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2022年6月9日更新

[沖縄・マネー術]医療保険は必要か|女性のイマドキ!マネー術[39]

文・岡田有里(ファイナンシャルプランナー)

医療保険は必要か

自分のリスク分析して判断

医療保険は必要? 不要? これはFPにとっても難しい質問ですが、みなさんはどう思いますか? 「備えがないよりは入っておけば安心」という気持ちが先行して、現在の契約状況に至っている方が多いのではないでしょうか。今回は医療保険やがん保険に関して、考え方や加入の必要性を考えてみようと思います。

出費や損失は症状、職業、年齢によって度合いが変わりますが、病気の前後に出現する(1)(2)(3)の経済負担を助けることが医療保険の役割と言えます。がん保険も同様ですが、がんは再発の可能性を含めて5年、10年と経過を見守る病気なので、発病直後は病気と治療費の心配が大きく、2年目以降は仕事や将来への蓄えに対する不安など悩みの種類が変わっていくのが特徴です。

がん保険に入る理由は治療に専念するために悩みが(1)→(2)→(3)と変化しても、お金の心配をできるだけ解消しておくためだと筆者は考えます。ちなみに、筆者自身は子育てと住宅ローン返済が終わるまでをめどと考えて医療保険とがん保険を組み合わせて(1)(2)(3)のリスク対策をしています。



医療保険は不要か?

「医療保険は不要」という意見の根拠は公的医療保険や高額療養費制度を使えば貯金で備えられるレベルの金額だとする考え方で、医療保険の役割を(1)だけとした判断です。この意見が正解、不正解というよりも、保険の役割を(2)の収入や(3)貯蓄の減少まで広げることで「医療保険は必要?不要?」の考え方が変わるケースがあるのではないかと筆者は考えます。

というのも、個人条件(職業、資産、家族)によって(2)と(3)のニーズは大きく変わります。特に役割(2)は会社員か自営業なのか、独身か既婚かによってもニーズが違うので、すべての人に「これが正解」という答えを導くのは難しいのです。単純に必要・不要と決めるのではなく、自分自身が背負うリスクを分析して判断するようにしましょう。

資産運用と医療保険の検証

「保険をどうすべきか」という話題は資産形成の相談途中で常に登場する話題です。理由は家計における保険料(支出)のバランスを修正するために「必要な保険(保障)」と「不要な保険」を選別する作業が必要だからです。一般的に「保険の見直し」とは保険料を下げることだと思われがちですが、本来は必要な保障と手厚すぎる保障を見極めて適正な保障と保険料をその人に合った形に整えることです。適正な保険は資産形成計画を万一の事態から守る手段として必要なツールなのです。

老後はイメージしづらい

現役世代の目線では高額療養費制度の自己負担額は少額と感じられ「保険は不要」と考えがちですが、高齢期の目線で見ると世界が違って見えます。高齢期は医療利用の頻度が上がり、年金以外の収入を得るのが難しく、医療費で貯金が減ると再び増やすことが困難です。従って高齢期の経済負担の軽減も医療保険の大切な役割だと筆者は考えます。

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令和4年10月より75歳以上で200万円以上(夫婦合算で320万以上)の収入がある人は医療費の窓口負担割合が1割から2割へ引き上げられます。保険は人生終盤まで続く長い資金計画と自己防衛の一部であると考えて自分に合わせた保険選びをしていていきましょう。

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おかだ・ゆり/ファイナンシャルアライアンス(株)沖縄支店所属。外資系企業を経て沖縄へ。女性のマネー知識の底上げをライフワークに活動
『週刊ほ〜むぷらざ』女性のイマドキ!マネー術
第1818号 2022年6月9日掲載

この記事のキュレーター

キュレーター
岡田有里

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ファイナンシャルプランナー。ファイナンシャルアライアンス(株)沖縄支店所属。外資系企業に就職し海外勤務を経験し、2000年に沖縄へ。「私の未来に安心を!」をテーマに、女性のマネー知識の底上げをライフワークに活動。

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