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2019年12月26日更新

戦後の飲み屋が始まり?|沖縄ぐるめ ルーツはどこ!?

番外編・おでん
本格的な冬を迎え、温暖な沖縄といえどもすっかり寒くなりました。そこで今回はいつもと趣向を変えて、体をポカポカと温めてくれる「おでん」の人気店を紹介。沖縄ならではの人気の具材や食べ方を探りました!
案内人・伊東一洋(トラベローグ)

おでんはダシの材料や取り方、タネが地域で違い、特に牛スジでダシをとった黒いスープに代表される「静岡おでん」が独特といわれている。しかし、タネにテビチを使い、青菜を汁にサッとくぐらせて皿に盛る沖縄のおでんも独創的。沖縄市ではマスタードで食べる店もあり、県内でも地域性が見て取れるのがおもしろい。

沖縄のおでんはいつ、どこで始まったのかは不明だが、今回取材した2軒の話を総合すると、戦後、飲み屋で提供する食事としてスタートしたのではないかと思われる。確かに那覇の栄町、沖縄市の中の町など、県内の名だたる飲み屋街には老舗店が現存していることからも、この説が有力そうだ。


一番人気はチマグ 食べ放題で予約必須

まずは、那覇市の「おでん専門おふくろ」を訪ねてみた。2時間2000円で食べ・飲み放題というコスパの良さも手伝って、開店と同時に席が埋まる大人気店だ。もとは浦添市牧港で20年間「忘れな草」という店名で営業していたが、18年前に区画整理により現在地に移転。店名を変更した。

おでんダネは約30種。当初は数種類だったが客のリクエストもあり、徐々に増えたという。特に人気なのが豚足のつま先「チマグ」だ。「下ごしらえが大変。硬い部位なので、丸1日煮込んだ後、さらにおでん鍋で1日煮込んで味を染み込ませます。ゼラチンが多いので女性にも大好評ですね」と女将の山川正子さん(77)。その他、豚のすね「テビチ」は別鍋で甘辛く味付け。チマグとの違いは明確なので食べ比べるのもおすすめだ。
 
トマトやトウモロコシなど変わりダネも魅力。テビチもぜひ味わってみたい
 
「おふくろ」一番人気のチマグ。他店ではめったに食べられない一品
 
刺し身など総菜も30種類用意。こちらも食べ放題というから驚き
山川正子さん、秋久さん夫妻が切り盛り


[店舗情報]
おでん専門おふくろ
沖縄県那覇市久茂地1-8-7(地図
098‐868‐6721
17時30分~24時(土曜は~23時)
日木祝休
Pなし ※予約がおすすめ



そばだしが秀逸 プルプルのテビチ

県庁前に店を構える「よね屋」は、今から40年以上前に現在の店主、又吉潔さん(70)の母、米子さんが創業した。当時は大衆食堂で特に沖縄そばは自家製麺を使うなど人気を博したという。1978年、開南バス停付近に沖縄初となる立ち食い沖縄そば店を米子さんが開業。同時に潔さんが「よね屋」を継ぐことに。当時は食堂の需要が下がり始めてスタッフもいなかったため、一人でできる料理をと考えた末、おでんを提供することに。

潔さんは「沖縄そばが得意だったから、そばのダシがウチのおでんの基礎ですね。人気はテビチですが、余分な脂を取り除かないと臭みがでるので、別鍋で5時間じっくりとテビチを煮込みます」とおでんづくりの難しさも語る。そう言って、おでん鍋から取り出してくれたテビチは大きく存在感たっぷり。ダシが染みわたりプルプルの身もたまらなく美味。40年にわたり店を守り続けてきたおでんをぜひ味わってみたい。
 
おでん1人前1000円。テビチを筆頭にダイコンや卵、厚揚げなどが入る
 
おでんを作り続けて40年余りの又吉潔さん


[店舗情報]
よね屋
沖縄県那覇市松尾1-10-1(地図
098‐867‐4575
11時30分~14時、17時30分~22時30分※おでんは夜のみ提供
日祝休
Pなし



こぼれ話
おでんダシはカツオと豚がベース。沖縄そばの麺を入れて締めとして食べるのもおすすめ



いとう・かずひろ/北九州市出身。雑誌編集に携わり県内各地に出没。食べ歩きがライフワーク。大の猫好きでwebサイト「おきなわにゃんこビレッジ」も運営
 

毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざ
「第1691号 2019年12月26日紙面から掲載」

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