血糖値は何を測っているの？

血糖値が高いと糖尿病と診断されるので、気にしているという人が多いのでは。この血糖値は血液の中の何を測定しているのかご存じでしょうか？　お菓子やジュースに含まれる糖分を取ると血糖値は上昇します。お米やパンなどの炭水化物を取ってもそう。お菓子やジュース、お米、パンは違うものなのに「なぜ血糖値が上がるの」と疑問に思ったことはありませんか？　実は、血糖値は血液中のブドウ糖を測定しているのです。ブドウ糖はいろいろなものに含まれています。例えば、お菓子に使われている砂糖、お米やパンなどの炭水化物を分解するとブドウ糖になります。「炭水化物と砂糖は違う」と思っても、分解すると同じブドウ糖が含まれているため、砂糖を取っても炭水化物を食べても血糖値が上昇するのです。

「血糖値が上昇する」と話しましたが、実は上昇しない人がいます。それは、健康な人です。健康な人は、お菓子を食べてもほんの少ししか血糖値は上昇しません。逆に、糖尿病の人は少しのお菓子を食べても血糖値が大きく上昇してしまいます。それで、糖尿病の人はお菓子を控えると血糖値がよくなるのです。よくなると言っても程度があって、人それぞれなのでご注意ください。

糖尿病は簡単に言うと血糖値が高くなる病気です。糖尿病の人は、ブドウ糖を取れば取るほど血糖値が上昇します。裏を返せば、ブドウ糖を少なく取れば血糖値の上昇は小さくなります。ブドウ糖の量をコントロールすれば、飲んでいる薬の個数やインスリンの注射量を減らせるわけです。うまくコントロールして適度なブドウ糖の摂取をしましょう。注意してほしいのが、自らの判断でインスリン注射をやめること。糖尿病による急性合併症の一つで、ケトアシドーシスという危険な状態に陥ることもあるので、主治医と相談せずにインスリン注射をやめないでください。


あだにや・のりあき。糖尿病や生活習慣病の改善を専門とするゆいゆい内科クリニック院長。自身も糖質コントロールで２０キロ痩せた。著書に「沖縄の医師が教える糖質コントロール健康法」など
 

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「第1837号 2022年10月20日紙面から掲載」