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2020年10月8日更新

[彩職賢美]米琉住宅株式会社 代表取締役社長 石川政子  さん|「仕事が趣味」不動産業にまい進

外人住宅や自社が所有するアパートの賃貸管理を手掛ける不動産会社の社長になって4年。義父が創業し、夫が大きくした会社を守ることにプレッシャーはありますが、休みの日も仕事をするくらい仕事が楽しい。趣味も仕事です。長年同じ地域で事業を行えることに感謝し、今後も「借りてよかった」と言ってもらえるように頑張りたいです。

自社物件でニーズに応える

米琉住宅株式会社 代表取締役社長
石川 政子 さん

夫から継いだ会社を守り

「90歳まで社長として働くからよろしく」。明るく笑いながら周囲にそう伝える石川政子さん(71)。時にはジョークを交える軽快なトークは、初対面の相手との距離をあっという間に縮める。
義父が創業した不動産会社を継いだのは4年前。2代目の社長だった夫を亡くしたことがきっかけだった。「少しの迷いと不安はあったが、取引先とのやりとりなどを担当していたこともあり、覚悟を決めた」 

事業の中心は、創業当時に同社が建築した外人住宅や、自社で所有するアパートの賃貸管理。「外人住宅は今も人気。しかし、老朽化や、求められる部屋が変化し、アパートの建設を始めた」。自社所有のアパートは、入居者からの要望や自身が「あったらいいな」と思うことを反映。「ゴルフ用品などの大きくて重いものが保管しやすいよう、各入居者用に倉庫を設置したり、防犯性を高めるオートロックを採用するなど、ニーズに合った部屋作りができるのが自社物件の強み」だという。

「住みやすく、多くの人から求められる部屋を提供したい。『いい部屋だった。借りて良かった』と感謝されることが1番うれしい」。その喜びがやりがいでもある。
「夫が大きくした会社を守るのはプレッシャーもある」と語る一方、「休みの日も仕事をするくらい、仕事は楽しい。趣味も仕事。毎日充実している」とにっこり。5年前には、同社が所有する物件の清掃など営繕管理を行う子会社を設立。その代表も務めている。

朝は誰よりも早く出勤。昨年完成した自社ビルには社長室を作らなかった。「社長も従業員の一人。他の従業員と同じように机を並べて仕事をするから、コミュニケーションが取りやすい」
40年余り不動産業に携わり、自然と養われたのは人を見る目。「信用できる人かどうかを見抜く力も仕事では大切」。瞳の奥には力強さが感じられる。

常にチャレンジ

植物に触れることが好きで、過去には月に一度、県外の大学で学生にボランティアで生け花を指導。仲間とともに立ち上げた「いけ花草月桜会」では初代の会長を務めた。
地元宜野湾市大山の婦人会会長をやってほしいと声がかかったのは50代の頃。「婦人会活動は未経験。会員の皆さんから教わりながら、活動した。『地域を良くしよう』という会員の思いには頭が下がる。今年で創業61周年。この地で事業を続けられているのは地域の皆さんのおかげ」。そう感謝の思いを口にする。

女性社長が多いとはいえない県内の不動産業界。その分、県宅地建物取引業協会の女性部会での活動で「鍛えられた」と振り返る。「研修会や講演会で多くのことを学び、情報交換ができた。女性ということで見くびられ、悔しい思いをしたこともあったが、同じ業界で働く女性たちの意見を参考にして乗り越えた。女性の強さや賢さを知ったのもこの時」

建築や土木工事も請け負っていた頃には、雇用労務管理士、2級土木施工管理技士の資格を取得。さらに仕事に注力したいと、60代になって賃貸不動産経営管理士を取得した。「知識が増え、物件の借り手との契約時により細かな説明ができるようになった。年齢を理由に、挑戦することや働くことを諦めたくない。年を重ね、経験を積んだからこそできることもある」と考えている。

「まさか社長になるとは思わなかった。いろいろな人に出会い、さまざまな経験ができたことは私の財産。今後も賃貸事業を続け、70周年までに10棟目のアパートを完成させるのが目標」。いきいきとした表情からは、日々の充実と仕事を楽しむ様子がうかがえた。 


「労う姿勢を受け継ぐ」
石川さんと事務所で働く従業員の皆さん=下写真。従業員が各現場から事務所に戻ってくると、会食をしながらミーティングを行い、1日の業務の報告を受ける。「夫が従業員をねぎらう姿を見てきたからこれが当たり前。みんながいるから仕事ができる」と感謝の思いを表現する。


石川さんのパワーの種「楽しみは野菜の栽培」
「土いじりが好きで、一度始めるとつい熱中してしまう」と話す石川さん。自宅ではニガナやキュウリ、トマトなどの野菜を栽培している。「自分で食べるよりも、家族や友人、近隣の人におすそ分けをするのが好き。おいしいと言われるとうれしくなる。最近は仕事が楽しくて時間が取れないが、いつか広い畑でいろいろな種類の野菜を育てたい」と目を輝かす。

自社アパート 目標は10棟
現在は約300棟の外人住宅とアパート6棟の賃貸管理を行っている米琉住宅。今年8月には6棟目の賃貸アパートが完成した。同社が所有するアパート(宜野湾市大山)=パース=では、ペットの飼育をOKにするなど、ニーズに合った部屋づくりを心掛けている。「会社の70周年までに賃貸アパートを10棟建てたい」と石川さんは目標を掲げている。(パースは米琉住宅株式会社提供)

■米琉住宅株式会社☎098(897)2252


プロフィル
いしかわ・まさこ
1949年那覇市出身。40代の頃は県外の大学で生け花の講師として活動。
現在は米琉住宅株式会社(宜野湾市大山)と同社の子会社である株式会社オーシャンの代表を務める。好きな言葉は「置かれた場所で咲きなさい」。

今までの彩職賢美 一覧


撮影/比嘉秀明 文/比嘉知可乃
『週刊ほ〜むぷらざ』彩職賢美<1367>
第1731号 2020年10月8日掲載

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この記事のキュレーター

スタッフ
比嘉知可乃

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新人プランナー(企画・編集)
1990年生まれ、うるま市出身。365日ダイエット中。
真面目な話からくだらない話まで、「読んだ人が誰かに話したくなる情報」
をお届けできるように頑張ります!

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