琉球料理
2020年10月1日更新
ンムクジプットゥルー|パパッと琉球料理[5]
ウムクジ(イモくず)を使った家庭料理「ンムクジプットゥルー」。松本嘉代子さんは、「時短でできるおやつです。消化に良く、子どもや高齢者にもオススメです」と説明する。
時短で消化の良いおやつ ンムクジプットゥルー

材料(1人分)
ウムクジ(イモくず)……40g
かつおだし………………250ml
赤みそ………………………30g
ニラ……………………大さじ1
油………………………大さじ1
作り方
(1)ニラはキレイに洗って細かく切る。
(2)分量のかつおだしで、みそを溶いておく。
※だしで溶くことで、風味が良くなる。本来はみそ味だが塩味でもさっぱり食べられる。

(3) 3)ボウルにウムクジを入れ、1のみそ入りだしでのばし、ニラを加えて混ぜる。

(4) よく焼いた中華鍋かフライパンに油を熱し、2を入れる。
※火加減は強火で、3を入れたときに「ジャーッ」と高い音を立てるくらい。

(5)木じゃくしで手早くかき混ぜながら炒め、ツヤと弾力が出てきたら火を止める。
※焦げないように、手早く混ぜ続ける。

ンムクジプットゥルーに使われるイモくずは、サツマイモのでんぷんを乾燥させたものです。サツマイモの原産地はアメリカで、1605年野国総管により沖縄にもたらされ、その後、儀間真常により栽培普及がなされ、常食されるようになりました。水分が多いサツマイモは、そのまま長期保存するのは難しいため、イモくずにし、古くから常備食品として用いられてきました。
イモくずは、ウムクジアンダーギー(イモくずに蒸したサツマイモなどを混ぜて揚げたもの)やくずもちにも使われますが、手軽に作れるのがンムクジプットゥルーです。プルッ、トロッとした食感は他では味わえない魅力です。
調理はとても簡単で、あっという間にできます。イモくずにたっぷりのだし、みそ、ニラを加えて加熱したらできあがり。加熱の際は強火で、焦げないよう手早く混ぜ続けるのがポイントです。イモくずは消化が良いので、子どもにも高齢者にも食べやすいと思います。ニラの代わりに、ネギやパクチーなどを入れても。香りのある野菜が合います。泡盛やビールの肴(さかな)としても相性が良いですよ。
常温で長期保存できるイモくずは、日ごろのおやつ以外にも、コロナ禍で買い物が難しいとき、台風などの非常時にも役立ちます。

まつもと・かよこ/松本料理学院学院長。新聞やメディアで琉球料理の継承について広く発信。県「琉球料理伝承人 琉球料理担い手育成講座」の指導に携わる。
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県内書店で発売中の「松本嘉代子のイチから琉球料理」(松本嘉代子著)では、51のレシピを紹介。だしの取り方や調理器具など、琉球料理の基礎や作り方を詳しく載せている。1500円(税抜き)。問い合わせは、タイムス住宅新聞社098-862-1155へ。

毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざ
「第1730号 2020年10月1日紙面から掲載」