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2022年1月20日更新

[沖縄・輝く女性を紹介]彩職賢美リターンズ|スタジオ・カシータ チーフ 健康運動指導士の津波古浩乃さん|日常動作生かし楽しく介護予防

彩職賢美に出た人が再登場する「彩職賢美リターンズ」。25年以上にわたり、健康運動指導の第一線で活躍する津波古浩乃さん(57)。現在は、介護付き有料老人ホームで、独自の介護予防メソッドづくりに力を注ぐ。「日常生活の活動量をいかに増やすかが、健康づくりのカギ。1日でも長く、元気で暮らせるお手伝いができれば」。持ち前の明るさと軽妙なトークで、楽しく続けられる健康づくりを提案する。

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津波古浩乃さん スタジオ・カシータ チーフ 健康運動指導士


スタジオ・カシータ チーフ
健康運動指導士 
津波古 浩乃さん


運動指導はエンタメ!

私にとって健康運動指導士は、エンターテイナー。体を動かすことが楽しい、続けたいと思ってもらえるように、しゃべって、歌って、笑わせて。面白さの中にも学び、気づきのある指導を心掛けています。

運動は、特別に時間をとるものと思っている人は多いのではないでしょうか。でも、普段の立つ、座る、歩く動作や家事を少し工夫すれば、トレーニングになるんです。日常生活に視点を向けて、取り入れやすいエクササイズを提案するのが、私の得意なところ。日常生活の活動量を上げることが、健康づくりにつながります。


バスガイドから転身 ベビーから高齢者まで

高校卒業後に就いたバスガイドの仕事がハードで、体調を崩したことをきっかけに、健康づくりとして始めたのがエアロビクスでした。楽しくてのめり込み、インストラクターの資格を取得。23歳の時に、スポーツクラブのインストラクターに転職しました。

「受講者にいいものを提供したい」、「憧れてもらえる存在になりたい」と努力し、レッスンはとても好評でした。でも、長く通ってくれる受講者と話す中で、「個人のレベルに合わせて長く楽しめる指導がしたい。レッスンに通うなど、特別なことをしないと健康になれないのか?」という思いが湧き、フリーランスになりました。

安全で効果的な運動指導ができる専門家を目指し、健康運動指導士の資格を取得。ほーむぷらざではエクササイズの連載を始め、彩職賢美にも掲載してもらいました。

中高年層の健康づくりを中心に、自治体の健康教室をはじめ、講演会やCMの体操の監修など、仕事の幅は拡大。指導者育成も手掛け、カルチャースクールやスポーツクラブでは、妊活やマタニティー、ベビーとママのためのレッスンも開講。二人の子どもを育てる先輩として、ママたちの相談にも乗るなど、健やかに産み、育てるサポートにも力を注ぎました。

多い時には週20本以上のレッスンを抱え、フル稼働で運動指導。そんな中で掛かってきた1本の電話が、介護予防に取り組むきっかけです。介護付き有料老人ホームを経営する中学時代の先輩から「介護予防事業を始めたい。力を貸してほしい」というお話でした。50歳を前に心機一転、新しいチャレンジを決めました。


独自の介護予防提案 6年で3万人を指導

私たちが開発している介護予防メソッドは、日常生活の活動量を上げる提案が特徴。受託事業では、沖縄市で健康づくり教室、うるま市や嘉手納町で介護予防教室を開催。6年間で延べ3万人を指導しています。

介護予防教室では、なぜその運動が必要かを学び、理解し、正しい動きを習得してもらいます。例えばイスに座る姿勢。写真などを使った解説後、実際に自分で骨盤に触れて確認。さらに、日常で取り組める方法をお伝えします。見学に来た他市町村の担当者は、受講者が背筋をピンと伸ばして運動する様子を見て、よく驚かれます。

コロナ禍では、対面指導ができないことも。運動機能が低下しないよう、自宅で取り組むエクササイズシートを作成。実践を電話で個別に支援します。また、対面指導では十分に距離を取りつつ、コミュニケーション不足にならない工夫をしています。健康づくり教室では、運動や食事など日常生活を記録して、振り返ってもらいます。ちょっとした変化も褒め、気づきをコメントで返すことで受講者の皆さんの行動が変わり、結果につながっています。


ケアする人をケア 一日でも長く元気

施設では、入所者や通所者の運動指導を担います。入社当時は、体にまひがある人、車イスを利用している人への指導に大苦戦。体を動かしてもらうこと自体が難しく、見守る介護職員からは「イスからずり落ちてしまわないか心配」という声も挙がって。

しかし、動きのプロセスを見直し、指示の出し方を変更。職員が座り直しをサポートするなどの協力もあり、その人なりの動きが引き出せるように。職員にも「できないと思い込んで、手を貸し過ぎてしまっていたかも」と気づきが生まれ、安全に、温存された能力を生かす運動環境ができました。

会社のミッションの一つが「ケアする人をケアする」こと。家族のように接し、昼夜を通してお世話をする介護職員の健康サポートも私の大切な役目です。昨年は、健康診断の数値を改善したい、という幹部職員3人に運動指導。ランチ前15分の簡単な運動を1年継続したことで、体重減、検査数値の改善につながっています。

誰もが1日でも長く、元気に過ごせる暮らしをサポートする。それが私のライフワークです。



本紙で連載も お茶の間で人気

津波古浩乃さん ほ〜むぷらざ連載記事


かつては、本紙で15年にわたり、エクササイズの提案を連載=左。ラジオ番組にレギュラー出演していた時期も。当時は子育て真っ最中で、「子どもの習い事の送り迎えの合間に、車の中や教室の片隅を借りて、必死に手書きで原稿を書いていたさー」と笑う。

「健康運動指導士になった時の目標は、テレビで運動指導のコーナーを持つことでした」と津波古さん。2015年から、県内の朝の情報番組で週1回、体操コーナーを担当。津波古節とも言える軽妙で親しみやすい語り口と、分かりやすい解説で、お茶の間にファンは多い。「『いつも見てるよ』『運動、やってみたよ』という声が励みになっています」

コロナ禍では、エクササイズの動画配信にも挑戦。「コロナで社会環境は大きく変わりました。今だからこそ、運動指導の新しい可能性も提案していきたい」。明るく、前向きに、健康の大切さを伝える。

スタジオ・カシータ 電話098(975)3123




プロフィル
つはこ・ひろの
1964年生まれ、嘉手納町出身。県立読谷高校卒業後、観光バスガイドを経て、スポーツクラブのインストラクターに。主力メンバーとして10年活躍し、98年からフリー。2015年(株)トータルライフサポート研究所に入社。ウェルネス推進課課長。スタジオ・カシータを拠点に、介護予防を目的とした独自メソッドの分析、開発を行う。健康運動指導士

津波古浩乃さん初登場紙面
初登場の紙面(1999年6月24日号に掲載)

スタジオ・カシータ


撮影/比嘉秀明 文/比嘉千賀子(ライター)
『週刊ほ〜むぷらざ』彩職賢美リターンズ<16>
第1798号 2022年1月20日掲載

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この記事のキュレーター

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比嘉千賀子

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編集者
住まいと暮らしの情報紙「タイムス住宅新聞」元担当記者。猫好き、ロック好きな1児の母。「住まいから笑顔とHAPPYを広げたい!」主婦&母親としての視点を大切にしながら、沖縄での快適な住まいづくり、楽しい暮らしをサポートする情報を取材・発信しています。

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