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2024年11月14日更新
やってみよう!防災|何から始めた?普段のものにプラスし防災に
読者アンケートでも、リクエストの多かった「防災」。防災対策をやってみた主婦の座談会と、プロが勧める、すぐできる対策を紹介します。できることから、防災対策を始めませんか。
何から始めた?
普段のものにプラスし防災に
今年から、防災対策に取り組み始めた沖縄友の会のメンバー。何からスタートした? やってみて感じたことは? 高尾勝子さん(70)、平良純子さん(73)、宮里明日香さん(54)、伊波牧子さん(68)が防災について話した。
いざという時、心の備えに
写真右から高尾さん、平良さん、宮里さん、伊波さん
Q 防災に取り組むようになったきっかけは?
高尾 4月3日の台湾花蓮地震で、石垣のメンバーから、「避難時に携帯していたようかんを食べると、少し落ち着いた」と聞き、備えを始めました。まずは普段の持ち物にプラスして持ち歩く「防災ポーチ」をやってみようと。救急グッズや携帯トイレ、保険証のコピーなどを入れています。
宮里 4月の地震で津波警報があり、高台にある実家に逃げたんです。保育園児が集団で避難しているのを見て、本当に災害は起きるんだとドキドキしました。
ただ、防災対策になかなか取り組めず。バッグをどうしよう、何を入れようと、2〜3カ月悩んで。進んだきっかけは、韓国旅行です。薬や袋など、旅行でポーチに入れるものが防災につながる、と気付きました。
伊波 今年1月に会で地震が話題になり、リュックに必要なものを入れて非常用持ち出し袋を用意しました。裁縫セットや救急セットなど普段使っている物に、ホイッスルや軍手などを加えました。
平良 家にある袋に、防災に使えそうな物を入れています。余っていたプラスチックのフォーク、入院用に買って使わなかったドライシャンプー。意識すると、家の中に意外と防災につながるものがあるなと気付き
ました。
ツナ缶やポーク缶、魚肉ソーセージなど、普段使う食材も、備えになりますね。
Q 他に、どんな備えをしていますか。
宮里 ポリ袋調理※1と浸水パスタを作ってみたんです。最初は失敗したのですが、3回すると抵抗がなくなりました。
ポリ袋調理でご飯やおかず、豚汁など5品を作り、家族にも好評でした。まずはご飯が炊けると安心につながる。浸水パスタは、90分浸水させたパスタを水から入れて沸騰後1分加熱で完成。手軽で、お弁当のおかずにも重宝しています。
平良 やってみないと分からないわよね。この前ドライシャンプーを数人で使ってみたんです。シートタイプで最初は髪の表面をふいていたのですが、何回かに分けて地肌を拭くとスッキリする、と気付きました。
高尾 毎月1日と15日に無料でできる「災害用伝言ダイヤル(171)」を使ってみたのですが、うまくいかず、また試そうと思っています。携帯トイレを使った知人も練習は必要かも、と話していました。
伊波 情報も大事ですよね。県内で発行された無料の「減災・防災ガイドブック」=(一社)沖縄県建設業協会・(一社)沖縄県建設産業団体連合会発行=は、県内に特化した情報がまとめられていて、メンバーと共有しました。
高尾 前述の石垣のメンバーが、備えていたことが落ち着きにつながった、と話していました。「災害が起きたときに落ち着いて行動できる人は10%、取り乱す人が15%、75%はショックであぜんとする」と言われているそうです※2。
100%でなくても備えておくことで、いざという時、少しでも早めに動き出せたらいいなと思います。
※1材料と調味料を入れて湯煎で加熱
※2財務省、ファイナンスより
メンバーの備え 写真は友の会提供
非常用持ち出し袋に普段のもの
非常用持ち出し袋は、すべて買いそろえるのではなく、普段使っているもの(裁縫セットや着替えなど)も使用。
防災ポーチは自分仕様に
防災ポーチには、湿布や常備薬を入れたり、気持ちを落ち着けるにおい香を入れたり。自分仕様にアレンジしている。
ポリ袋調理に鍋帽子
ポリ袋調理=上=は、鍋帽子=下(鍋を包み保温。毛布やタオルでも可)=を併用し、調理時間やガスの節約につなげた。
友の会は、会員が家事や家計などを学び合う集まり。11月16日(土)10時〜13時半、那覇バプテスト教会(西原町)で「暮らしのフェスタ」を開く。防災や家計の講習会、友愛セールなど。資料代300円、家族券400円。
電話=090(1947)1292(担当:平良)
取材/栄野川里奈子
『週刊ほ〜むぷらざ』やってみよう!防災
第1945号 2024年11月14日掲載