毎日レシピ
2023年6月29日更新
[沖縄・レシピ]月経周期を整えよう|周期が早いタイプはヨモギ、卵を|うちなーむんでクスイムン⑤
[文・写真/宮國由紀江]
今回は「月経の周期を整える」がテーマです。中医学では正常な月経周期を28日と考えます。月経周期が遅いタイプ(35日以上)にはレバー、早いタイプ(21日以内)にはヨモギや卵がオススメです!
周期が遅い場合はレバー
女性なら誰もが経験する、と思われがちな月経不順。しかし月経の乱れは、体内の気や血の不足、流れの滞りと深く関係していて、体内のさまざまな不調によって引き起こされることが多いのです。また、月経周期はデリケートで、ストレスや睡眠不足、生活の変化などでも乱れます。
月経は女性の体内で起きている症状のサインでもあり、健康や美しさの基本となる大切なことです。安定した月経を迎えるためにも、普段の生活や食事管理はとても大切です。
中医学では、正常な周期は28日が基本と考えます。理想は24日~30日です。
28日よりも1週間以上周期が早い(21日より短い)ことを中医学では「先周期」と言い、周期が1週間以上遅れることを「月経後期」と言います。遅かったり、早かったりと安定しない(月経前後不定期)状態が3周期以上続く場合は、「月経不順」と考えます。
月経不順にはいくつかタイプがありますが、今回は二つのタイプとその対策を取り上げます。
早い周期は気が不足
【気不足タイプ】先周期(月経周期が21日以内)。
月経の状態は、サラサラで色は薄い。普段は疲れやすく、めまいや食欲不振があり、軟便気味。おなかが冷える。不正出血やダラダラ出血が続く症状などがあります。
このタイプは気(エネルギー)が不足していると考えられます。気には、血や津液(水)を体にためておく働きがあります。そのため、気が不足するとその力が足りなくなり生理が早まってしまいます。
この場合は、消化器官である「脾」(胃腸)を丈夫にすることで、食べ物の消化吸収力が高まり、気を増やすことができます。
オススメのウチナームンは、鶏の卵とヨモギです。卵は、胃腸を丈夫にし、血を補います。精神安定や産後の不調にお勧めです。ヨモギには、経絡(気や血の通り道)を温め、血の巡りを正常に戻す力があります。止血につながり、産後の出血にも効果があると言われています。二つの食材を組み合わせて月経先周期をケアしましょう。
他に気を増やす食材に、米・サツマイモ・山芋・ジャガイモ・大豆・枝豆・鶏肉、血を増やす食材にマグロ・ニンジン・キクラゲなどがあります。
遅い周期は血の不足
【血不足タイプ】月経後期(月経周期が35日以上)。
月経の状態は、量が少なくサラサラで色が薄い。普段は顔色が悪く、青白い。めまいや眼精疲労、動悸(どうき)、不眠が起きやすい。髪の毛が抜けやすい、白髪がある。
月経の基本となる「血」が不足すると月経が少なくなる原因になります。中医学では五臓の一つ、「肝」に血が蓄えられていて、一定の速度で子宮に移動させ、28日頃になると子宮からあふれて生理が始まると考えられています。その肝に血の蓄えが不足すると、周期が遅れると考えます。
オススメのウチナームンは、レバーです。薬膳には「以臓補臓」と言って、動植物の似た部分を食べることで体の弱い部分を補う、という考え方があります。レバーを食べると人の肝臓を補う、とされています。肝に血が蓄えられると、月経周期が正常に戻りやすくなります。レバーは、眼精疲労にもオススメです
血を補う食材としてオススメなのは、アサリ・黒豆・パセリ・ホウレン草・クワの実・イカ・イワシ・牡蠣(カキ)・カツオ・マグロ・ヒジキ・タコなどです。
\月経周期が早いタイプに/
ヨモギ入り炊き込みご飯+卵のせ
●材料
米…2合(360ml)
かつおだし…100ml
黒米…大さじ3
しょうゆ…大さじ1
かつおだし…360ml
みりん…大さじ1
マグロ…200g
キクラゲ(乾燥)…5g
ニンジン…50g
ヨモギ…適量
ゆで卵…1個
●作り方
1.米を洗い水気をきる。
2.マグロを2cm角にカットする。
3.水で戻したキクラゲ、ニンジンを5mm程度にカットする。
4.フライパンに油を熱し、2と3を炒める。
5.4にかつおだし100mlを入れて煮込む。
6.5にしょうゆ、みりんを入れて味を調える。
7.6のだしがなくなるまで煮込む。
8.鍋に1の米と黒米、7の具材、かつおだし360mlを入れて炊き込む。
9.炊きあがったご飯にヨモギを入れて、ゆで卵を載せてできあがり。
●レシピのポイント!
月経周期が早いのは、エネルギー不足だと考えられます。エネルギーを増やすためには、お米をしっかり取ること! 血を増やすマグロやニンジン、キクラゲ、血を補い巡らせるヨモギ入りの炊き込みご飯で、血もエネルギーもチャージしましょう。
\月経周期が遅いタイプに/
豚レバーと豚肉のハンバーグ
●材料(2人分)
豚レバー…200g
豚肉ミンチ…100g
パセリ…10g
玉ネギ…1個
キクラゲ…10g
卵…1個
パン粉…50g
塩…小さじ1
ニンニク…1かけ
クミンパウダー…大さじ1
油…適量
●作り方
1・豚レバーを細かく包丁でたたく
2・パセリ・キクラゲ・玉ネギ・ニンニクをみじん切りする。
3・ボウルに1、2、すべての食材を入れこねる。
4・フライパンを熱し3を小判型にして焼く。
●レシピのポイント!
月経の遅れには血が不足していると考えられるため、血を増やす食材を取り入れることが大切です。レバーの中でも豚は鶏よりも鉄の吸収率が高いので、ぜひ取っていただきたい食材です。血を増やす豚肉を組み合わせることで、さらに効果がアップします。
ハンバーグにすることでレバー特有の臭みが気にならず、「子どもでも食べられるね~」と言ってもらえるレシピです。
レシピで使用しているパセリには血を補って巡らせる作用があり、女性にオススメの食材です。普段食べる機会は少ないと思いますが、ハンバーグやレバーペーストに混ぜたり、肉料理に取り入れたりしてみてください。
宮國由紀江。琉球薬膳料理研究家。国際中医薬膳師。栄養士。薬膳琉花代表講師
毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざ
「第1873号 2023年6月29日紙面から掲載」