出産・子育て
2023年4月20日更新
おっぱいのトラブルと対処方法について|はじめての育児④
文・島袋 史
初めての子育ては不安がいっぱい! そんなパパとママに向け、「ゆいクリニック」院長の島袋史さんが、赤ちゃんのお世話の基本をレクチャー。4回目は、おっぱいのトラブルと対処方法について。
[おっぱいのトラブルと対処方法について]
授乳中は、いつでもおっぱいのトラブルが起こる可能性があります。特に最初の1カ月は、乳首に傷が出来たり、おっぱいの量が少なかったり、逆に多過ぎたり、おっぱいが痛くなったりなど、さまざまなトラブルが起こりえます。今回は特に乳腺炎について紹介します。
乳腺炎には休息が大切
乳腺炎とは、乳腺の炎症で、乳房の腫れ、痛み、赤み、熱感、発熱、悪寒、関節痛、身体のだるさなどの症状を引き起こします。母乳の味が変化して赤ちゃんが飲まなくなったりすることもあります。そんな症状が出たときの対処法は以下の通りです。
●母乳を排出する:母乳を乳房からとりさる(おっぱいをしぼるもしくはしっかりと授乳して赤ちゃんに飲んでもらう)ことで、炎症を起こしている原因となる乳汁の詰まりを解消します。
●休息:十分な睡眠や休息をとり、ストレスを軽くすることがとても大切です。
●湿布:熱感や痛みのある乳房を冷やしてあげることは、効果的です。氷で冷やすと、冷たく冷やし過ぎるので、生のキャベツの葉で湿布をするのもおすすめ。逆に、温かい湿布の方が心地よければ、ホットタオルなども良いです。
●乳房ケア:まずはセルフケアが大切ですが、それでもうまく行かない場合には、母乳外来や助産院などで乳房ケアをしてもらうことも効果的です。
自分でできる乳房ケアについて紹介します
❶:親指と人さし指を乳輪の外側に置きます。
❷:親指と人さし指を寄せ合うように1秒に2回程度の速さで痛くない強さで動かします。
❸:乳輪がやわらかくなってきたら2本の指を乳頭の付け根に移動し=下イラスト参照=1秒に1回の速さで動かし母乳を排出します。滞っている乳房の場所を少し圧迫しながら行うと排出しやすいこともあります。
ゆいクリニックでは、「BSケア」という赤ちゃんの母乳吸啜(きゅうてつ)メカニズムに倣って手を動かす痛くないケアを行っています。母乳外来は当院でお産された方だけでなく、他院出産の方も受診可能です。おっぱいが足りない心配やおっぱいの痛みがあったり、うまく飲ませられないなどおっぱいのトラブルや、おっぱいケアが必要な方はお気軽にご相談ください。 おっぱいを増やす方法として頻回授乳する、栄養をしっかりとる、休息することが大切です。乳腺炎の原因としてストレスが関係するので、育児サポートをお願いして、お母さんが休息をとれるようにすることはとても大切です。
URL
https://www.youtube.com/watch?v=WaDCWwTYVc8&autoplay=1
Global Health Media Projectから母乳育児に関するビデオ(乳首が痛いとき・おっぱいが痛いときの対処法)がyoutubeで紹介されています。分かりやすい日本語の翻訳付きなので、チェックしてみて!
URL
https://www.youtube.com/watch?v=cgdss0kPdJQ
https://www.youtube.com/watch?v=hHIxt1QsHxY
院長 産婦人科 島袋 史さん(左)、理事長 小児科医 島袋 忠雄さん
2011年に開院した沖縄市登川の産婦人科ゆいクリニック。自宅のようにリラックスできる空間を目指し、建物には木材を豊富に使用。妊婦への食事には添加物を使わないなど「体に良いと分かったことはどんどん取り入れている」と院長の島袋史さん(52)。お産を通し母親として一人の女性としての成長をサポートする。
〈問い合わせ先〉
産婦人科 ゆいクリニック
TEL098-989-3801
沖縄市登川2444番地3
https://r.qrqrq.com/wuFnMal6
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『週刊ほ〜むぷらざ』はじめての育児
第1863号 2023年4月20日掲載