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2022年4月7日更新

[沖縄・輝く女性を紹介]彩職賢美|株式会社 大田製靴店 取締役の大田ちかさん|整形靴で子ども笑顔に

病気やけがで市販の靴が履けないという方の足に合わせて作る「整形靴」。夫婦でその製作に携わり10年、私が主に子ども靴を担当しています。整形靴のデザインは、色や形など限られることが多いですが、「これしか履けない」ではなく、「これが履きたい」と思える靴作りを目指しています。靴を通して、子どもはもちろん、家族みんなの笑顔を引き出したい。

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機能・デザイン性備えた靴を

株式会社 大田製靴店 取締役
大田 ちかさん



依頼者の喜ぶ顔思い製作
保険適用による靴作りも


靴の修理やインソール、オーダーメード靴、病気やけがで市販の靴が履けない人のための整形靴の製作を行う大田製靴店。夫・守誠(もりまさ)さんと共に店を営むのが大田ちかさん(36)だ。「私は主に子ども向けの整形靴を担当。子どもたちの喜ぶ顔を想像しながら作ってています。一から作り上げ、その過程でイメージ通り形になっていくのが楽しい」と靴づくりの魅力を語る。

小児まひや、内反足(ないはんそく)といった先天性障がいによる足の機能的な問題、変形など、依頼の理由はさまざま。早い時期から足の矯正や機能を補うことで、「立つ・歩く」の手助けになり、将来的な生活の質の向上にもつながるため、特に子どもたちへの必要性を実感しているという。

機能性とデザイン性を兼ね備えた靴づくりをモットーにしている大田さん。製作の流れは、足の状態や体のバランスなどを確認し、足型の模型を作り、仮合わせとデザインの確認を経て、製作を開始。約1、2カ月の期間で仕上げる。特に重視しているのが製作前のカウンセリングだ。

「足の左右のサイズや形、状態、履き心地やデザイン性はもちろん、自分で靴を履くことができるか、できないかなど細かく確認するようにします。足に悩みがある本人はもちろん、サポートする人にとっても着脱しやすいかは大事な要素」と説明。依頼者に寄り添い、しっかりと話を聞くことが大事だと考えている。

「子どもの整形靴は、その子の気持ちや流行に合うようなカラー、デザインを取り入れるよう意識しています。整形靴というと、単色でマジックベルトが使われているものという印象が強く、そのイメージを変えたいんです」と話す。好みの色のラインや模様を入れたり、キラキラした素材をワンポイントで取り込んだりと、子どもが見て、履いて喜んでもらえるよう工夫を凝らしている。

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靴に関して悩みを持つ人へのアドバイスも。「いろいろな靴店を巡った末、こちらに来られる方も多いので、どうにかして解決策を見いだしてあげたいんです」と大田さん。依頼者が持参した靴の状態から、考えられるトラブルを伝え、その人に合った靴の選び方やインソール作りを勧めることも行う。

小さいころからモノ作りが大好きだったという大田さん。デザインの専門学校を2007年に卒業した後は、自動車メーカーに就職。車体の設計を任される中、「仕事は楽しいけれど、作ったモノに対しての反応が実感できないのを物足りなく感じるようになりました」という。

そんな中、一から自分の手で仕上げる靴作り講座に興味を持ち参加。
「そこには私が望む全てがあったんです」とハマっていった。さらに「自分が手掛けたモノで人の役に立ちたい」と兵庫県の整形靴技術者養成校に通い、技術を習得し、京都の老舗義肢装具会社に就職。整形靴の全工程を学んだ。養成校で出会った夫・守誠さんの故郷・沖縄に2017年、移住。義父が営む大田製靴店で夫と共に整形靴製作を始めた。

「整形靴は値段が張る。できる限り依頼者の負担を軽くしたい」と昨年から義肢装具士を採用し、医療と連携した靴作りが可能になった。治療上、整形靴が必要と医師が判断した場合、医療の一環として大田製靴店が製作を請け負い、費用は保険適用の対象となる。

県内では整形靴の認知度が低く、合わない靴を無理して履くしかないと諦めている人が多いという。「整形靴をもっと広めていくことがこれからの課題。また、病院のスタッフや保護者の方々に向けて、整形靴の重要性や靴選びの勉強会を開くなど、知識を共有できる場を設けたい」と意気込んでいる。



 大田さんに聞いた!
子どもの靴選びのポイント・注意点 
 


靴作りの専門家・大田さんに、これだけは押さえておきたい「子どもの靴選びのポイントや注意点」を教えてもらった。

(1) 捨て寸がある
必ずインソールを抜いて、足を置いた時に指先に1cm~0.7cmくらいの余裕(捨て寸)があるものを選ぶこと。また、指や爪を圧迫しないか、自分の指先の形と靴の形が合っているかをチェックする。


インソールを抜いて、足を置いて立ち、1cmほどの捨て寸があるかをチェック


(2) 靴下を履く

靴を履くときは摩擦などから足を保護するために必ず靴下を履くこと。また、小さめだったり大きめだったりと靴のサイズが合ってないと、爪に線が入ったり、割れたりすることがよくあるので、定期的に足の爪をチェックすること。


(3) お下がりの靴は避ける

子どもの足は半分近くが軟骨で、まだ、しっかりと形成されていない状態。そんな状態で、他の人が履いた靴を履くとダイレクトに影響を受ける。足の形や歩き方は人それぞれ違うため、他の人が履いた靴はその人のくせがついているもの。特に靴がふにゃふにゃだったり、靴底がすり減っていたりすると、足のゆがみや指の変形などトラブルの原因に。正しい成長を阻害する要因にもなるので要注意。


 機能引き出す素材選び  
大田製靴店
依頼者のさまざまな症状に合わせて製作する整形靴=写真。「デザインはもちろんですが、素材選びも大事。例えば、足を支える力が弱い方には、数種類の材料を使い分けて、靴に足を支える機能を持たせます。機能を最大限に生かせるよう全てはミリ単位で調整するので、全神経を集中します」と話す。

利用者からは、「上手に歩けるようになった」「子どもが喜ぶデザインがいい。愛を感じる」との喜びの声も。「子ども以上に喜ぶ親の声も届き、とても励みになります」と目を細める。


■大田製靴店 電話098・860・4192

大田製靴店 大田ちか
プロフィル
おおた・ちか
1985年、大阪府出身。大阪美術専門学校卒業後、自動車メーカーに就職し、車体の設計を担当。その後、興味から靴作りの講座に参加したのを機に、神戸医療福祉専門学校(整形靴科)に入学。卒業後、義肢・装具を製作する会社に就職。整形靴製作を担う。2016年、(一社)日本義肢協会の靴型装具製作者に認定。翌年、県出身の夫と共に沖縄に移住。夫の父が経営する大田製靴店で整形靴製作を開始する。一児の母。



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撮影/比嘉秀明 文/安里則哉
『週刊ほ〜むぷらざ』彩職賢美<1400>
第1809号 2022年4月7日掲載

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スタッフ
安里則哉

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編集者
日々、課題ばかりですが、取材ではできる限り、対象者の人間性が引き出せたらと思い、仕事に努めています。食べることが大好き。そのためダイエットにも力を入れたところですが、いまだ実現せず(笑)。

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