[彩職賢美]承継の窓口+think cafe (プラスシンクカフェ)オーナーの仲田ゆかりさん|不動産と相続 気軽に相談|fun okinawa~ほーむぷらざ~

沖縄で暮らす・食べる
遊ぶ・キレイになる。
fun okinawa 〜ほーむぷらざ〜

沖縄の魅力|スマイリー矯正歯科

わたしらしく

彩職賢美

2021年2月18日更新

[彩職賢美]承継の窓口+think cafe (プラスシンクカフェ)オーナーの仲田ゆかりさん|不動産と相続 気軽に相談

不動産会社に勤めていた頃、男性主体で女性のお客さまがやりとりしづらい環境だと感じていました。相続や承継も、どこに相談すればいいか分からないという声が多く、もっと気軽に不動産のことを相談できる場を作りたくて、2017年にカフェをオープンしました。お客さまの思いや不安に寄り添い、不動産会社やご家族、専門家をつなぐお手伝いができればと思っています。

人と思いつなぐ場づくり

承継の窓口+think cafe(プラスシンクカフェ)
オーナー
仲田 ゆかり
 さん

間に立って心の距離埋める
手作り、ヘルシーにこだわり


母子家庭という理由だけで、アパートへの入居を断られてしまう。不動産会社の男性社員の対応が怖い。親の不動産を相続することになったのだけど、何からはじめればいいのか…。

不動産会社に十数年勤める中で、不動産にまつわる女性たちの不安や戸惑いの声を数多く聞いてきた。「女性オーナーやお客さまと、不動産会社の心の距離を縮める存在が必要なのでは」と思ったことが、相談型カフェの原点だ。宜野湾市にあるカフェでは、宅地建物取引士、相続診断士である仲田さんが直接、相談を受けるだけでなく、不動産相続やマネーの専門家を招いたセミナーも企画する。

思い立ったらすぐに行動するタイプ。自身の肌感覚を重視し、「お客さまに必要と思う情報があれば、充実したノウハウや考え方を提供できる講師を探して、まずは自分がセミナーを受講。お人柄やどんな提案をされているのかをじかに確認してから、ご依頼しています」

店内は、木目が基調の落ち着いた雰囲気。商談やパソコン作業をしたりと、ワークスペースとして利用するビジネスパーソンも多い。「こころとからだにやさしい」をコンセプトにした、ヘルシーなカフェメニューも人気。糖質は控えめで、揚げ物はなし。野菜とタンパク質たっぷりのランチや自家製スイーツをお目当てに、リピート客が訪れるため、「素材や味付けを少しずつ変えて、飽きずに食べていただけるように工夫しています」


29歳でホテル勤務から不動産会社に転職し、不動産の賃貸・管理に携わった。社員も物件オーナーも男性がほとんど。支店長になってからも、お客さんに「女じゃ話にならない」と一蹴されたことも。「クレーム対応が多く、負けちゃいけないと、毎日眉間にシワを寄せて仕事をしていました。いろいろな経験をさせてもらったので、精神的に鍛えられて、心臓に毛が生えました」と笑う。

その中で抱いた、不動産会社に敷居の高さや、不満を感じている女性たちの役に立ちたいという思い。40歳で長男を出産したことも、転機になった。

「管理職としての責任と、やらなければいけない業務に追われ、疲れ切っていました。自分のやりたいこと、楽しめることに時間を費やしたい」と退職。親交のあった(株)レキオスの宜保文雄社長の、「相続・事業承継を相談できる窓口を作りたい」、という思いを掛け合わせ、2017年、県内初の相続・事業承継相談カフェをオープンした。

より幅広い相談に対応できるよう、相続診断士やファイナンシャルプランナーの資格を取得。経験とネットワークを生かし、顧客と不動産会社、専門家をつなぐ橋渡し役として、カフェを拠点に活動する。昨年からは、県相続診断士会の副会長も務める。

「相続では、誰に、どこに相談すればいいのか、はじめの一歩が分からず、家族や親族でもめてから来られるケースが多い。相続を円滑に進めるためのアドバイス、道案内をするのが私たちの役目」。会員の学びと、連携の仕組みづくりに力を注ぐ。

楽しく働きながらも、「子どもとの時間は大切にしたい」と、カフェの営業時間は午後3時まで。「スタッフにもよく話すのですが、子どもの視野も広げるためには、母親自身が自立し、充実していることが大事だと考えています」

コロナ禍においては、新しい取り組みも始めた。予約制でのお弁当販売と、定休日や営業時間外に店舗そのものを貸し出す「二毛作カフェ」だ。「二毛作は、東京などで増えている飲食店の経営形態で、店舗を無駄なく活用できます。1月からサシグサを使ったおそば屋さんが、夜に営業を始めました。自分の店を持つ前準備としてここで経営の仕組みやお客さまをつかんで、自信をつけて羽ばたいていってほしい」とエールを送る。

幸せな未来を願い、人と思いをつなげる場づくりを楽しむ。


 円滑な相続を道案内する相続診断士会 
仲田さん提供

昨年から沖縄県相続診断士会(崎原敏子会長)の副会長を務める仲田さん。「会長から、盛り上げてほしいと言われ、参謀役ならとお引き受けしました」。定期的に勉強会を企画し、会員同士の情報交換と、知識・経験の共有を図っている=写真。

相続では、きょうだいの立場の違いから、取り分でもめる。実家が借地に建っていて、登記簿の記載と全く違っていたなど、さまざまなケースがある。「私たち診断士は、状況に応じて税理士や司法書士、行政書士、弁護士など、適切な専門家へおつなぎしますが、生前に資産の状況や分け方の方向性を決めておくことが、トラブルを回避するカギです」。

今後は、会主催の相続セミナーも開催していく予定だ。


 2日がかりで仕上げる自家製スイーツ 
仲田さん提供

リピーターが8割というプラスシンク カフェの魅力の一つが、ヘルシーな食事とスイーツ。

「スタッフは大変だと思いますが、お客さまに出すからには手間をかけて、しっかりした料理をというのが私の考え」と仲田さん。現在、力を入れているのが、自家製スイーツで、動物性脂肪分を使用しない「ヴィーガンチーズケーキ」=写真=は、2日かけて焼き上げる。大豆粉を使ったビスコッティなど新メニューの開発も進めている。

問い合わせ先 同カフェ098‐890‐3365

プロフィル
なかだ・ゆかり
1971年生まれ、浦添市出身。宜野湾高校を卒業後、県内ホテル勤務を経て29歳のときに不動産会社に転職。支店長まで務めて退職。2017年に「承継の窓口+think cafe」(プラスシンクカフェ)をオープンする。2020年から、県相続診断士会副会長を務める。宅地建物取引士、相続診断士、2級FP技能士、賃貸不動産経営管理士

今までの彩職賢美 一覧


撮影/比嘉秀明 文/比嘉千賀子(ライター)
『週刊ほ〜むぷらざ』彩職賢美<1377>
第1750号 2021年2月18日掲載

彩職賢美

タグから記事を探す

この記事のキュレーター

キュレーター
比嘉千賀子

これまでに書いた記事:25

編集者
住まいと暮らしの情報紙「タイムス住宅新聞」元担当記者。猫好き、ロック好きな1児の母。「住まいから笑顔とHAPPYを広げたい!」主婦&母親としての視点を大切にしながら、沖縄での快適な住まいづくり、楽しい暮らしをサポートする情報を取材・発信しています。

TOPへ戻る