美と健康へ導くアーユルヴェーダ[彩職賢美リターンズ]|fun okinawa~ほーむぷらざ~

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2023年5月11日更新

美と健康へ導くアーユルヴェーダ[彩職賢美リターンズ]

インドの伝承医学「アーユルヴェーダ」を通して、心身を健やかに、美しく整えるサポートをする知念伽央梨さん(53)。「先人の知恵で、赤ちゃんから高齢者までが、人生をいきいきと楽しむお手伝いができる。アーユルヴェーダをお伝えできることに、感謝と誇りを感じています」。4月に書籍も出版し、新たな挑戦を楽しむ。

株式会社i–PLANA(アイプラーナ)代表取締役
知念伽央梨さん


インド×琉球で日々楽しく探究

幸せの形は人それぞれですが、誰もが共通して望むのは、心と体が健康であること。私が15年来学び、実践しているアーユルヴェーダは、世界最古の伝統医学。生まれてから亡くなるまで、全ての人が健康に暮らすための知恵が詰まっています。実は、インドと沖縄は緯度がほぼ同じ。似た植物も多く、多くの共通点を感じています。自然との調和を大切にするアーユルヴェーダを学び、沖縄の食や伝統工芸への関心も深まりました。インドと琉球、二つの伝統が私の暮らしと仕事の軸になっています。


亡父への思い胸に
伝えることに誇り


アーユルヴェーダとの出合いは、父を亡くしたことがきっかけ。その前に、セラピストとして経験を積み、1995年に独立。3人の子どもを育てながら、県内のホテルでスパサロンを経営していました。病床の父に付き添う中で、心身のケアが必要と感じましたが、何もしてあげられず。その後悔から、病気の予防や健康維持、痛みや不安を和らげるケアに役立つ方法を探し求め、アーユルヴェーダにたどり着きました。

日本アーユルヴェーダ・スクール校長のクリシュナU・K氏のもとで学び、ストレスケアや心身のメンテナンスに役立つトリートメントをスパで提供。伝統的な手法を大切にしながら芳香療法を組み込んだ、独自のトリートメントも考案しました。また、ホテルと協力して、沖縄食材を使ったアーユルヴェーダ料理も提案。お客さまから好評を得始めた時期に「彩職賢美」で取り上げていただき、アーユルヴェーダを知っていただく機会になりました。

アーユルヴェーダを暮らしに取り入れて、心身のメンテナンスに活用してほしい。そんな思いから、スクール事業も開始。暮らしで実践している人は女性でも男性でも変化が目に見えて分かります。見た目も気持ちも若々しく、健康的に。「『最近、楽しそうだね』と言われるようになりました」と喜ぶ受講生の声が、うれしい。この学問に出合えたこと、伝えていけることに感謝と誇りを感じています。


セラピストも育成
学びと実践を本に


スクールでは、アーユルヴェーダの基礎講座、仕事で生かせるセラピスト講座、ヘナセラピスト養成講座があり、卒業生は100人ほど。スクールで理論や技術を学んだ後、セラピストとして仕事がしたいという方は、私が経営するホテルスパで勤めてもらうようにしています。

アーユルヴェーダの施術は独特で、じっくり経験を積むことが大切。私自身、模索しながらスパ経営を始め、忙し過ぎて体調を崩してしまったことも。独立・開業は簡単ではありません。細やかな接客や技術が求められるホテルスパで、ベテランセラピストと組んで経験と学びを深め、独立への自信を付けてもらい、心も経済も潤うサポートができればと思っています。

今月で83回を迎えた週刊ほ~むぷらざでの連載を機に、医療系専門学校で講座を担当。今年は、ぐしかわ看護専門学校で授業をさせていただくことになりました。「健康でリラックスした状態で国家試験に臨めるよう、学生のセルフケアに生かしたい」という学長の思いに感激。食の大切さも交え総合的に実践しやすい形でお伝えしたい。そう思い、これまでの学びと実践をまとめた、書籍を出版するきっかけになりました。


深まる家族の絆
足元の伝統大切に


本を執筆中の昨年10月、入院していた母が亡くなりました。自宅でみとった最期の数日、アーユルヴェーダのオイルケアで、母に大きな変化がありました。顔色が良くなって目には力と輝きが戻り、会話もできるように。父にできなかったことを、母にはやってあげることができた。母が喜んでくれたことが、何よりうれしかった。介護される側にとって心地よく、介護する側も負担がないケアが、アーユルヴェーダならできる。思いやりの学問であることを、改めて実感した出来事で、実践したケアと思いを、本に書き残しました。

アーユルヴェーダのおかげで、沖縄の自然、伝統的な食、工芸などの魅力にも気づくことができました。住んでいる人に力を与えるのは、その土地のモノ。5年前から学んでいる琉球料理がきっかけで、琉球漆器に魅了されました。木の手触りがよく、朱や黒塗りの深い色が美しい琉球漆器で、料理を食した時の感覚がたまらなく気持ちいい。自分で漆器を作っておもてなしをしたくて、4月から県高度工芸技術者養成研修で、漆芸を学び始めたところです。沖縄の伝統をもっと深く知り、人生を楽しむための知恵として伝えていくのも、私の役目だと感じています。

インドと沖縄、二つの伝統を通して、沖縄の皆さんの美と健康、楽しく輝く人生を応援していきます。



アーユルヴェーダを子どもの生きる力に

暮らしの随所にアーユルヴェーダの知恵を取り入れている知念さん。その一例が、孫に行ったベビーマッサージだ。「インドでは、おばあちゃんが孫にマッサージをするのが習わし。ベビーマッサージをしてあげると、孫は気持ちよさそうで。今年生まれる2人目の孫に、マッサージをしてあげるのが楽しみ」とにっこり。4月20日に発売した著書「しあわせの智慧(ちえ) アーユルヴェーダ」=写真=には、自身の実践例と共に心と体を健やかに、美しく整える先人の知恵が詰まっている。また「アーユルヴェーダは、子どもの心身の健やかな成長も手助けする」とも。受講生の中には、自身が経営する保育園でアーユルヴェーダを取り入れる計画をしている人もいるそう。


知念さんのハッピーの種

Q.休日の楽しみは?
畑仕事です。130坪の土地を借りて畑を始めて1年。日焼けや虫刺されよりも、楽しさが数百倍! ヒハツモドキやニンニク、ラッキョウ、ハンダマに島ニンジンなど、季節に合わせていろいろな野菜を植えて、何が土地に合うかを探しています。




知念 伽央梨さん
株式会社i–PLANA代表取締役

[プロフィル]1970年、うるま市出身。大学卒業後、コンピューターや美容関連会社、サロン勤務を経て、95年に自宅サロンを開業。2002年からホテル内スパを展開する。アーユルヴェーダをクリシュナU.K氏に師事。アーユルヴェーダスパ&スクール主宰。沖縄県琉球料理伝承人

 


初登場の紙面(2011年7月21日号に掲載)


撮影/比嘉秀明 文/比嘉千賀子(ライター)
『週刊ほ〜むぷらざ』彩職賢美リターンズ<22>
第1866号 2023年5月11日掲載

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