美しく
2022年6月16日更新
[沖縄]話そう!女性のカラダのコト⑭|検診
女性のヘルスケアについて、婦人科ドクターの高宮城直子さんと、友人の医学博士、エリセーバ・オリガさんが、女子会トークでレクチャー。今月は子宮頸がん検診をはじめとする検診をテーマに、お二人の経験談とあわせて紹介します。
あなたに必要な検診受けてますか?
直子 新年度に入り、市町村から子宮頸がん検診の受診券が届き始めてる。今回は2023年3月31日時点で20歳以上の偶数年の女性が対象。補助があるのは2年に1回、年齢によっては申し込み制のところもある。
オリガ 受診券は自分のかかりつけ医でも使えるの?
直子 使えるのは市町村指定の医療機関か集団検診で、自己負担の割合や期限はそれぞれ。職場で健診を受ける人も、そこが指定機関なら受診券が使えるみたいだから確認してみて。
オリガ 外国はみんな自分で予約して自費で受けてる。すべてが自己責任だから、検診は当たり前なんだよね。
直子 子宮頸がんは自覚症状が出たら進行してる。早期発見かワクチンを
オリガ 検査・検診は人任せにしないで。自分に何が必要か自分で把握して
直子 子宮頸がんの検診率は欧米7~8割に対し日本は4割余(2013年国民生活基礎調査)。県内医師の報告だと沖縄は罹患率・死亡率とも人口比で全国ワースト。一番かかりやすい30~40代の検診率が低いのよね。
そもそも子宮がんには、子宮の奥にできる子宮体がんと、入り口にできる子宮頸がんがある。子宮頸がんは出血など自覚症状が出たらかなり進行していることが多いから、検診で早期に発見するかワクチンで予防する必要があるんだよね。
オリガ 更年期や不妊で婦人科に通ってると、保険で検査を受けられたりするの?
直子 症状がなければ自費だし、治療範囲外の検査は案内されないことも。
オリガ 検査・検診は人任せにせず、必要なものを適正な間隔で受けているか、自分で確認した方がいいね。
直子 特にパートタイム勤務は職場健診もないし、夫の扶養に入っていても受けていないことも多いからね。
20歳になったらぜひ始めたいのが子宮頸がん検診。市町村の乳がん検診は40歳からだけど、家族に罹患者がいるなら乳腺外来で早めに受け始めた方がいい。胃がん・大腸がん検診は男女とも40歳になったら始めて。
健康診断の血液検査にも、糖尿病や脂質代謝異常(コレステロールや中性脂肪)、肝臓や腎臓の状態をみる項目があって、生活習慣病のリスクが分かる。そのほか、貧血が分かるヘモグロビン値の項目がなければ貧血検査を、閉経後は骨粗しょう症になりやすいから骨密度検査も受けた方がいいね。
オリガ 私は職場検診とかかりつけ医で受けてる。友だちと一緒に検診もネイルも予約して、そのあとランチもいいね。一人だと心細いし、おっくうになるから。
直子 楽しいこととセットにするのはいいね。あと今年から子宮頸がんワクチンも積極的勧奨が再開してる。
オリガ 世界は2010年から導入が進んでる。がん免疫研究者の立場から見ても、医療は進歩してるとはいえ治療は大変。ワクチンや検診に感謝して、みんなで楽しく受けましょう!
たかみやぎなおこ/Naoko女性クリニック院長。Naoko美と健康のサロン代表。1961年、長崎県生まれ。佐賀医大(現佐賀大医学部)卒業後、87年に来県。琉大医学部附属病院や県内の公立、個人病院等で産婦人科医として勤務後、開業。1女2男の母。産婦人科専門医、女性ヘルスケア専門医、更年期に関するメノポーズカウンセラー
えりせーばおりが/沖縄科学技術大学院大学(OIST)アクセラレーター プロジェクトリーダー。1971年ベラルーシ出身。同国立医科大学卒業後、国立血液研究所医師をへて96年来日。大阪大学医学博士課程修了後、OIST、理化学研究所で癌免疫研究。自身の更年期を機に女性のための癒やしと気づきのリトリートプログラム開始
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『週刊ほ〜むぷらざ』話そう! 女性のカラダのコト
『週刊ほ〜むぷらざ』話そう! 女性のカラダのコト⑭
第1819号 2022年6月16日掲載