、飲み込む時、気管の入り口にある声帯が閉まり、肺に異物が入り込むのを防ぐ動きをするが、声帯の筋肉も衰えると閉まりが悪くなる。

嚥下(えんげ)障害のリスクについて喜友名医師は「誤嚥によって食べ物や唾液に含まれた細菌が肺に入り込むことで起こる誤嚥性肺炎のリスクが高まる。日本人の死因の6位は誤嚥性肺炎といわれている。気管に食べ物などを詰まらせる窒息のリスクも高まる。特に餅のように粘着性が高い食べ物には注意。餅による高齢者の窒息事故は年末年始に多いといわれている」と指摘。また、飲み込みにくいと次第に食事をすることに疲れてしまい、食が細くなっていく。体重が減り低栄養になり、フレイルにつながる。

嚥下障害の兆候として、食事中にむせたり、咳き込んだりすることが多いことなどが挙げられる=図1参照。「ただし、気管に食べ物などが入った時に、むせたり咳き込んだりして吐き出そうとする力(喀出力)も加齢と共に衰えていくので、むせることなく誤嚥してしまうケースもある。特に高齢者は自分では嚥下障害を自覚していないことも多いので家族が気をつけてみてほしい」。

図1.嚥下障害を疑う兆候

 加齢以外に嚥下障害の原因となる疾患の一例 
●口やのどなど嚥下に関わる器官に炎症や腫瘍があって飲み込みにくくなる器質的原因…舌炎・咽頭炎・食道炎や、舌がん・喉頭がん・食道がんなど
●嚥下に必要な神経や筋肉に障害が起こる機能的原因…脳卒中や脳腫瘍、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)など
●うつ病やストレスによる心理的原因…神経性食欲不振、ストレス性の胃潰瘍など

 図2.正常な嚥下と誤嚥 

食べ物などがのどを通過する時、のど(喉頭)が上がることで喉頭蓋が気管にふたをして、異物が入り込むのを防ぐ動きをする=左
加齢などによりのど(喉頭)が上がりにくくなることで喉頭蓋がタイミングよく閉まらず食べ物などが気管に誤って入ってしまう=右

 

トレーニングや発声で喉頭の筋力アップ
嚥下障害の予防について喜友名医師は、「日頃からのどの筋肉を鍛えることが大事。トレーニングとして『嚥下おでこ体操』や『シャキア・トレーニング』がある=下参照。人と話したり、歌を歌ったり、声に出して新聞などを読んだりして声を出すのもおすすめ。喉頭や声帯の筋肉が鍛えられるほか、肺活量がアップすることで、異物が気管に入った時に咳き込んで吐き出す力も向上が期待できる」とアドバイスする。

誤嚥を防ぐために食事の時に気を付けたいことは、食べ物を少量ずつ口に入れ、よくかんで、急がずにゆっくり食べることだという。「姿勢も大事。背筋を伸ばし、あごを引いて少しうつむき気味の姿勢で食べると、食道の入り口が広がりやすくなって食べ物が飲み込みやすい」

飲み込む力が弱くなっている高齢者は、汁物にとろみをつけるといいという。「汁物はさっとのどに流れこむので、飲み込む力が衰えると喉頭蓋が閉まるのが間に合わないことがあるため。また、よくかむためにも入れ歯は口に合ったものを使いましょう」。口内に食べかすなどが残って雑菌が繁殖すると唾液を誤嚥した時に誤嚥性肺炎のリスクが高まるので、口の中をきれいに保つことも大事だ。

嚥下障害は加齢以外にもさまざまな疾患が原因になっておこるという。「口やのどの炎症や脳卒中、うつ病やストレスによる心因性の疾患も要因。中にはのどや舌、食道のがんによって飲み込みが悪くなる人もいる。年のせいだからと放っておくと病気が進行するおそれがあるので、気になる兆候があれば検査をおすすめしたい」

図3.のどの筋肉を鍛えるトレーニング

 嚥下障害の予防のポイント 
 ①食事はよくかんで急がずゆっくりを意識して食べる 
 ②トレーニングや発声でのどの筋肉を鍛える 
 ③兆候を感じたら検査を

 

↓画像をクリックして「きゆな耳鼻科 沖縄ボイスクリニック」のホームページへ                

取材/池原拓
毎週木曜日発行「週刊ほ〜むぷらざ」続けてハッピー‼︎健康習慣⑨
第1950号 2024年12月19日紙面から掲載
 

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