[沖縄スポット]シマ散策③|西原町|fun okinawa~ほーむぷらざ~

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2021年9月16日更新

[沖縄スポット]シマ散策③|西原町

記者が地域の人におすすめのスポットを案内してもらい、地域の魅力を再発見!今回紹介するのは、西原町棚原。西原町観光まちづくり協会の笹倉絹代さんに昔の屋敷跡などの史跡や、ミルク加那志(ガナシー)などを祭ったノロ殿内を案内してもらいました。

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昔の風景・伝統残る棚原 西原町】

スタート地点は棚原公民館の近くにある石畳道。大小の琉球石灰石を敷き詰めた素朴な雰囲気の古道で、左右の壁は石垣になっており、昔ながらの沖縄の集落の風情を感じさせる。石畳のなだらかな坂道を上って、旧宮里家屋敷跡へ向かう。町の指定史跡で、ヒンプンや母屋跡、ウヮーフルなどが残っている。笹倉さんは「ウヮーフルは、豚の飼育小屋を兼ねた便所です。今でもこうして残っているのは珍しいそうです」と説明する。棚原に点在するこうした史跡に触れて、当時の沖縄の暮らしぶりがしのばれた。



旧宮里家屋敷跡の入り口へ続くフクギ並木と石畳道。昔ながらの沖縄の集落の風景が残る

ミルク加那志を祭る
次に向かったノロ(祝女)殿内は、棚原のノロの屋敷跡。1967年に改修された拝殿の中には祭壇があり、五穀豊穣などを願う神、ミルク(弥勒)加那志の頭部や胸部、道ジュネーで使う楽器などが安置されている。「旧暦の12月20日、ミルク加那志の誕生日に、その年に生まれた子どもたちをミルク加那志に報告し、健康を祈願するウマリトゥイタティーの行事が行われます」と笹倉さん。拝殿内の壁には祈願後の合同記念撮影の写真が所狭しと飾られている。時代の移り変わりや、変わらない伝統が感じられた。

次へ向かう道すがら、祭りが行われる広場(アシビナー)を通った。棚原では12年に1度、ミルク加那志が生まれたとされる酉(とり)年に行われる祭り、「12年まーるあしび」が開かれる。祭りでは、ミルク加那志を先頭にアシビナーまで道ジュネーを行い、舞踊や組踊、空手の演武など約30演目を2日間上演する。笹倉さんは「組踊など棚原独自の演目も多いです。祭りの準備は班に分かれて地域のみんなで行います」と笑顔で話す。ほかにも笹倉さんから綱引きなど伝統行事の話を聞き、伝統行事が住民の暮らしに密着していて、それを大事に守り継ぐことが地域の交流にもつながっているように思えた。



ノロ殿内の祭壇にはミルク加那志の頭部や胸部などが安置されている。祭りなどでミルク加那志を先頭に道ジュネーが行われる

ノロ殿内の外観。写真左下はノロが馬に乗る時に足を置いたという石


比嘉家の土帝君(トゥティークー)。男女2体の像が安置されている

旧宮里家屋敷跡のウヮーフル。豚の飼育小屋と便所を兼ねていた

少し集落を外れると

目的地の棚原グスクは、標高130㍍の石灰岩丘陵にあるグスク跡。道中、森の中を進むのはちょっとした冒険気分を味わえた。按司墓があり、土器や輸入陶磁器などが出土している。高台の眺めを楽しみながら、古琉球の歴史に思いをはせた。



案内人

西原町観光まちづくり協会
笹倉絹代さん
西原町観光まちづくり協会は、地域の情報発信や、まちづくりに取り組んでいる。会員募集中。問い合わせは、☎098(945)7411


『週刊ほ〜むぷらざ』シマ散策
第1780号 2021年9月16日掲載

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