本村ひろみ
2017年9月5日更新
喫茶店の片隅で|本村ひろみのコラム
フリーパーソナリティーの本村ひろみさんが、暮らしを楽しむアンテナを巡らせて日々の沖縄・風景をレポートします。
fun okinawaコラム「おきなわ 暮らし散歩 Vol.34」
看板に書かれていたら引きつけられる言葉ってありますよね。
例えば「路地裏」。
喫茶店や食堂の紹介や案内、
ましてや名前そのものに「路地裏」って書かれていたら
思わずそのドアを開けてしまいます。
表より裏
その店にはきっとおいしい食べ物がありそう。
妄想の中では。
「新感覚」
飲み物や食べ物の紹介文に「新感覚」って書かれていたら
試さずにはいられません。
すぐに手に取ります。
先日ピカピカ光る電球のついた蛍光色の甘いソーダを発見。
色とか見た目がちょっと派手なほうが期待値も高くなります。
新感覚は未知の世界。
でも、残念ながらまだ想像を超えるモノには出合っていません。
そこが「新感覚」の伸びしろかな。
次こそは! と思わせてしまうのがこの言葉の威力。
「異空間」
足を踏み入れた瞬間から
「ここはどこ、私は誰?」ってなってしまう場所。
時間も場所もワープしてしまうような空間、なんでしょうね。
異空間の演出として、
ひと昔前のディスコではミラーボールがクルクル回りながら
怪しげな光を放っていました。
辞書によると、
「普段生活している現実の世界ではない。異質な空間。
またはそのような空間と錯覚する雰囲気」と記されています。
一人で参加したパーティーで感じる、自分だけが浮いている場違い感ではなく(笑)
その場にいるみんなが体験するような重力。
個人的には満月の夜に出合いたい「異空間」です。
「彷徨(さまよう)」
いまだにこの文字を看板に書いている喫茶店を見かけたことはありませんが、
「珈琲(コーヒー)の匂いに彷徨」とか
「本の森を彷徨ってみませんか?」
もしくは「生クリームとフルーツの世界を彷徨」
なんて入り口に書かれていたら、
間違いなく誰にも教えたくない
秘密の場所になるでしょうね。
今、その喫茶店の片隅でぼんやり音楽を聴いています。
流れている音楽は山中千尋のジャズピアノ “so long”
熱々のチーズトーストとほろ苦いアイスコーヒー。
ここは、あのにぎやかな通りから入った路地裏です。
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おきなわ 暮らし散歩 vol.34
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ロマンチストなラジオDJ
那覇市出身。清泉女子大学卒業、沖縄県立芸術大学 造形芸術研究科修了。現在、ラジオ沖縄「GO! GO! ダウンタウン国際通り発」「We love yuming2(毎週 日曜日 19時~20時)」でパーソナリティーを務める。